概要
『ウルトラマンタイガ』第23話「激突!ウルトラビッグマッチ!」に登場した偽のウルトラマンベリアル。
チブル星人マブゼが地球にいるウルトラマン達を抹殺するために、第14話にも登場した「ベリアル因子」を利用して誕生させた。
オリジナルとの違いは、外見では爪や角(トサカ?)の部位が黄色く染まっていること。
タイガの世界ではそもそもタイガ出現まで地球人にウルトラマンの存在が知られておらず、ベリアルの恐ろしさもまた伝わっていないので、佐々木カナには「(手が)バナナみたい」と言われてしまっている等、暢気に捉えられる始末だった。
また、当然ではあるがベリアルとしての人格も存在せず、「知性はない」と公式サイトでもはっきりと書かれている。よって常に唸り声しか上げず(『決戦!ウルトラ10勇士!!』のエタルダミーベリアルと同様に両者の掛け声も使用されている)、登場して間もなくは両手を不思議そうに眺めたり、戦闘中に自分の攻撃が効いたときは無邪気にはしゃぐなど赤子のような仕草を見せていた。
まさに肉体だけが再現された抜け殻のような存在と言え、ウルトラマントレギアからは「木偶の棒」「品がないのは飼い主そっくり」とさえ言われていた。
能力
マブゼが「本物のベリアルよりも完璧な個体にしよう」と言っただけあって戦闘力はオリジナルと同等であり、デスシウム光線やカイザーベリアルリッパーと思われる技を使用していた他、オリジナルにはない両腕から電撃を放つ技や八つ裂き光輪も披露している。
また、フォトンアースとなったタイガを相手にしても引けを取らないでいた。
知性も全くない訳ではなく、ウルトラマンタイタスとのパンチラッシュ対決の最中に拳を掴んで反撃し劣勢に追い込む、ウルトラマンフーマの光波手裏剣を一度受けた後は引き抜いたビルを盾にしてそれを防ぎながら間合いを詰めるという戦術も見せており、高いラーニング能力を有していることが分かる。
活躍
本物のベリアルとも遜色ない戦闘力でトライスクワッドを苦しめるが、自分の計画を乱される事を良しとしないトレギアが乱入してくると、彼の言動に激怒したマブゼの指示でさらにベリアル因子を打ち込まれてパワーアップを果たすものの、陽動されて創造主たるマブゼがいたビルを破壊してしまう。
戦いはウルトラマンゼロも駆け付けて2対2に発展した末、トレギアにタイガが放ったタイガダイナマイトシュートの盾にされ爆散した(オリジナルがウルトラウーマンベスを盾にしてメガスペシウム光線を防いでいた事を踏まえると皮肉な展開と言える)。
余談
スーツはおそらく本物のベリアルの改造と思われる。
『タイガ』第23話の5日後は、奇しくもベリアルが初登場した『大怪獣バトルウルトラ銀河伝説THE MOVIE』が公開されてから10周年の日でもある。
これまでのシリーズにおけるニセウルトラマンは元ネタになったヒーローのエネルギーを元に作ったコピー、宇宙人の変身、戦闘力を解析して作ったロボといったパターンが多かったが、オリジナルの遺伝子を元に作られた偽物というパターンは非常に珍しい。
よって「クローンウルトラマンベリアル」と呼んでもいいような気もするが、そうならなかったのは彼の息子と被ってしまうからだろうか。
また、本話はベリアルが偽物とはいえ、『ウルトラの父一族とゼロの因縁の相手であるウルトラマンが一堂に会する回』であり、ウルトラの父の孫であるタイガがベリアルと戦うことが実現した回でもあったりする。
なお、タイガの次番組としてベリアルの息子とライバルの活躍を纏めた『ウルトラマンクロニクルZERO&GEED』の放送が確定しているが、ニセベリアルの登場を含め、今後の作品の伏線となってくるのだろうか…。
関連タグ
ウルトラマンジード:ベリアルの息子。その誕生経緯から立ち位置的にニセベリアルは(見た目は親そっくりだが)彼の弟とも言える存在。彼自身、視聴者からは「善のニセウルトラマンベリアル」と形容されたこともある。
ショッカーライダー:同じく一部が黄色に染まったニセモノ。元ネタの可能性がある。ただしこちらは正義のヒーローのニセモノ。
ダークロプスゼロ:こちらはウルトラマンゼロを模したロボット怪獣。まさかこれを製造したベリアル本人は自分がいずれコピーされるとは夢にも思わなかった事だろう。