棲み分け(住み分け)とは
- 生活様式のほぼ等しい異種の生物群が、生活空間や生活時間・時期を分け、競争を回避しながら共存する現象。ヤマメが下流に、イワナが上流にすむ例など。
- 銀行と消費者金融、トラック輸送と鉄道輸送と海上輸送のように競合関係にある業界が、それぞれの特色を生かすことで共存している状態。類似したものがうまく共存すること。
- 同人用語。相いれない嗜好の持ち主同士が、互いを不快にさせないために、自分たちの活動が相手の目に入らないように努める事。本頁で解説。
同人用語としての「棲み分け」
主にインターネット上で用いられる同人用語で、ゾーニングのこと。
嗜好・解釈・考え方の違う者同士が、お互いの地雷に当たる表現などを踏んで不快な思いをしないよう、活動の場を明確に分けたり隔てたりすることである。
非オタクの人々は「マイナス検索」どころかpixivの存在自体を知らず、googleなどの検索結果でpixivに投稿されたイラストを直接見てしまうようなパターンも多い。そのため、こうした一般のファンの目に止まらないよう、棲み分けを行うことが望まれる。また、好き嫌いの別れるネタについても、投稿者側が炎上を避けるために自主的に棲み分けを行う場合がある。
どのようなイラストに棲み分けが要求されるかは様々である。
R-18の作品は、pixivやgoogleの設定次第で検索結果から除外することもできるが、TwitterなどのSNSで投稿するのは不適切だという意見も少なからずある。
女性向け界隈ではBLを巡って荒れやすいため、自主的に棲み分けを行う腐女子も多い。たとえば刀剣乱舞のBL作品の場合、刀剣乱腐タグを付けて刀剣乱舞タグは付けないなどの一定のコミュニティルールはどこのジャンルにも存在する。しかし全ての人がこうしたルールを遵守しているわけではない。
また、版権キャラとオリキャラを混ぜるような創作物、クロスオーバー作品にも棲み分けタグを要求されることは多い。
一方で、百合界隈では棲み分けの慣習はあまり根付いておらず、百合が地雷の人ために配慮するという考え方もほとんど無いのが現状。百合というタグすら付かないこともあるため、検索避けすらできない。中には閲覧者を増やすために無闇にいろいろなタグを登録する投稿者もいる。ただしその場合はいくら寛容な男性向けでも「検索妨害」だと叩かれる可能性はある。
そのほか様々な特殊性癖など挙げ出したらキリがなく、完全に棲み分ける方法は存在しないため、見る側にも一定のスルースキルは求められる。
考え方も一枚岩ではなく、例えばpixivでもSNSでも、「検索避け」をしたい人と「マイナス検索」をしたい人の利害が衝突することもある。(両者とも自分の望みを「棲み分け」と呼ぶからややこしい)
pixivのシステム
閲覧制限を棲み分けと定義した場合、R-18・R-18Gの設定がある。設定された作品は、18歳未満、またはR-18・R-18G非表示設定をしているユーザーから見えない。
pixivのシステムに組み込まれている強力な手法。
性的あるいは暴力的・刺激的な要素が強い"属性"では棲み分け手段として有効になる。もっとも、これは棲み分けというよりも利用規約に基づくことである。
作品のサムネイルを隠すことを棲み分けと定義した場合、pixiv内ではサムネイルフィルターを使える場合もある。
タグによる棲み分けは「棲み分けタグ」を参照。