概要
プロペラではなく、ターボファンエンジン(過去にはターボジェットエンジンが使われたことも)で飛行する旅客機。個人・官庁所有の小型飛行機や企業が使用するビジネスジェットは含まない。現在もっとも一般的な旅客機であり、中大型の旅客機や貨物機のほとんどがジェット機である。
それまでのレシプロエンジンを搭載したプロペラ機に比べ、巡航速度が速く、搭載できる旅客の人数も多い。半面、プロペラ機に比べて離陸距離が長く、長大な滑走路と設備の整った飛行場を必要とする。よって、離島などの短距離路線はジェットエンジンを搭載しながらプロペラを回すターボプロップ旅客機が採用されることがある。
1952年に運行開始したデ・ハビランド DH.106 コメットが世界初のジェットエンジンを搭載した旅客機だったが、戦闘機用の遠心式ターボジェットエンジンを流用したため推力が不足し、燃費が悪く、搭乗できる旅客の数も少なかった。本格的なジェット時代を切り開いたのは、旅客機用に開発されたターボジェットエンジンを搭載し1958年に運行したボーイング707である。
なお、現代のプロペラ機の多くはターボプロップエンジンであり、ジェットエンジンでプロペラを回しているが、これらはジェット機とは呼ばれないことが多い。