千鳥(信長の忍び)
ちどり
解説
1550年(天文19年)頃の生まれという設定で、1570年(元亀元年)7月30日に行われた姉川の戦いの時点で「齢二〇」(20歳)と明記されている(単行本第5巻の帯を参照)。
2021年現在連載時の年齢は29歳(1579年竹中半兵衛病没時)であるが年齢的容姿は初登場時からさほど変わっているようにも見えない。なお、このまま順調にいけば本能寺の変では32歳となる予定である。
目先の領土争いに夢中で戦禍を拡大させるばかりの戦国大名がほとんどのなか、本気で天下を目指す織田信長に惹かれ、その覇業を支えていくことになる。
非常に小柄で、成人しても10歳そこそこの頃と背丈がほとんど変わっていない。
胸は貧乳(by助蔵)だそうで、本多忠勝が教えてもらうまで男だと思っていたほど色気が無い。本人も時折気にしているフシがあり、望月千代女が谷間から武器を取り出した時には「そんなに自慢したいんですかー!!」と泣いていた。
だが周りから美少女として扱われることも多く、特に松永久秀は度々セクハラを繰り返している。
なお師の百地丹波よりいざという時には主(信長)を殺す暗示をかけられていたものの、帰蝶が催眠術の実験をした際にストーリーに絡むことも無くあっさりと解除されてしまった。
人物像
戦乱の中、両親を亡くしてしまった戦災孤児であり、伊賀で忍びとして育てられた。
「忍びの本分は『生きること』」という信条を持つ。
潜入・夜襲の技術はピカイチで、剣術・体術・手裏剣術などの全てにおいて一騎当千の戦闘力を持つが、衣服の中に手裏剣などの忍者武器を多量に隠し持っている為か、泳ぐのは大の苦手である。あまりに何度も溺れているため、8巻では「川に飛び込むくらいなら舌かんで死ぬ」と言い、9巻ではただの水たまりにすら怯えていた。10巻では激戦の負傷により生死をさまよった際にも「三途の川で溺れる」ことを心配している。11巻では長島願証寺に潜入する際、泳ぐことを想像しただけで死にかけ、特訓で克服しようとするも全く改善できなかった。
暗器を全て取り払った状態では、通常時よりも格段に素早い挙動が可能となっており、戦国最強と言われる北畠具教と互角に渡り合えるほど。
忍びとしての知識は豊富であるが、「果たし状」の綴りがわからなかったり、「5×3」の計算に指を使おうとするなどあまり勉強は得意ではない様子。難しい話を聞くと頭から煙が出る。
またその類いまれな体術と忍術によって「密かに潜入する」ことは得意だが、天然とバカ正直さのせいで「身分を偽っての潜入」は不得手。
少しでも情が移った相手を殺せないという性格から、「忍びとしては二流」と評されることもあるが、後に「姉川の戦い」において、かつて自身を暗殺の危機から救った浅井家の重臣・遠藤直経にとどめを刺すことで克服した。しかし、覚悟こそあれど人を斬ることへの後ろめたさや罪悪感は常に感じており、一度はそのせいで本願寺顕如の教えに心を奪われ、寝返りかけてしまったこともある。(助蔵のとある行為で目を覚ましたが)
また「心」に「刃」を押し付けることには、まだ若い彼女にとっては苦痛も多いようで、比叡山焼き討ちの際には100人近くを1人で仕留め、精神崩壊寸前にまで陥っていたこともあった。それでもなお闘い続けるのは、信長と交わした約束と己の信念のためであることは疑いない。
一方で年相応の女性らしい一面を見せることもあり、築山殿に着物を貸してもらった時には滅茶苦茶喜んでいた。
服部半蔵には強いあこがれを抱いており、二代目正成が忍者にならなかったことを知った時には仰天していた。
その他
同じ世界観の信長の忍びのスピンオフ作品ではカメオ的に登場したこともある。なお、この中には既に本編ではまだ迎えていない本能寺の変の後を描いた作品も存在するが(官兵衛と真田魂)、千鳥がその後にどうなったかは、現在の所は描かれいない。