ユグドラシルとは、北欧神話に出てくる幾つもの世界を支える大樹である。次元を超越して世界を繋ぐ文字通りの『世界樹』であり、北欧神話においてすべての世界はこの大樹の枝葉の上に存在するとされている。
概要
混沌の時代からすべての世界を支える、北欧神話の土台というべきトネリコの大樹。
そのあまりの巨大さとスケールの大きさから世界樹の異称を持つ。
そしてその名に違わず、混沌の氷原・ニブルヘイムから最上界たる神界・アースガルドを貫き、その枝葉で世界の土台を支えているという、世界の神話でも類を見ない壮大なスケールを持つ樹でもある。
ユグドラシルが支える世界
- アスガルド ―― オーディンたちなどのアース神族の棲む世界。
- ヴァナヘイム ―― アース神族と対を成す巨神の一族・ヴァナ(ヴァン)神族の世界。
- ミズガルズ ―― いわゆる『人間界』。
- アルフヘイム ―― 妖精族の棲む世界。
- シュヴァルツアルフヘイム ―― 土精など、地に棲む精霊の世界。
- ニダヴェリール ―― 鍛冶を得意とする小人たちが棲む世界
- ヨツムヘイム ―― かつて世界を割拠した『霜の巨人』たちの末裔が棲む世界。
- ムスペルヘイム ―― 炎に覆われた世界。火の巨人・ムスペルとその族長たるスルトが棲んでいる。
- ニブルヘイム ―― 永久凍土に覆われた世界の最下層。かつて巨人ユミルが生誕し、今は冥府の女王ヘルがその管理者となっている。
ユグドラシルに棲む生物
ユグドラシルには、その幹や枝葉に多数の生物を宿している。
ヴィゾーヴニル | ユグドラシルの頂に住む雄鶏。輝く体で世界を照らし出し、レーヴァテインでしか殺せない。フィアラルやグリンカムビといった鶏とも同一視される。 |
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フレースヴェルグ | ユグドラシルの頂・天の北端にたたずむ大鷲。彼の羽ばたきが世界の風となって吹き渡っているという。ニーズヘッグとは犬猿の仲で、ラタトスクを通じて互いに罵り合っているという。 |
ラタトスク | ユグドラシルの幹を駆け回る栗鼠。世界間に情報を伝えるメッセンジャーでもある。 |
ニーズヘッグ | ユグドラシルの根を齧っている、フヴェルゲルミルの泉に棲む蛇(悪竜)。ラグナロクの後も生き残り、世界の終焉には死者をその翼に乗せて飛び去るとされる。 |
ダーイン、ドヴァリン、ドゥネイル、ドゥラスロール | ユグドラシルの樹皮を糧として生きる牡鹿たち |
エイクシュニル | ユグドラシルまたはニブルヘイムの泉近くに生えるレーラズの木を食べる牡鹿。角から垂れた雫がニブルヘイムの泉に流れ込んでいるとも。 |
ヘイズルーン | ユグドラシルまたはレーラズの木を食べる雌山羊。乳からは尽きる事のない蜜酒が絞り出され、ヴァルハラに住むエインヘリャルに振舞われている。 |
ユグドラシルと三つの泉
ユグドラシルは三つの世界に根をおろしており、それぞれの根元に泉が湧いているとされる
ウルドの泉 | ミッドガルドの真下にある、運命の三女神が棲む泉 |
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ミーミルの泉 | ヨツムヘイムにある、知恵の神ミーミルの棲む泉。この泉の水を飲むとあらゆる知恵を授かるとされ、オーディンは右目を対価にこれを飲んだとされる |
フヴェルゲルミルの泉 | ニブルヘイムにある、ニーズヘッグの棲む泉。無数の毒蛇がひしめき合う醜悪な泉 |
テイルズシリーズ
『テイルズオブファンタジア(TOP)』および『テイルズオブシンフォニア(TOS)』に登場する。
前者では「世界樹」であり、後者はキャラクター名である。
TOPでは世界にマナ(魔力)を供給する源泉であり、トーティス村の東の森にひっそりと佇んでいる。
物語開始時点では枯れ果てており、狩りの最中に樹を発見したクレスに宿主である精霊マーテルが残り僅かな力を使い、ダオス復活の危機を知らせようとした。
過去編でユグドラシルの枯死の原因がアセリアによる魔科学の発達と妄信、および魔導砲の連発と判明し、ヴァルハラ戦役後にミントの法術によって間一髪で枯死を免れ、未来編まで存続。エピローグではすべてを知ったクレスたちの計らいで、ミントの法術による結界が張られ、マナの漏出を抑制されることになった。
TOSのユグドラシルに関しては「ミトス・ユグドラシル」を参照。
ゼノギアス
作中に登場する潜砂艦の名前。2隻が存在する。
艦長はバルトロメイ・ファティマ。
NARUTO
作中において、世界の始まりとなった大樹である『神樹』のモデルであるとされる。詳しくは『十尾』を参照。
東京放課後サモナーズ
『東京放課後サモナーズ』のメインストーリーにおいて、東京と繋がった23の異世界ほひとつとして語られている。
勝利者であり『世界代行者』はスルト。