私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。(『算術』のメモより)
概要
17世紀フランスの数学者。本名ピエール・ド・フェルマー。その業績から「数論の父」とも呼ばれる。勘違いされがちだが、彼の職業は弁護士であり数学は趣味でやっていた。フェルマーの最終定理が特に著名。
生涯
1607年10月31日~12月6日の間に南フランスのトゥールーズにある小さな村で生まれた。父は幼少期に一揆で死んだため、女手一つで育てられた。母は法律家の家系の出であり、彼女の熱心な教育も後押しして、トゥールーズで弁護士の資格を取得、そこで法律家として一生を過ごした。彼は法律家として平凡な人生を過ごした。そう、あの趣味での業績を除けば・・・。
数学の業績
彼が数学界にのこした業績は多い。パスカルと共同で確率論の基礎を作り、デカルトが解析幾何学を二次元(平面)での理論にとどまったのに対し、フェルマーは三次元(立体)でも考えていた。その他にも幾何学、微分積分などにも功績を残しているが、一番有名なのは数論(素数みたいな数の性質を調べる代数学)であろう。
数論にハマったきっかけは古代ギリシャの数学者ディオファントスが著した『算術』 の注釈本を1630年ごろに手に入れて研究したことのようである。彼には数学の本を読んだときに余白にそれに関するメモを書く癖があり、 『算術』を読んでいくうちに彼はその余白に有名なメモを書き込んだ。 フェルマーの数論における仕事が世に知られるようになったのは、その死後に長男のサミュエルが『算術』を父の書込み付きで再出版したからである。
48の書込みのうち47の書き込みは後世の数学者達によって証明または反証されたが、最後の1つとして残った2番目の書き込みについては長年にわたって解かれずにいた。これがかの有名なフェルマーの最終定理である(詳細は後述)。
そこから数論に熱中していき、数論に大きな業績を残した。
これ等は全て趣味であり、本業は弁護士である。(大事なことなので2回言いました。)
フェルマーの最終定理について
フェルマーの最終定理をざっくりと
詳しくはフェルマーの最終定理の記事を参照。
先述したとおり、48のメモの中で最後まで残って証明できなかったためフェルマーの最終定理という。内容は「立方数を2つの立方数の和に分けることはできない。4乗数を2つの4乗数の和に分けることはできない。一般に、冪(べき)が2より大きいとき、その冪乗数を2つの冪乗数の和に分けることはできない。この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。」というもの。要するに、「aをn回かけたものとbをn回かけたものを足したらcをn回かけたものになる組み合わせは存在しないよ♡(a^n+b^n=c^nは存在しない)」というもの。プロ・アマチュア誰一人として証明も反証も成功せず、360年にわたって数学界の最難問であり続けた。この問題は最終的に1995年、イギリスのワイルズ教授が、谷山–志村予想の一部を証明したことによってようやく解決され、20世紀数学の象徴となった。また、その難解さから難問の象徴とされることも多い。
私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。
よくネタにされるフェルマーの言い回し。pixivでは「私は○○について真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。」とキャラクターが作品中でよく言っている。
なお、テストの証明問題でこれを書くと当然バツになるので要注意。
余談
ちなみに、現在ではフェルマーは実はフェルマーの最終定理を証明していなかった。という説が主流。
と、言うのも、この定理はあまりにも難解であるだけでなく、現代数学の様々な分野に跨る理論が組み合わさっていなければ解けず、ワイルズの論文も数百ページに及ぶ膨大なものであり、いくらフェルマーが天才であったとしても、それだけの理論を一人だけで証明したとは考えにくく、フェルマーが証明していたa^4+b^4=c^4の時の解が完全な答えであると、勘違いしていたと言われている。
キャラクターとしてのフェルマー
数学者を召喚したらイケメンだった
「主ちゃんは、とくべつだから♥」
CV:鈴木裕斗
講師として登場。担当教科は平方根。まさかの男の娘キャラである。
小悪魔系。ぶりっ子だが本作の8人の講師の中で一番メンタルが強い。語尾にハートが付く。
関連タグ
ガロア・・・時代は違うが同じくフランスの数学者