聖書やキリスト教用語で世界中でおそらく最も有名な槍。
聖遺物としてのロンギヌスの槍
カインの血をひく鍛冶トバル・カインが天から落ちてきた金属により作ったとされる槍。
十字架にかけられたイエスが本当に死亡しているのか確かめるためにその脇腹を突き、その時に聖遺物となった。
イエスの脇腹を刺した時、欠けることのなかったこの槍が欠けたという。
イエスに刺したのはロンギヌスという名のローマ兵士だったと言われているが、他にも諸説ある。
ローマの聖アウグスティヌス教会に遺物が保存されているのだが、実は他にも同名の槍が何本もあり、どれが本物なのか誰も分からなかったりする。(「何度も刺されたのだからイエスも大変だな」と斜め上の解決策を提示したネット上の書き込みを編集者は見たことが有るが恐らくジョークの類であろう)
「所有する者には世界を制する力を与える」という伝承があり、ヒトラーが血眼になって捜索したというエピソードがあったり、他にも様々な者に栄光と破滅を与えている。
『アーサー王物語』に登場するロンの槍は、俗説でこの槍と同一視される場合がある。
またそれとは別に、ベイリン卿の物語とガラハッド卿の聖杯探索に登場し、漁夫王を傷つけたりその傷を癒したりしている。ややこしい話だが、傷を付けたのはベイリン卿、のちのちそれを癒したのがガラハッド卿である。
物語では「常に血が滴り、最後の審判までそれが止まることはない」とされ、「槍を以て相手を傷つければそれは決して癒えない傷となって相手を苦しめ続ける」と同時に、「滴る血はあらゆる傷を癒し、この槍で作った傷もこの血でしか癒せない」と紹介されている。
アーサー王伝説から派生した歌劇『パルジファル』においてはパルジファル(パーシヴァル卿の事)が魔術師クリングゾルから奪い返して、聖槍に主として認められる。効能は漁夫王の逸話に同じだが、クリングゾルがパルジファルに投擲した際には眼前で止まっている為、聖杯に選ばれた者を傷付ける事が出来ないものと推測される。
新世紀エヴァンゲリオンに登場するロンギヌスの槍
リリスの胸部に突き刺さっていた巨大な螺旋状の槍でその先端は二股に分かれているが、投擲されるとねじれて細長い槍となって対象を貫く。また、アンチATフィールドを発生・増幅することで対象の展開しているATフィールドを無効化し、破壊することもできる。さらにその描写から自動追尾機能も備えている可能性もある。
その性質ゆえに、EVAや使徒に投げるだけで倒せる凄い槍。もはや公式チート状態である。
アニメ版
元々は第壱使徒アダムと共に南極で発見され、セカンドインパクトの原因の一つでもある。
第拾伍使徒アラエル殲滅の際に、碇ゲンドウの指示でEVA零号機によって衛星軌上に投擲され、使徒を殲滅。そのまま直進し、月の重力軌道上へと到達。人間の手では回収不可能となった。しかし旧劇場版で碇シンジの負の感情に引かれて、槍自身が勝手にEVA初号機のもとに帰ってくる事になる。
また、どういう経緯を経て、どのような手段が用いられて生産されたのかは不明であるが、EVA量産機の携帯する大剣『諸刃の剣』は、このロンギヌスの槍に変形する機能を有したレプリカである。
電撃ホビーマガジンの外伝小説『エヴァンゲリオンANIMA』でもキーアイテムとなり。何がなんだかわかんないくらい凄いことになってしまっている。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版では
新劇場版では第1の使徒が全4体だったため、この槍も少なくとも四本は存在する。
新劇場版Qネタバレ
リリスの残骸に刺さっていたが、『ロンギヌスの槍』と対に『カシウスの槍』が刺さっているという渚カヲルの予想とは反して『ロンギヌスの槍』が二本存在していた。第13号機が二本とも抜いてしまったため、ニアフォースインパクトが発動してしまった。
この描写から、『ロンギヌスの槍』=『カシウスの槍』説もささやかれている。
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