概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。別名「無生物さいみんメガフォン」。初登場回はTC18巻収録「ドライブはそうじ機に乗って」。
無生物に催眠術をかけることが出来るひみつ道具。物に向かってメガホンで「君は○○だ」と呼びかけると、その物が呼びかけた物と同じ性質を持つようになる。
例えば鏡に向かって「君はテレビだ」と呼びかければ、鏡がテレビと同じ機能を持つようになり、鏡面にテレビ番組が映し出され、更に引き出しの取っ手を回せばチャンネルを変えることが出来るようになる。
命を持たない物であれば何にでも催眠をかけることが出来る上に、かける催眠の内容に制限は存在しない。原作では掃除機をスーパーカー(時速300km以上で走行可能)にしたり、伝記を漫画にして面白くしたり、剃刀とカレンダーを電話にしたり、重いダンボールを風船にして軽くする、といったように様々な使い方をしている。他にも野球ボールに「君はうさぎだ」と催眠をかけてボールがあちこちに跳ね回るようにする等、無生物に命を吹き込むことも可能。
それだけでなく、2階の窓に「君は1階の窓だ」と催眠をかければ1階の外に繋がる窓に変えることも可能で、2010年版「ドライブはそうじ機に乗って」では自動車教習所の練習コースに「君はサーキット場だ」と催眠をかけ、外観を含めたコース全てをサーキット場に変えている。
また、細かい指定や追加の催眠も可能で、前者は机に「君は自動ピアノだ」と催眠をかけた場合、ちゃんと自動で音楽を奏でるピアノとなっている。後者は水田わさび版アニメオリジナルエピソード「結成!のびーとるず」の作中で、既に「君はエレキギターだ」と催眠をかけた箒に対し、追加で「君は自分で演奏も出来るんだ」と催眠をかけても問題無く自動で演奏するエレキギターとなっている。
更に、現実に存在しない物の性質を持たせることも出来る。実際にドラえもんやのび太は座布団を空飛ぶ絨毯に変えたり、箒を空飛ぶ箒に変えている。大長編及び映画『南海大冒険』では、しずかが岩に「怪力岩男」という催眠をかけ、自分達を敵から守ってくれる為に戦うゴーレムに変えている。
原作漫画では無いが『決定版ドラえもん大事典』ではドラえもんがこの道具を使用して鏡をタイムテレビに変えており、『ドラえもんなぜなに探検隊2』では悪役がこの道具を使用して機関車をタイムマシンに変えている。
このように、原作短編・大長編・アニメ・映画・派生作品のあらゆる場面で万能振りを見せており、催眠をかけると言うより、もはや物体を自分が望む物に変える道具として使用されている。
思わず「催眠って何だっけ?」と問いたくなるほど高性能な代物であり、使い方次第では「ウソ800」「あらかじめ日記」「しあわせトランプ」等の道具と同様に、あらゆる無茶を実現出来る恐ろしい効果を持つ道具と言えるだろう。
関連道具
- 無生物指揮棒
この指揮棒を振ると、周囲の物体(無生物)を自分の思うが儘に操ることが出来る。
例えば玩具の車に対して振りかざせば、まるで本物の車の如く自動的に動き出すようになる。
原作では風船にのび太の似顔絵を描き、服と靴を用意して人間のように動かすことで、のび太の代わりにおつかいに行かせるという荒業を行っている。
また、1度に動かせる無生物の数に制限は無く、複数の物を同時に操ることも出来る。
- コレヨリメガホン
水田版アニメオリジナルエピソード「そして、みんなイモになる」に登場したひみつ道具。
このメガホンを使用すると、どんな物でも好きな物と置き換えることが出来る。例えばバットに向かって「バットより大根」と言えば、バットが大根に変化する。
作中ではドラえもんやのび太がこの道具を使用してポップコーンをドラ焼きに変えたり、教科書を漫画に変えていた。
それだけでなく、この道具は無生物さいみんメガホンや無生物指揮棒とは違い生物に対しても有効。作中では焼き芋を売っていた男性が普通のメガホンと間違えてこの道具を拾ってしまい、そのまま「何より美味しいお芋だよ~」と言い続けた結果、のび太の町に住む人々や剛田家で飼われているムク、骨川家で飼われているチルチルが焼き芋の姿に変わってしまい、最終的にドラえもん達も焼き芋の姿になってしまった。
催眠をかけるのではなく物体そのものを変化させ、尚且つ生物にも効果を発揮する為、無生物さいみんメガホンの上位互換と言える。