「魂を喰われた人間は一日で死ぬ…助けるにはオレを倒し、魂を解放するしかない…が、オレはこれから三途の川へ帰り、出てこない。……生きた人間の手の届かない世界だ。打つ手もなく丸一日の間… 死ぬほど嘆き、悲しんで貰おう」
「どんなに泣いても喚いても、明日までの命…死ぬ方と死なれる方、どちらが苦しいのかな?」
CV:斎賀みつき
データ
【身長】一の目・197㎝→二の目・49.2m
【体重】一の目・90㎏→二の目・22.5t
概要
沢山の口が集まったような、管のような姿を持つアヤカシ。『うわん』という妖怪の伝承のルーツとされる。
上記の姿を詳細に説明すると、まるで全身が迷路の様に縦横無尽にくねった管で覆われた身体を持ち、その全身には更に口の付いた赤い球体が無数に付着しているという外見。
頭部の方をよく見ると、球体の1つの口の中から右目、そして管の隙間から左目を覗かせているのが分かる。
音叉に似た形状をした「音叉鳴響刀(おとまためいきょうとう)」という刀で武装している。
また、一人称は「オレ」だが、男とも女とも付かない中性的な声で話す。
右手の大きな口から人間の耳には聞き取れない不思議な音を放つ事で、人間の魂を抜き取る「魂離脱(たましいりだつ)」と言う術の使い手であり、魂を抜き取られた者は苦しみ衰弱した末に24時間後に死亡してしまう。
犠牲者を救う為にはウタカサネを倒して魂を解放するしかないが、肝心のウタカサネは魂を抜いた後に戦いもせずさっさと三途の川に帰ってしまい、それっきり出てこない。
そして六門船で苦しみながら死を待つ人々の悲鳴を聞き、それに対して何もできない周囲の人々を嘲笑う等、その性質は極めて陰湿。
しかも倒そうにも、自身の肉体を100の球に分裂させ攻撃を完璧に避けつつ攻撃する「百体分離(ひゃくたいぶんり)」で逃げる為、捕える事も不可能。
劇中ではそうした自身の能力を駆使してことはを含め54人の人間の魂を奪い、彼女の誕生日をそのまま命日に変えようとした。
劇中での活躍
季節が夏になると三途の川が荒れるらしく、六門船もかなり激しく揺れていた。それと同時にドウコクも激しく荒れる状況を受け、シタリは、ナナシやアヤカシ達の力も増し、三途の川の水が増えやすくなるという。
「じゃあ、オレがそれに拍車をかけてあげようか?」
そこにウタカサネが登場し、三途の川の増水の為に現世に赴く。「確かにお前の嫌らしさなら、拍車は掛かる」と太夫が呟くのを他所に、ウタカサネは現世に進出。
「魂離脱」で人々の魂を奪っていると、其処へシンケンジャーが駆け付けて交戦する。
だが「百体分離」で6人の攻撃を完全に回避し、隙を突いてイエローの魂を奪う。
変身が解けてその場に昏倒することはにピンクが駆け寄り彼女を介抱する中、上記の台詞で余裕を見せ付ける。
その言葉に怒るレッド達だったが、その攻撃は「百体分離」で全て無効化されてダメージを与えられず、一方的な攻撃を受けてピンチに陥る。
そんな中、海老ディスクをサカナマルにセットしたゴールドが何とか一太刀を浴びせるが大したダメージにならず、ウタカサネはそのまま壁の亀裂から三途の川へと逃げ帰ってしまう。
犠牲者はことはを含めて54人で、為す術もない状況にシンケンジャー達は絶望に打ちひしがれる事に。
外道に墜ちれば三途の川へも乗り込めると言う十臓の言葉から、その選択を考える程に丈瑠達が切羽詰まった状況の中、
源太だけは1人、寿司桶の中に佇む海老折神の起動を試みていた。
そのまま六門船で被害者達の苦しむ様を嘲笑いながら傍観するウタカサネだったが、実は先の戦いで百体分離した際、ゴールドはウタカサネに「海老」のモヂカラを刻み込んでいた。
そして源太の妙案により、海老折神の起動の為に残りのメンバーが「活」のモヂカラを送り続け、その起動に成功。それと同時に、ウタカサネはまるで磁石の様に現世へと引きずり出される。
更に身体に残るモヂカラの影響で百体分離も使えず、為す術も無いまま5人の怒りの猛攻に圧倒された末、烈火大斬刀の斬撃を受け敗北。
直後に巨大化すると、ゴールドの操る海老折神と交戦するも、巨大バサミで投げ飛ばされる。負けじと巨大ナナシ連中を嗾けるも、ゴールドは海老折神をダイカイオーへと侍変形させて対抗。
東、西、南とその形態を変化させるダイカイオーに巨大ナナシ連中は翻弄された挙句、「太巻き光輪」で一掃されてしまう。
ウタカサネは海老刀大名おろしを喰らい、怯んだ所へ止めのダイカイオーヒガシの海老ばさみ本手返しを受け爆散。
ウタカサネが死ぬと同時に、ことはを含めた人々の魂も無事、持ち主の所に戻った。
余談
モチーフは口と管。名前の由来はそのまま歌+重ねる。
現代の伝承で、『うわん』という妖怪は「うわん!」と大声を出して人間を脅かす化け物らしいが、ウタカサネに魂を取られた者の悲鳴とその周囲に響く悲しい鳴き声がそのルーツになったと思われる。
声を演じた斎賀女史は今作が特撮初出演となり、11年後の『魔進戦隊キラメイジャー』では兄弟怪人のフリーザー邪面を担当する事になる。
関連項目
ケサランパサランのペサラン挫:次回作の怪人で、こちらも無数の球体に分離する能力を持つ。
ウワン(魔化魍):『仮面ライダー響鬼』に登場するうわん繋がりのライダー怪人。