概要
CV:飛田展男
特徴的な形状をした銀のマスクで顔半分を覆った、長髪の中年男性。年齢推定は40代半。
実直な軍人でデビルガンダム捕縛のため、ミカムラ博士とともにドモン・カッシュをサポートする。
軍人にしては珍しくガンダムファイターを無下に扱わず、国の威信の為に高圧的な態度を取りがちなカラト委員長からドモンを庇うこともあった。
また、デビルガンダム捕縛に備えてライジングガンダムを用意するなど、いざとなれば自身も出撃する気概を持ち合わせている。
ランタオ島においてデビルガンダムが撃破されると、粛々と残骸の回収を主導した。
過去
かつてはガンダムファイターとして活躍していて、決勝戦にまで進めるほどの技量を持っていた。 第12回ガンダムファイトの決勝大会にて、東方不敗との試合では敗北・優勝は逃してしまったものの上位入賞を果たす成績を修めた後にガンダムファイターとしての第一線を退く。
その後は、自らのガンダムファイターの経験を活かせるガンダム開発局に所属・中心として活躍していきシャイニングガンダムの開発に成功している。
第13回ガンダムファイトでは、ガンダムファイト委員会のメンバーとして参戦している。
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以下ネタバレ
決勝大会も大詰めといったところで明かされた通り、本作における実質上の黒幕である。
善人風で実直な軍人を装っていたものの、本性はかなりの野心家にして策略家。
デビルガンダム事件の裏ではミカムラ博士の劣等感を巧みに利用して共謀しており、デビルガンダムによる世界の支配を企んでいた。
かつてアルティメットガンダムの驚異的な性能を目の当たりにして「力による全宇宙の支配」という野望を抱き、軍部を動かして奪おうとするが、カッシュ家の妨害を受けて地球への逃走を許してしまう。
その後もアルティメットガンダムを手中に収めるべく、モビルスーツ部隊を率いて自らもMAファントマを駆って追撃するも、暴走してデビルガンダムと化したアルティメットガンダムによって部隊は全滅。顔に大怪我を負い、同時にデビルガンダム細胞を植え付けられた(この時点でデビルガンダムの傀儡になっていた説もある)。
デビルガンダムに逃走された事で作戦を変更、ライゾウ・カッシュらの研究『アルティメット細胞効果』を危険なものとして告発し糾弾。デビルガンダム暴走の責任を擦り付け、博士を冷凍刑に処して口を封じる（キョウジは行方不明になったため、抹殺対象及び指名手配犯にした）。
さらにその責任を取らせる名目でドモン・カッシュをガンダムファイターに仕立て上げ、嘘のホログラムで疑似追憶させたりと彼を洗脳し、デビルガンダムを追わせていた。
実は第12回ガンダムファイトにおけるネオジャパン代表のガンダムファイターで、決勝大会最後の一戦で東方不敗マスター・アジアと当たり、完膚無きまで敗れた経験を持つ。
当時すでに天才ファイターと呼ばれるほどに卓越した武術家で、未だに銃火器全盛の時代であった12回大会に格闘のみで決勝戦まで勝ち抜いた実力は本物といえる。
だが、このときの挫折と屈辱が彼を歪めてしまい、敗北を認められない彼は「この世は力こそがすべて。強大な力に勝るものはない」と極論付けた。
余談だが、国によっては敗北を喫したファイターに対する風当たりが相当に強く、鳴り物入りでデビューしたものの肝心なところで惨敗した彼は、相当なバッシングを受けたものと思われる。
積み上げてきた輝かしい経歴からの失墜、己の至らなさを諭し立ち直らせてくれる者もおらず、武闘家としては精神面の鍛練が足りていなかったのである。
大会後は軍籍に身を置いたまま有事に備えて身体の鍛錬は続けており、軍服の下はそんな細い体つきでどうやって納めていたんだと言わんばかりに筋骨隆々な鋼の如き肉体を維持していた。
ドモンがデビルガンダム及びマスターガンダムを打ち破って優勝を果たすと本性を現し、上述したように軍を動員してデビルガンダムをランタオ島から回収。
ウォン・ユンファの遺した資料も入手し、その理論に基づいてレイン・ミカムラを生体ユニットとしてデビルガンダムを再生・復活させた。
その後、ネオジャパンコロニーにデビルガンダムを融合させて最強の機動兵器デビルガンダムコロニーを造り出し、自身に従っていた戦艦の乗員全てを口封じの意味も含めて射殺。
ガンダムファイトの無期限中止を宣言し、全世界・全人類に対して完全降伏を要求する。
デビルコロニーを使ってネオアメリカの「自由の女神砲」を破壊、地球圏の都市の一部を壊滅させて惑星を取り込む算段を始めるが、改心したミカムラ博士の文字通りの決死の反抗やガンダム連合の妨害、シャッフル同盟のコロニー内部侵入によって遅滞を余儀なくされる。
グランドマスターガンダムを駆り、シェイクスピア歌劇の台詞を引用しながら、圧倒的なパワーと耐久力でシャッフル同盟を苦しめた。
しかし手に入れた力に酔い痴れたのも束の間、全身をDG細胞に侵食されて妖怪人間と化した(コミカライズでは更にドクターヘルデザインの機械獣状態に)。ライゾウ・カッシュ博士いわく「デビルガンダムそのもの」となったウルベはDG細胞の時代の到来を宣言し、人類絶滅を叫ぶ。
狂気を孕んだ笑いで勝利を確信していたが、5人の合体技「シャッフル同盟拳」でグランドマスターガンダム諸共に上半身を残して消滅。
レインの下へ急ぐドモンを、罪の意識で心を閉ざした彼女は拒絶するだろうと嘲笑しながら、完全に崩壊した。
余談
以上のようにウルべは、デビルガンダムに関する事件を引き起こした事実上の黒幕であり、主人公であるドモンの家族や尊敬する師匠といった大切な人たちを傷つけその後の彼の人生を歪めたガンダムシリーズ屈指の極悪人である。
なのだが……これだけの悪事を働いたにもかかわらず視聴者やＧガンファンからの印象はというと
「薄い」
この一言に尽きてしまう。
歴代のガンダムシリーズでも上位に食い込む程の悪役にもかかわらずこのような評価になってしまったのは次の理由が存在する。
①行動時期の遅さ
ウルベが本格的に活動し始めたのは第13回ガンダムファイトが終了してからとかなり後半。
これは裏を返せば「ドモン達や視聴者達に気付かれなかった」と言えるのだが……いかんせんその事実が発覚した際ドモンは「亡き兄との最後の別れ」や「師匠との全力勝負」といった話の濃い回の真っ最中だった。
②自らの野望
上記の通りウルベがデビルガンダムを手に入れようとした理由は「デビルガンダムを使って全宇宙を支配する」という物。
悪党としてはそれほど珍しいものではないのだが……実はこの野望、同じくデビルガンダムを手に入れようとした結果、最終的に死亡したネオホンコンの「ウォン・ユンファ」と全く同じ。
③世界征服を決めた動機
上述通り、彼が世界征服を決めた動機は単なるガンダムファイト敗北による逆恨みであり、それ以上でもそれ以下でもない。劇中には語られてないだけで当然そのような経験をしたファイターは複数いる。
極めつけが同じく優勝候補とされながら肝心なところで惨敗を喫したのみならず、敗戦時に失明したばかりかネオネパールから役立たずとして放逐されたというキラル・メキレルとの対比で、彼はウルベ以上に理不尽な扱いを受けて闇堕ちしながらもドモンとのファイトを通じて改心している。
彼の場合敗北はしてもネオジャパン軍から降ろされなかっただけ扱いはマシな方であり、上述のキラルと比較してもいかんせん幼稚過ぎる動機で小物臭さが際立ってしまっている。
④デビルガンダム
本人としてはデビルガンダムを自在に操る予定だったが、最終局面でDG細胞に乗っ取られてしまいデビルガンダムの操り人形と化してしまった。
ウルベを演じた飛田氏は機動戦士Zガンダムの主人公カミーユ・ビダン役でもあり（英語吹き替え版におけるCVはZ版ブライト・ノア）、シリーズ的にも超大物である。
第12回ガンダムファイトの戦績の謎
ウルベが前回(第12回)のガンダムファイターであったことが発覚するのは終盤だが、この時「決勝大会まで辿り着き最後の一戦を迎えた」と発言している。この発言に沿うなら、ネオジャパンの順位は2位でなくてはならない。
一方Gガンダムのモビルファイターの形番は「GF(参加大会)-(前回のガンダムファイトの順位)(国家の名称)」という決まりで付けられている。ネオジャパン代表のシャイニングガンダム(ゴッドガンダム)はGF13-017NJ(Ⅱ)、つまり第12回のネオジャパンの順位は17位であり、矛盾が生じている。ちなみに形番上の第12回ガンダムファイト2位はネオギリシャのゼウスガンダム。
Gガンの形番設定は物語開始前からで、ウルベの過去は最終話間近で明かされたため、設定が忘れられていた可能性がある。
または第12回も決勝はサバイバル方式で、その中で東方不敗に敗北し、ウルベが話を盛ってるだけとも考えられる。
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