概要
サケ目サケ科イワナ属の魚。
漢字では「岩魚」、「鮇」と表記する。
水の綺麗な川に棲息する淡水魚であり、日本で最も上流域に棲む清流魚でもある。
エゾイワナやヤマトイワナ、オショロコマなどの亜種や近縁種がおり、アメマスのように海に降りる亜種個体も存在する。
同じサケ科の仲間で清流魚のヤマメよりも低い水温を好む。
食性は基本的に肉食であり、川虫をはじめとして動物性プランクトン、樹木から落下する虫、水底の小動物、小魚、カエルなど、きわめて貪欲な食欲をもつ。
ヤマメと比べて基本的に全体が黒っぽく、背中に白い斑点が無数ある、正面から見るとやや円筒形な体形、うろこが細かいなどのほか、腹の肛門付近が黄色いことで見分けることが出来る。
釣り
人影に非常に敏感であり、またあわせるのにコツがいるものの、ヒットした際の強い引きは、渓流釣りの対象魚として人気が高く、小骨が少々多いが食用としても美味である。
旬は5~6月から夏にかけてとなる。
基本的にヤマメも含めてイワナを渓流で釣ることが出来る期間は概ね3月1日から9月30日ごろまでとされ、それ以外は禁漁期間となる。
なお養殖化も進んでおり、山辺の管理釣り場だけでなく有名水族館に併設された釣り堀や、都市部の公園や遊園地が遊泳プールを冬季間だけ改装する特設釣り堀でも見かけるようにもなっている。
エサ釣りの場合はファミリー客にも手軽に釣れるように管理されており、資源保護目的で人工孵化させた稚魚の放流が行われている事が多い。
利用
淡白な味の白身であり、串刺しの塩焼きやからあげで賞味される事が多い。
また、焼いたイワナに熱い燗酒を注いだものを「骨酒」(こつざけ)と呼び、野趣あふれる酒の嗜み方として人気が高い。
本来骨酒とはその名前の通り、焼き魚の身を食べた後に残った骨をヒレ酒のように炙って燗酒に漬け、風味を付けて飲む飲み方のことを指すが、イワナの場合は焼き魚まるごと一尾を漬けたものを指す。
特別な飲み方であるためか専用の土瓶なども作られている。
養殖されたものは刺身でいただく事もある。
その他
生態としては成長時期によっては海水にも順応し、技術的には海水飼育も可能である。
関連イラスト
岩魚