概要
1969年1月27日生まれ、和光大学付属中学校・高等学校卒の音楽家。
'90年代初頭、小沢健二と共にフリッパーズ・ギターとして活動し、渋谷系と呼ばれるムーブメントを牽引するも、早々に解散。
その後はソロプロジェクトCornelius(コーネリアス)として活動を開始。
2001年のアルバム「Point」以降は日本におけるエレクトロニカの第一人者として知られている。
2020年度東京五輪のオープニングセレモニー作曲担当に抜擢されたが、後述の問題によって後に辞任した。
経歴
1991年のフリッパーズ・ギター解散から2年後、ソロユニットCornelius(コーネリアス)として活動開始。
その前の1992年に、ロンドンでエル・レコード(El records)を主宰していたマイク・オールウェイと共にレコードレーベル「トラットリア (Trattoria Records)」を立ち上げ、自身が主宰者となり、10年の歴史の間に多くのアーティストが羽ばたいていった。
彼自身も1997年、アメリカ合衆国のマタドール・レコードと契約し、日米両国に留まらず世界21カ国で作品が流通する事になる。この時期から本格的な海外進出が始まり、ワールドツアーを展開し、海外の著名なフェスにも参加するようになる。
その間オノ・ヨーコ、坂本龍一、スチャダラパー、高橋幸宏、テイ・トウワ、電気グルーヴ(石野卓球)、hide、細野晴臣と錚々たるメンバーと仕事をしている。
このうち高橋幸宏、テイ・トウワ、は共にユニット「METAFIVE」を組む仲間でもある。
国際的な評価を得、美術界からもコラボの声がかかるようになり、楽曲提供や映像作品の展示が著名な美術館で行われた。
アニメーション作品では『攻殻機動隊ARISE』(2013年~2014年)『攻殻機動隊 新劇場版』(2015年)に楽曲を提供している。
こうした大きな業績もあってか、業界人にも彼を特別視する者がおり、後述の辞任問題においても、映像チームのトップ級メンバーが「小山田さんを降ろすなら、我々も降りる」と組織委員会を脅し、他のメンバーもこれに続いたとも報じられている(開幕直前の小山田圭吾氏ドタバタ辞任劇、連鎖辞任恐れ続投も批判やまず一転)。
障害者への暴行・性犯罪
ミュージシャンとしての小山田にまつわる問題が、小学校時代から高校時代にかけて障碍者をターゲットに暴行をしていたという問題。彼が加害を加えた対象には在日コリアンの同級生もいた。
彼のこの過去が明かされたのは、94年と95年に発刊された音楽雑誌での記事のことである。
同記事内にて小山田自身が、当時話題となっていた傷害・監禁致死事件と同レベルのいじめを行っていたと認めており、事の大きさから後に度々問題となっている。
が、例えば2005年、2006年、2012年、2017年に炎上したものの、その度にネット上のみで収束していった(障害者いじめ自慢した小山田圭吾が謝罪。長年批判されてきたことをスルーし続けた結果の東京五輪大炎上)。彼は謝罪もなく長らく何らお咎めもなく活動を継続できた。前述の通り彼は著名アーティスト達とコラボし、海外でも名声を得、国内ではNHKEテレの番組「デザインあ」(2011年4月2日より本放送)の音楽も担当していた。
特に2021年には、東京オリンピック・パラリンピックの楽曲制作に携わったことから、過去に酷い障碍者いじめを行っていた人間を抜擢するのはどうなのか?と、ネットを中心に世界中で炎上する事態にも陥っていた。
辞任まで
小山田は当初は続投を表明したが、これに対し、知的障碍者とその家族を支援する団体「全国手をつなぐ育成会連合会」が反応。「本会としては、すでにオリンピックの開催が直前に迫っており、小山田氏も公式に事実を認め謝罪していることも勘案して、東京2020オリンピック・パラリンピック大会における楽曲制作への参加取りやめまでを求めるものではありません。」と比較的温情的なコメントをしつつも加害行為やそれを武勇伝の如く語った事について強く抗議し、彼がオリンピック・パラリンピックに参与できる立場になった背景について「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」に対しても説明責任を求めた(小山田圭吾氏に関する一連の報道に対する声明)。
メイプル超合金のカズレーザーも彼の選定にあたってされた判断や基準について明確化すべき事を説き、5日前でも演出などはきまっていて組織としては成り立つはずなのにそれでも小山田を続投させないといけない理由があるのなら「丸山さんとかが説明すればいいんですよ」と語った。
更に続投を表明していた小山田に対しても「再挑戦ができる社会と言うのも望ましいんで。この方のことを結構調べたんですけど。昔のイジメことは出てくるんですけど、それ以外の情報、例えばイジメを悔いているので、こういった活動をしていますという情報は見つからなかった」「今批判の声が大きいというのは(過去の)マイナスの埋め合わせ作業をしてなかったということなんで、これは批判されて当たり前の自業自得の話なんです。それが言えないんだとしたら、疑われても仕方ないんじゃないかな」と厳しく非難した(カズレーザー 批判浴びる小山田圭吾は自業自得「マイナスの埋め合わせ作業をしてなかった」)。
当初オリンピック関係者は彼の立場をそのまま維持する(五輪組織委、小山田圭吾の留任を改めて明言 「現在は高い倫理観」と強調)とコメントしていたが、海外での報道もあり批判が更に加熱。
日本では犯行内容について紹介するブログや投稿も存在しそれはそれで大きな反響があったが、より多くの国民が目にする機会のあるニュースではその詳細はぼかされる傾向にあった。一方海外メディアはそれを包み隠すことなく直接的に描写していた(小山田氏問題。どこまで「いじめ」の内容を報じているか。国内と海外メディア、二つの断絶とは。)。
とうとう小山田サイドより辞任が表明された(小山田圭吾さん辞任 組織委、五輪開会式の楽曲変更)。
元アスリートのタレント武井壮は「これ(今回の炎上、辞任)が彼が行ってしまった行為の初めての断罪だったかなと思うので、辞任はやむなしだと思う」(武井壮 小山田圭吾の辞任劇は“いじめ”への「初めての断罪」)とコメントしている。
本件をきっかけに他の余罪も「発掘」される事態となっている(辞任の小山田圭吾に〝極悪前科〟 今度は重病患者を嘲笑インタビュー)。
関係者の対応
- 『ロッキン・オン・ジャパン』:着火点となった鬼畜インタビューを掲載した雑誌。当時この企画に参加したインタビュアーであり、現在編集長である山崎洋一郎は同誌公式サイトに謝罪文を掲載した(小山田圭吾「いじめ自慢」掲載の「ロッキン・オン・ジャパン」編集長が謝罪「その時のインタビュアーは私」)。
- 太田出版:1995年刊『Quick Japan 第3号』に掲載した「いじめ紀行」について謝罪文を掲載(『Quick Japan 第3号』掲載の小山田圭吾氏記事についてのお詫び)。いじめられた側との対談を実行しようという内容。
- ソニー:公式サイト内に掲載していたインタビュー記事を取り下げ「Not Found」に(小山田圭吾、いじめ問題を謝罪するも炎上止まらず…ソニーがページ削除、息子のSNSも炎上)。
- 田辺晋太郎:小山田の年下の従兄弟であり「肉マイスター」として活動している人物。従兄弟の辞任記事について「はーい、正義を振りかざす皆さんの願いが叶いました、良かったですねー!」とTwitterで発言し、炎上。コラボしていたヤマサ醤油に波及し、ヤマサ側は6月30日に契約が終了している事、サイトの商品入れ替えで彼が載っているページが残っていた事を発表した(小山田圭吾辞任で「挑発」田辺晋太郎氏を監修起用 ヤマサ醤油が謝罪、人権侵害「容認しない」)。
- NHK:『デザインあ』の2020年7月20日分以降の放送を見合わせることを発表(小山田圭吾が楽曲制作、Eテレ『デザインあ』など放送見合わせ「一連の報道など総合的に判断」)。
- ゴンドウトモヒコ:小山田が所属するバンド「METAFIVE」のメンバーで、NHK『ムジカ・ピッコリーノ』音響監督。小山田が続投コメントをした当時「偉いよ小山田くん。いい音出してこう!!!!!寧ろ炎上なんか○○喰らえ。」とツイート。削除後、謝罪ツイートを掲載した(騒動拡大! 小山田圭吾“擁護”の「METAFIVE」ゴンドウトモヒコがツイート削除&謝罪)。
- テレビ東京:2021年7月10日より、タナカカツキの書籍を原作とするドラマ『サ道2021』を放映。コーネリアス名義の曲「サウナ好きすぎ」が主題歌となっていたが、途中から差し替える事を決定(小山田圭吾が担当 テレ東『サ道』主題歌が差し替えに「総合的に判断」)。