※この記事には、単行本未収録内容が含まれていますので、単行本派の方、TVアニメ派の方は閲覧しないことをオススメします。
“月は夜明けを知らぬ君”
“叶わばその一念は”
“二十年(はたとせ)を編む月夜に九つの影を落とし”
“まばゆき夜明けを知る君と成る”
CV:潘恵子
概要
モモの助と妹・日和(ひより)の母親で、光月おでんの妻である。旧姓は天月トキ。
トキは800年前に生まれた人物であるらしい。歳自体は30年前時点で26歳。
能力
名称 | トキトキの実 |
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解説 | 自分や他者を未来へ飛ばせる(過去へは戻れない) |
種類 | 超人(パラミシア)系 |
未来の世界へ飛ばすという何ともチートな能力だが、過去の世界には戻れないという欠点がある。
後述の使用した場面が天守の最上層であり、飛ばされた未来では城は崩れ落ちていたためその時代に現れた瞬間空中に投げ出されていた。このため場所は移動せずあくまで未来の同じ位置に飛ばされるものと思われる。後述の襲われた時もそれで目的地に到着しようと考えなかったことからも伺える。
また、刀で拐われそうになっていたのを抵抗しており一応剣術も使える様子。
活躍
概要の項からもわかる通りに、基本的に故人のため、彼女の活躍は過去に限定される。
また、その能力の特性上『過去の過去』という二重の回想が行われており、少し話がややこしくなる(下記の通りに回想は流れたが先に説明が挙げられたのは最後の時期である20年前の時期の方である)。
30年前以降
30年前新世界のある島で人買いに襲われ能力で未来に逃げようとしたが、そこへ長年の夢であった故郷の外へ出ることを果たすべく、白ひげ海賊団に入れてもらうために船に掴まっていたおでんが悲鳴を聞いて駆けつけ助けだされる。
その後、再び襲われそうになるがおでんを探しにきた白ひげ達が撃退し助かる。
当時の彼女は両親の出身だというワノ国に強い憧れを抱いており、「ワノ国に行きたい」と申し出るが、おでんは戻れば国の者に再びの出航を止められてしまう事から、白ひげはついてきたおでんの事で文句を言われるであろう事から拒否される。
それでも何とか白ひげの船に置いてもらいおでん達と海を旅して回る。
ワノ国の者の気風からか次第におでんと惹かれ合っていき結ばれて旅の2年目に息子モモの助を授かった。同じ年ロジャー海賊団と交戦、終わった後飲み会となる。相手の船長のロジャーは偉大なる航路の到達点の場所を突き止めるために必要な古代文字を読み解く術を探しており古代文字の書き読みを習得しているおでんの事を知り白ひげに1年彼を貸してほしいと懇願した。世界の果てをおでんも見たくて願い出た事で白ひげは相当渋りながらも承諾。彼女もモモの助、従者であるイヌアラシとネコマムシと共におでんについていきロジャーの船に乗り込んだ(もう一人の従者のイゾウは彼らが戻ってくるのを待つため白ひげ海賊団に残った)。
そして更に2年経ち娘の日和も授かり到達点への道筋の一部が書かれたポーネグリフがワノ国にあった事で向かうが長き航海の負担が悲願の国に着いた事で一気に降りかかって体調を崩してしまう。航海の中止を勧められ彼女を心配したおでんも国に残ろうかと申し出るが世界の果てまで行ってみたいという夫の夢をトキは尊重し「こんなところで断念するようなら離縁を申しでます」と半ば脅してまで思い止まらせる。
結果トキは子供達、彼女達をワノ国に受け入れさせる仲介を買ってでたイヌアラシとネコマムシと共にワノ国で船を降り、おでんに旅を続けてもらいその帰りを待つ事にした。
ワノ国に住むようになってからは日々民一人ひとりに親身に接して廻っており、鎖国国家で邪魔者が入らない事とおでんの留守をいいことに暴君として振る舞い武器製造工場を建造し、工場汚染で国を衰えさせていくオロチとカイドウの支配に耐え彼らの刺客から子供たちを庇い脚を負傷しながらもおでんの帰りを待ち続けた。
1年後おでんは帰国し家族や国の者達と再会、トキが民に良くしていたお陰で数年国を留守にしていたのを責められることなく歓迎された。国が衰弱していく光景やトキの傷跡を見て激怒したおでんは単身でオロチを討ちに向かうが黒炭せみ丸やカイドウらに阻まれ更に数百人の民が人質に取られていた。オロチはおでんに「毎日裸踊りを続ける事に100人ずつ人質を解放する」「建造している船が5年後完成したらカイドウと共に国を出る」という条件を突きつける。民を犠牲にできなかったおでんはこれを承諾。この交渉は人々には知られていなかったため国を救うのに動いてくれないどころか毎日踊りを続けたおでんに民衆は失望の目で見ていき彼を「バカ殿」と罵るようになるがトキ達や同じワノ国の大名霜月康イエ、ヤクザの大親分ヒョウ五郎達は彼を信じ続けた。しかしワノ国を滅ぼすのを企んでいたオロチはこの約束を守る気はなく工場を新造したりヒョウ五郎らを捕らえたりなど増長を繰り返す。
20年前
オロチらの振る舞いに我慢の限界となったおでんは赤鞘九人男と共に戦いを仕掛け国を解放しようとするも敗れおでんはワノ国に将来必要になると考えていた開国の願いを家臣や家族、国の者達に託し家臣達を庇い処刑される。
赤鞘九人男達は一人また一人追手に追いつかれ生死不明となるも主君の家族を守るためにおでんの城へ向かう。オロチとカイドウを討ち果たし、おでんの想いを遂げワノ国を開国することを悲願として、その悲願を実現するために燃える城の中、モモの助、城までたどり着けた錦えもん、カン十郎、雷ぞう、お菊の五人を20年後のワノ国へ飛ばした。しかし当人は、おでんを旅の終着点(愛する人)と考え、彼と同じ時代で死ぬために過去の世界に残る。
兄妹どちらかの身に何かあっても光月家の血筋が途絶えないようにするため日和も未来に飛ばすのは断念、彼女を河松に託して逃す。自身は民衆にモモの助達が現れる20年後まで耐える希望を与えようと城から脱出、民衆の前に現れ上記の台詞を語り追手に止めの銃撃を受け息絶えた。
その呪いにも似た予言をオロチは20年間忘れることが出来なかった。
飛ばされた世界でモモの助達は全員死んだと思われている自分達の墓、それも年季が入ったものを見つけ彼女の力が本物であったのを確信(雷ぞうは老け顔であるため時を超えたとすぐ人々に信じてもらえなかったが)、再起を誓う。
また、おでんの処刑前に密かに彼の元へ訪れ最期の会話を交わし彼の刀天羽々斬をモモの助に、閻魔を日和にと受け取り天狗山飛徹に預けていた。
考察
なぜ20年の時間が必要だったのか?
活躍の項にある通り、モモの助、錦えもん、カン十郎、お菊、雷ぞうの五人を未来に逃がしたが、ただ彼らを逃がすだけならば、5年後でも10年後でもよかったはずである。
実際、モモの助たち五人以外の時を超えなかった者達にとってオロチと百獣海賊団に苦しめられしかも汚染で果てていくワノ国で20年彼らが戻ってくるのを待つのは並の苦ではなく、それに加え病や老いで衰えていく者達も現れ、多くの者が10年目で限界を感じ、せめて敵に一太刀喰らわせてやりたいと酒天丸が引き止めるのを押し切り百獣海賊団の本拠地の鬼ヶ島へ向かい全員殺されてしまう(現在まで生き延びた者も歳を理由に参戦を断念しようと考える者も現れている)。
それだけ20年後の再戦というのは厳しいもので、人々はなぜ20年の間が必要だったのかと疑問に思っており、おでんの忠臣の一人であった酒天丸ですら、荒廃する国を諦めの境地で見るしかなかった。
一方でおでんの方も、過去の回想においてロジャー海賊団の面々に、「20年後にワノ国を開国する」と宣言しており、時期的にも彼女の言動とおでんの目標は一致する。処刑時のおでんの語りによると旅の過程でワノ国と世界は800年の時を経て現れる”ある人物”を待っていて現れるのが20年後の筈であり開国の状態としてそれを迎え入れられる必要があるのだという。
そして、彼女はワンピース世界でも最大の謎とされる「空白の百年」の時代の人間であることからも、彼女の行動の真意は今後のワンピースにおいても鍵になる謎であると思われる。