ロデュウ
ろでゅう
外見
黒い長髪の長身痩躯で、背中には悪魔のような翼を持ち、呪文なしで飛翔が可能。顔や服など、全身に走る格子状の模様が特徴で、ベタ目やその周りの黒い隈により、冷酷な印象を受ける。翼はアニメ版では赤くなっている。
性格
「仲間を見捨てて逃げるアホを後ろから撃ち抜くのが一番楽しい」と発言するなど、プライドが高く残酷なサディストだが、完全な卑怯者という訳ではない(しかしこの発言自体、見方を変えるなら「人を裏切るような奴を許さない」という宣言にも聞こえる)。
戦闘の初っ端から最大呪文を仕掛けるなど、ペース配分を考えない力任せな戦法をとる。そのため心の力が消耗し、チータに呪文を唱えてもらえず攻撃をモロに喰らうことも。
その後チータに文句を言うこともあるが、大抵正論で返されるため素直に納得し、挙句相手に逆切れするなど、考えることは苦手な模様。しかも相手を挑発するような言動をしたのちにフルボッコにされる描写が多いため、どこか憎めないところがある。
しかし一方で、パピプリオの術の有用性に勘づいて、部下として同行させるなど、知性自体は侮れない。
口調は時々尊大なしゃべり方になるが、基本的に言葉遣いは乱暴。終盤でゴデュファの契約により性格が狂暴化した際は、より荒っぽい口調となった。
呪文
全て自身の翼から放出、または翼そのものを変形させて放つ。
- ラギュウル
翼から螺旋状の黒いエネルギー波を放つ。
- ガンズ・ラギュウル
翼からエネルギー弾を乱射する。
- ギガノ・ラギュウル
「ラギュウル」の上位術で、翼から螺旋状の大きな黒いエネルギー波を放つ。
- ギロン・ラギュウル
翼を変形させ、多数の槍状の攻撃を分散させて放つ。モモン曰く「中級の強さ」。
- ラギュウル・ロスド
翼を巨大な刃物に変えて攻撃する。
- ラギュウガ
翼同士を絡みつけ、光線状の槍にして攻撃する。実は初登場時に放っている。
- ガル・ラギュウガ
翼同士を絡みつけ、ドリル状にして攻撃する。
- ディオ・バオール・ラギュウガ
翼をそれぞれ2本の巨大な光線状にし、相手を攻撃する。
- ディオガ・ラギュウル
ディオガ級であるロデュウの最大呪文。翼から螺旋状の巨大な黒いエネルギー波を放つ。
動向
超巨大な兵器魔物ファウードの力を手に入れるため、リオウに協力していた魔物の1人。パピプリオを部下に持ち、レインやウォンレイといった強力な力を持つ魔物を、直接出向いて連れて来る役割を担っていた。
レインからの手紙を受け取り同行していたガッシュらと戦闘になり、チータの冷静な指示で優勢に立つも、パートナーと心を一つにしたレインの最大呪文からチータをかばい戦闘不能に陥る。チータに背負われて逃走した。
その後ファウード内にて再登場。リオウを倒したゼオンがファウードの新たな主になった際は、ゴデュファの契約により自身を強化。加えて今まで以上に邪悪な性格に変わった。
ジェデュンと共にメインコントロールルームに現れ、ガッシュ達を足止めする最後の刺客として立ちはだかる。
自分やジェデュン以外にゴデュファの契約を受けた他の魔物達(ファンゴ、ギャロン、キース)よりも得たその圧倒的な力でガッシュ達を追い詰め、キャンチョメ・ティオ・ウマゴンらを魔力の効かない柱に閉じ込めてしまう。更に自分達を追い詰めたモモンの本を燃やして一行を全滅寸前に追い込むが、昏睡状態から復活を遂げた清麿が登場。
覚醒した清麿と共に戦線復帰し、パワーアップしたガッシュの力にまるで太刀打ちできず、ジェデュンはあっさり倒されて魔界に帰り、自らもファウードの力で回復と同時に更なるパワーアップをしてもなお、全ての攻撃を見切られ、悪あがきで柱に閉じ込められたティオ達3人を愚弄するが、その行為がただでさえゼオンに対して怒り心頭だった清麿(通称「鬼麿」)の逆鱗に触れてしまい、怒り狂った清麿から「ザケル」・「ザケルガ」・「テオザケル」による拷問同然の連続攻撃(ザケル12発・ザケルガ10発にとどめのテオザケルの計23発、しかも全てギガノ級以上の威力)で完膚なきまでにぶちのめされた(チータはこの時点で心の力と回復液を切らしたため、本を守ることを優先し逃亡していた)。
その後は更にパワーアップして復活。ゼオンからガッシュ達を始末するように命じられるが、チータの言葉で自身がゼオンに従わさせられていたことに気づく。
そして自身の誇りをかけてゼオンを攻撃。ゴデュファの契約と身体に埋め込まれたファウードの細胞により、反逆を続けると死に至ることを悟るも攻撃を続行。肉体が崩れながらもゼオンに肉迫し、自身の片翼すらも引きちぎりながら己の意地を見せつける。
そしてチータとの今までの生活を振り返りながら、ボロボロの状態で心を閉ざした彼女を抱き寄せ、こう語りかける。
「強く… 生きろ。」
「てめぇ自身が強けりゃよ… 目の傷なんてなんでもねぇ…」
「もっと笑えるし、まっすぐ立てるし、ほれる男も出てくらぁ…」
普段のロデュウからは想像もつかないような穏やかな笑顔で告げられたその言葉はチータに強さを与え、最後は本をパピプリオに燃やしてもらい、最大攻撃呪文を放つ。激痛の中静かな笑顔を浮かべ、魔界へ帰った。
その最後の一撃は、ゼオンをして「避けてはいかん」と思わせるほどの強い意志が込められていた。
最後まで味方にならない敵側でありながら、パートナーとの絆が描かれた珍しい魔物であり、ガッシュがゼオンに記憶を返されると同時にゼオンの記憶も入ったのか、クリアに対して激怒している時の回想に、最後まで敵だったはずのロデュウの姿があった。
魔界ではバリーやキース、ツァオロンと同じ学校であるが、相変わらず威圧感たっぷりの様子を見せており、不良漫画のような雰囲気を漂わせていた。
アニメ版
アニメ版ではファウード編の中ごろまでは概ね原作に忠実だが、完全オリジナル展開となった再突入以降は原作と大きく異なり、原作のような絆を感じることは無かった。
二手に別れ攻略する清麿チームの前に立ちはだかり、ウォンレイと対峙。自身と互角以上に戦うウォンレイに激怒しファウードの機能で自身の分身を生み出し一度は追い詰めるも、絆を新たにしたウォンレイとリィエンの反撃に圧され、チータにファウードの力を注ぎ込み強化した「ディオガ・ラギュウル」とウォンレイ達の最大術「ゴライオウ・ディバウレン」との衝突でウォンレイを倒す。
その後、リィエンに化けたザルチムと共に清麿たちの前に姿を現し人質作戦を行うも、「ウォンレイはリィエンを見捨てて逃げた」と語った事であっさり見破られ攻撃を受ける。
チータに反撃を指示するも彼女は「今の自分たちでは彼らには絶対勝てない」とあっさり放棄。狼狽するもしびれを切らしたザルチムに本を斬られ、本が燃える中ザルチムのパートナーであるラウシンから
「お前のような弱い奴はファウードの一員にはなれないからとっとと魔界に還れ」というリオウの伝言を受け、虚しく魔界へ送還された。
原作での壮絶ながらも感動的だったチータとの別れや絆は勿論、凶暴さの中に見せていた冷徹さなども全く見られず、ザルチムも自虐する程の安っぽい三文芝居に現を抜かした挙句最期もリオウ達からあっさり見棄てられるわと、全くいいところが無かったりと悲惨な扱いを受けてしまっている。どうしてこうなった
余談
終始敵側であり、なかなかに残忍なやり方でガッシュたちと交戦したキャラクター。
しかし怒りの清磨による怒涛の連続攻撃で3ページに渡り涙目で転げまわる様、そして最期に見せたチータに対する男前な言動などから、一部のファンより高い人気を得ている。
pixivでは彼単体で描かれることは少なく、チータとペアのイラストが多い。
一応補足しておくと、終盤ガッシュたちに見せた残忍なやり口は、ゴデュファの契約によって性格がより凶悪になったためのものである(それ以前の対レイン戦でもそれなりに冷酷だが)。
凶悪化した魔物は、本が燃えたりすると元の性格に戻る描写があるため、最期にチータに見せた表情のほうが、彼本来の性格に近いといえる。