数学の研究、数学の知識を応用して考え、批評する、理論を作る学者。
数学者の仕事
未解決の問題を解き、論文にまとめることが仕事。長い時間をかけて書かれた論文は学会で発表し、専門家に査読され、正当性を評価される。この査読にも多くの時間が費やされるため、学問全体の発展のスピードはそれほど速くない。
数学者のほとんどが教育機関に在籍している教員である。したがって、学生や生徒に授業を行うことも主要な業務に含まれてくる。大学の場合は比較的研究に費やせる時間も多めだが、高専や高校、中学校ともなると、こちらの業務の比重の方が大きくなることも珍しくない。
研究者全般に言えることだが、学会に出席するために国内外問わず出張することが多い傾向にある。自分が論文を発表する時などは準備期間も含め、激務になり、場合によっては睡眠時間を削ることもある。同様に、書籍の執筆や講演など、イレギュラーに入ってくる仕事も多く、研究が進まない期間もあるのが現状である。
数学者の実態
全体的に見て変人が非常に多い。しかし、これは数学だけではなくどの分野でも頂点にいる人はだいたいそう。なぜ数学者に多いかというと数学という学問は他に比べて考える機会が非常に多いからだと言われている。
一説にはいわゆる「思考体力」に優れ、同じ問題を数時間・数日・数週間も考え続けられる素養を備える人が目立つとかナントカ。
代表的な数学者一覧
古代ギリシャ
ピタゴラス
数学者であり、数を崇拝する教団の教祖。a^2+b^2=c^2になるというピタゴラスの定理で有名。
ユークリッド
『原論』という本を書いて幾何学を作った人。今も中学・高校では彼の考えた幾何学(ユークリッド幾何学)が教えられている。
中世
フィボナッチ
自然界にちょくちょくある「フィボナッチ数列(前の2つの数の和と等しくなる数列 例:0、1、1、2、3、5、8、13、21、34…)」を考えたイタリアの数学者。また、アラビア数字を広めた人でもある。
近世
デカルト
関数とかで使う座標を作ったフランスの数学者。また、哲学方面でも有名。
ニュートン
物理学や天文学だけじゃなくて数学もできたイギリスの万能なおっさん。微分積分を考えたと言われているがライプニッツとどっちが先に作ったか今ももめている。
フェルマー
数学がめちゃくちゃできたフランスの弁護士。フェルマーの最終定理で著名。
関孝和
日本(江戸時代)の数学者。和算の天才で西洋数学に負けないくらいそれを発展させた張本人。筆算とか方程式とかを作った人。
オイラー
数学界の2大巨塔の一人。スイス出身。過去にあった数学の概念を記号にしたり、記号を新しく作ったりした。その数は今の数学記号のほとんどと言われている。今の数学が難しいのはだいたいこいつのせい。普通の数学者が生涯に出す論文の量(800枚)を50年間毎年出したり、8×8の計算が2秒でできたり、ある問題に数秒で解答したが便利な定理を使ったのではなく「全パターン計算して足し合わせた」とか、30分で論文を書き上げ完成のスピードに印刷機が追いつかないとか、伝説的なエピソードを数多く残している。(もはやチート)
ガウス
もう一人の2大巨塔。ドイツ出身。10歳にも満たないとき、教師から出された「1~100までの数を全て足しなさい」という問題を『1+100=101、2+99=101…=101×50=5050』と数秒で解いたらしい。正十七角形をコンパスと定規で作図する方法を発見したこと(これは数学史に残る大事件)で数学者になろうと決意する。その後、数々の発見をするがオイラーと違いあまり公表しなかったらしい。そのせいで他の人の発見をもう先に見つけていたことがちょくちょくあったそうだ。こいつが論文を出さなかったせいで今の数学は50年遅れているといわれている。
近代
アーベル
後代の数学者に500年分の仕事を残してくれたとまで言われたノルウェーの数学者。偉大な業績を残すが生前は評価されず結核によって26歳の若さで死去した。
ガロア
多くの業績を残したフランスの数学者であり革命家。しかし彼の生涯は天才と称賛された訳ではなく、2度の論文の紛失、父親の自殺、共和主義者だったから故の逮捕、生前は評価されなかった研究、最後は決闘により20歳の若さでこの世を去った。研究内容、若くしてこの世を去った、生前は研究を評価されなかった等の類似点からよくアーベルと比較される。
リーマン
リーマン幾何学を作ったドイツの数学者。その凄さは若い数学者をほとんど評価しなかったガウスに高く称賛されたほどである。リーマン幾何学は後にアインシュタインの相対性理論に応用されている。その他に実績では、素数には規則性があるとする今なお未解決のミレニアム懸賞問題の1つリーマン予想が有名。
ラマヌジャン
インドの数学の魔術師。彼は一般的な数学の知識自体はほとんど持っていなかったが、『論理』ではなく『直感』で毎日5、6個の新しい公式を思いついた。彼は「我々の100倍も頭がよい」という天才ではなく「なぜそんな公式を思い付いたのか見当がつかない」という天才だと評される。32歳の若さで病死。ちなみに彼は公式は「女神が夢の中で教えてくれた」と言っている。
ノイマン
アメリカ(出身はハンガリー)の数学者。6歳で8桁の割り算を行い、8歳で微分積分をものにした。水爆の効率概算のために1人は大型計算尺で、1人は卓上計算機で、ノイマンは天井を向いて暗算したが、ノイマンが最も速く正確な値を出したという話があるほど計算力と記憶力に長けており、「人間の形をした火星人」と呼ばれた。なお、今のコンピューターを開発した人でもある。
岡潔
日本(明治~昭和)の数学者。多変複素関数論に業績を残し、欧米の数学者から名前を若手の数学者集団のペンネームと勘違いされた恐らく日本一の数学者。また、群を抜く変人でもあった。
現代
ぺリルマン
ロシアの数学者でミレニアム懸賞問題の1つ「ポアンカレ予想」を解いた天才。若いころから数学の才能があり、物理の才能もあるという。
森重文
日本の数学者でフィールズ賞受賞者。京都大学名誉教授。代数幾何の分野で大きな功績を残した。また、林先生が尊敬する人の一人。