渡辺大(映画)、鈴木亮平(テレビドラマ)
身長:179.5cm 体重:70.5kg
特技:苦手がないこと
好きなこと:涼子に耳かきをしてもらうこと
嫌いなこと:吸血鬼たちの傲慢な態度
作中での主な呼称:「篤」、「篤さん」、「兄貴」、「あっちゃん」、「丸メガネ」
「さあ概要だ いつでも来い」 ハァ ハァ
「この島には 一人くらいはまともな奴がいてもいいんじゃないか?」
頭脳明晰で運動神経抜群な文武両道の天才であり、宮本明の自慢の兄。
吸血鬼ウィルスの飛沫感染を防ぐためマスクと雨合羽は常時着用、丸いロイド眼鏡が彼のトレードマークである。
状況によって軍手も装備する彼はコロナ禍さえも先取りした対ウィルスガチ勢である。
さらに、彼の使用する武器はなんと物凄ェ丸太。
つまり、彼こそ最強の不審者にして最強のお兄ちゃんなのである。
その姿格好からは想像もつかないほど戦闘力が高く、彼岸島世界では最強格の人間の一人である。
(また、クソ雅の首を刎ね落とし、一時戦闘不能まで追い込んだ作中唯一の人物でもある。)
ハァハァと息を荒げて丸太を振り回し、吸血鬼達を切り捨てるその姿はまさに歴戦の強者である。彼岸島序盤における頼もしい最強の味方である彼だったが、同時に中盤最強の敵として明達と対峙することとなる。
また...それまでとても倒せる相手ではなかった吸血鬼をいともたやすくあっさり殺しまくる彼の存在が、それまで純粋なパニックホラー漫画だった彼岸島が...いい意味で徐々に現在の方向性へと定まっていくこととなる。
「なんだって!?俺の経歴が彼岸島本編のネタバレだと!?」
「本当は俺よりも お前の方が優れていた」
二年前、婚約者の涼子と共にとある神社に訪れてしまったために悲劇を引き起こすこととなる。
涼子の両親に挨拶する為に彼女の島に訪れた際、篤は雅を開放してしまった。
(善意だったにせよ、そのため篤は彼岸島ストーリー最序盤におけるA級戦犯とも言える)
戦前から寺内に閉じ込められていた雅を開放してしまった為に涼子は襲われ、感染してしまう。
そして婚約者の涼子を殺された篤は雅への復讐を誓うこととなり、その手に丸太を握る事となる...
一方そのころ...彼岸島に渡るより以前、文武両道の篤はその優れた才能から両親の期待と愛情を一手に受けていた。
逆に弟の明はというと常に両親から篤はどうだ、お前はそれに比べて…と比較されてしまう原因となってしまっていたが…しかし心の底はモヤモヤしていてもそこはやはり血の繋がった兄弟同士。
基本的に彼ら兄弟仲は良く、明は篤を尊敬し、篤は篤で弟の明に秘められた才能を確信していた。
しかし彼岸島本編開始後...そんな自慢の兄である篤が婚約者とともに突如蒸発してしまい、弟の明が彼を探すために手がかりを探すこととなる。
明とその友人達は、行方不明となった篤につながる手がかりを探すうちに青山冷という女性と出会い、明は篤が向かったという孤島彼岸島の存在を知り、そして吸血鬼に侵された彼岸島島内にて兄弟は再開することとなる。
そして二人は吸血鬼のボスである雅を倒すため戦いに身を投じていくこととなる...はずが、
その後、「先に帰って待っててくれ、俺はこの先にいる雅を倒してくる(要約)」という最悪の死亡フラグを序盤も序盤で口にした篤。そしてその舌の根も乾かぬうちに雅の首を持って帰還した篤に、明達と読者は一同驚愕することとなる。
「やっとこの島から出れる...!」と口々に篤への感謝の言葉を口にした一行は次々にボートへと乗り込み、雅がもたらした惨劇の舞台となった彼岸島を後にした、はずだったが...
「首を斬られるとは 油断したぞ丸メガネめ」
なんと不死身の[雅]は首を刎ね落とされた程度で死んでおらず、
篤に切り落とされた頭部をどう間違えたのかそのまま左胸に埋め込んだ雑な復活を果たしていた。
一方で篤達が乗っていたボートは雅がけしかけた邪鬼の大群に襲われてしまい、20m越えのサンマの集団に襲撃されて本土に帰還する術を失った彼らは再度改めて彼岸島に上陸することとなる。
その後、篤は作中随一の戦闘力を発揮して明達をサポートし、篤と明達一行は雅の不死を破る方法を見つけるためレジスタンス(抵抗勢力)として活動していく事となる。
[彼岸島]島内のそのへんの地面に生えている日本刀や自生している丸太を武器として巧みに活用し序盤から中盤にかけて文字通り無双の活躍ぶりを見せることとなる。
また、島のレジスタンスを率いる師匠と呼ばれる人物を明に紹介し、明の隠れた才能を引き出すべく修行をつけさせた。
しかし...
「俺に触れるな明 お前も感染したいのか」 ハァ ハァ
再度復活した雅をも追い詰めた篤だったが...戦いの最中、篤はついに吸血鬼ウィルスに感染してしまう。
そして人間として意識のある内に、日本刀で自分ごと雅を刺して動きを封じた篤だったが、
そのまま二人とも雪崩に巻き込まれてしまう。
クソ雅はともかくとして、重症の篤も雪雪崩に巻き込まれてしまい...二人は無事なかよ死したかに思われた...
生き残った明達はその後、雅の不死身を一時的に解除する「501ワクチン」の存在を知って大日本帝国陸軍の生物学研究所跡地へと向かい、肝心のワクチンを奪取するべく内部の吸血鬼を倒して突き進んでいく。
進む途中で60年前からの陸軍の生き残りである五十嵐中佐の支離滅裂な思考・発言...
そして炭鉱内のトロッコの不自然な挙動などの白昼夢に悩まされた一行がたどり着いた研究所の奥地で彼らは...既にウィルスに感染し、不死身の吸血鬼になってしまった篤と再会することとなる。
「今の俺は お前の敵なんだよ」 ハァ ハァ
吸血鬼として五十嵐の研究所の深部にて再登場した篤だったが、雅率いる吸血鬼軍の軍門に下っており、既に身も心も吸血鬼に堕ちた彼は、今や自らの意志で雅に従っている事を明に告白する。
今まで心強い味方だった篤は一転、今度は最強の敵となり対峙することとなる。
「本当は小さい頃から俺よりも お前の方が優れていた」
「いつも一緒にいた俺には、お前の本当の力がわかっていた」
「俺はそれがずっと怖かった」
吸血鬼になると人格の闇の部分が増長するのか、再登場した篤は弟である明への闘志にやけに漲っていた。
そしてどういうわけか人間時代には使用しなかった超強力な薙刀を用いた白兵戦、そして超強化された吸血鬼の身体能力により明を圧倒しワクチンを奪取する。
それを賭け、明に対し今度は決闘を申し込む篤だったが...
その後、なんとホラー漫画にあるまじき未来予知能力、そして師匠との修行で培った超人的な戦闘力を開花させた明に徐々に押され、左目を失い重傷を負う。
そして、このどう考えても平時ではない彼岸島で呑気に結婚式を敢行している島民達をも巻き込み、新郎新婦や神父を吸血鬼に変えるなどの行為を行い、決闘で自らも満身創痍となった明に対して陰湿な反撃を試みるが、最終的に乱闘となった二人は教会の最上部から落下、このままでは二人とも地面に叩きつけられることが避けられない状況となるが...
「明 俺に掴まれ」
篤は凄まじいスピードで落下しながら会話を行う二人。
師匠の迫真の助け丸太も虚しく、明は捕まりきれず脱出に失敗。
篤はというと、今際の際に自身がクッションとなることを告げたかと思うやいなや空中で明の真下に瞬時に移動し...人間であり敵である明を助ける形で着地し、重傷を負う。
下半身を失いながらも戦いの中でほぼいつものお兄ちゃんに戻った篤だったが、妻の涼子と最期の会話を楽しんだ後彼女に別れを告げると、最終的に廃墟と化した結婚式場の壇上で明に介錯される形で死亡した。
平成十五年 享年25才にて 宮本篤 彼岸島内に散る
以降、篤は故人となったためその後直接の登場はないが...弟の宮本明、そして恩師である師匠の回想にたびたび登場するほか、篤の人間時代の友人の斧神の回想でも珍しくハァハァと息を切らしていない、かなりフランクかつ砕けた口調で喋る年相応の篤兄さんが登場する。
「まだ書いていない余談が一つや二つ以上 あるはずだ」ハァ ハァ
コミックDAYSの検証によると、彼ら二人が会話を挟みつつ落下していた時間を仮に10秒とすると教会の全長はなんと694mとなり、スカイツリーよりも高い計算となる。
本土へと戦場が拡大し、救世主となった明ですら肝心のクソ雅にはまだ碌なダメージを与えることが出来ていない。
初期だからとはいえクソ雅の首を手土産に帰還した篤の異様な強さは目を見張るものがある。
テレビドラマ版でも自室の机に剣道の面が置かれていたことから、劇場版と同様に剣道の経験者である模様。
「篤は日本刀でなく実は薙刀を使った方が強い、だが普段持ち歩くにはデカすぎるので使わない」
という理由は、片手で丸太ブンブン振り回した後だと説得力がないよお兄ちゃん。
なお、彼の装備している軍手にはカエルのパッチワークが刺繍されている。かわいい。