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編集者:FM
編集内容:捻じれ関係などを加筆

ショックカノン

しょっくかのん

架空の攻撃砲の一種で和訳すると「衝撃砲」。主に「宇宙戦艦ヤマト」シリーズに登場する兵器を指し示すことが多い。

ここでは宇宙戦艦ヤマトの主砲について記述を限定しており、例えば「ZOIDS」シリーズの武装などは本項目に記載していないので留意。

オリジナル版

概要

 オリジナルシリーズにおける名称は「衝撃砲」或いは「衝撃波砲」と呼ばれることがある。大半は衝撃砲の名前で通っている。宇宙戦艦ヤマトの主力兵装であり、これまでの防衛軍艦艇が使用していた光線砲とは違い、「ドギュルルルーン」という独特の発射音が印象的。

 また、しばらく直進していくと3本の砲身から放たれた衝撃砲エネルギーが螺旋状になり、やがては一本化されるという、不思議な効果を出している。なお、この螺旋状からの一本化と言う表現は手描きにしろCGにしろ面倒な代物なのは素人目でも明白で、省略されることも多々ある。それでも作品単位での傾向としては

という風に半分近い作品で大体表現はされている。

威力等

 白色彗星帝国が来襲してきたころには、地球防衛軍の主力兵装として標準搭載されている。また、ヤマトが最初に使用していたショックカノンよりも射程の延長化と威力向上に成功していることが、ヤマト2において真田の口からも証言されている。

 大抵の敵艦艇は一撃で粉砕可能な威力を有しており、白色彗星帝国が有する300m級の大戦艦を一撃(あるいは二撃)で轟沈せしめる描写がある。これはヤマトのみならず他の艦艇でも同様である。

 さらには、ガルマン・ガミラス帝国の保有する500m級戦闘空母をも一撃で粉砕している(空母であるがゆえに弾薬庫に誘爆したとも考えられるが、貫通していること変わりはない)。

技術的なこと

 威力の高い主力兵器ではあるが、詳しい技術的な説明はされていない。ゲーム版『宇宙戦艦ヤマト~暗黒星団帝国の逆襲~』では、大気に作用されない兵器であることが説明されており、ビーム兵器とは異なる兵器であることが伺える。

 因みにショックカノンの原理は、小銃としても採用されている。

 また、同じ名称を使用している艦艇が存在する。大戦艦がそれであり、この艦の艦橋に装備されている衝撃砲がある。ただし、こちらは名前通りの衝撃波を原理としたような兵器で、発射した時はピンク色のビーム兵器だが、目標着弾時に波紋の様に衝撃波が広がる仕組みである。

通用しなかった艦

 例外として、通用しなかった、または撃破し損ねた敵艦艇も僅かに存在している(要塞クラスは省く)。まず効果が無かった艦が、暗黒星団帝国の戦艦プレアデスである。この艦はショックカノンをものともせず、平然としていた。恐らくはオリジナルヤマトシリーズでは、ただ1隻、ショックカノンに耐えた戦闘艦であると思われる。

撃破し損ねた艦

 次に効果があったものの撃沈し損ねるという、驚くべき強運艦が存在する。それがガミラス戦闘空母(グリーンカラー)だ。これは、宇宙ボタルの影響で戦闘不能に追い込まれたヤマトを撃破するために投入された艦で、艦長はバンデベル将軍

 だが戦闘空母自身も宇宙ボタルに伝導管やらを食い破られてしまい、その間にヤマトのショックカノンが回復。その一撃を受けてしまう・・・・・・のだが、驚くべきことに、ショックカノンが艦首左舷から、艦尾右舷を貫通したのにも関わらず、耐え抜いたのである。しかも二撃目、三撃目のショックカノンを回避しながら撤退すると言う、稀に見ない回避技術を披露した。繰り替えすが、大破とも思える損害で回避している。

実弾装備

 ヤマトよ永遠に』にて初めて実装された兵器で、波動カートリッジ弾と呼ばれる。エネルギー兵器ではない、砲弾タイプの兵器であることは勿論だが、この砲弾内部には波動エネルギーが封入されている。100分の1程度しかないとはいえ、その貫通力からの内部破壊力は凄まじいものがある。

 また、暗黒星団帝国にとっては凶悪極まりない兵器である。こればかりは相性が悪いとしか言いようがないのだが・・・・・・。

 

リメイク版

宇宙戦艦ヤマト2199

概要

 リメイク版においては、正式名称を『陽電子衝撃砲』と言う。ヤマトが完成する前は、金剛型宇宙戦艦キリシマ』や村雨型宇宙巡洋艦に追加装備された代物で、破壊力はある一方で、発砲のためのエネルギー確保や充填に難があった。それが、波動エンジンの完成を見たことによって、莫大なエネルギー確保が可能となり、陽電子衝撃砲が決戦兵器ではなく主力兵器として運用出来るに至った。

 また、螺旋状に回転して一束にまとまると言う描写は、オリジナルから引き継がれている。細かい点を見ると、各砲身から発射された衝撃砲自体も常に螺旋状に回転している(砲身内部のライフリングの影響かと考えられる)。

 さらに、距離が近い時に着弾すると、3本状態のまま。遠距離ならば一本化で着弾する、等とこれで距離感を演出するという細かさも見せている。各砲身をバラバラの角度に撃つ場合は、一本に纏まる事は無い。

威力など

 オリジナル譲りの破壊力を有しており、大抵のガミラス艦は一撃で貫通したり(側面でも真正面でもお構いなし)、真っ二つに割れて轟沈へと追いやられている。なお、一本化した状態でなくとも(バラバラの状態)、破壊力は同等と見て間違いない。

 ただし、このリメイク版においてショックカノンが試されたのは駆逐艦、軽巡、重巡、巡洋戦艦、空母、そして最上位のゼルグート級である。戦艦クラスであるガイデロール級航宙戦艦ハイゼラード級航宙戦艦には砲撃されておらず(少なくとも画面上では)、どれ程の効果が見込まれるかは予想するしかない。

技術的なこと

 陽電子衝撃砲ことショックカノンは、国連宇宙軍が独自に開発したものと考えられるのが自然だが、その一方で、ガミラス軍のビーム兵器も実は陽電子ビーム砲であることが、設定からも、真田の証言からも明らかにされている。

 この事から、ガミラス軍の放棄された艦艇から研究して装備し始めた、という別の見方も出来るが、これはあくまで私見的な意見なのであしからず。陽電子という名前が使われているあたり、そう考えられても不思議ではないのではないだろうか。

効果の薄かった艦

 ショックカノンの効果が薄かった艦艇が存在する。それがゼルグート級一等航宙戦闘艦の3番艦ドメラーズⅢ世である。ただし、多少の語弊があり、完全に通用しなかったとは言い切れない点がある故に、薄ったと標記しているが、それは次に説明する。

 この艦の艦首部分はとてつもなく重装甲になっており、ヤマトのショックカノンを弾き逸らすと言う、ガミラス艦艇で初めての偉業を成し遂げている。さらには、ヤマトと接舷状態ですれ違った際に、ゼロ距離射撃を真面に喰らっているが、破壊できたのは表面装甲と各主砲のみ。普通に考えれば轟沈ものなのだが、それでも耐えた辺り、この艦が巨大なだけではないことを証明している。

 効果の薄かったと標記した由縁はここにある。七色星団における砲撃戦でも、ドメラーズⅢ世は平行戦で挑んでいたが、ヤマトのショックカノンを表面装甲で完全に防ぎきれてはおらず、被弾し炎上している。このように、艦首装甲だけは無傷で弾き返せる強度を誇る反面、側面や下方、上方の装甲はさして強度とは言い難い。

 だが、だからと言ってドメラーズⅢ世が弱いとか言いたいわけではない。他のガミラス艦艇と比べれば非常に重装甲かつ重武装であり、これ対してヤマトが強すぎるのである。因みにドメラーズⅢ世が受けた被弾の数は次の通り(画面上で確認できる限り)。

 ショックカノン5発(主砲、副砲を含め)、ミサイル8発・・・・・・合計なんと13発!!(訂正の可能性あり)普通のガミラス艦艇だったら13回は轟沈しているだろう。

 劇場版『星巡る方舟』に登場した、ガトランティス軍の殲滅型重装甲戦艦『メガルーダ』も効果の薄かった艦の1つと言える。上記のドメラーズⅢ世程とは言わないまでも、かなり強固な装甲を有していた。ショックカノンを艦首左舷に直撃を許したものの、転送システムが破壊されたくらいで航行や戦闘に支障は出ておらず、重装甲戦艦としてのタフネスさを見せつけている。

 ただし、実弾である三式弾までは完全に防ぎきることは出来ず、艦橋直下に零距離射撃(3発分)を受けて戦闘不能に陥り、追加の3発でエネルギー関係に引火して轟沈している。ドメラーズⅢ世に比べるとあっけないように思われるが、あくまでメガルーダとの戦闘は文字通り目と鼻の先での戦闘結果であるし、ドメラーズⅢ世とて艦橋直下を零距離で三式弾を討たれれば戦闘不能に陥るであろう。

生きていた艦

 なお劇場版『星巡る方舟』の公開に際して、実は撃沈していたと思われていた『ランベア』が生存していたのが明らかにされた。この空母は唯一、ヤマトのショックカノンを受けたガイペロン級多層式航宙母艦であった。

 七色星団海戦のおり、ヤマトのショックカノンを左舷に2発も受けており(主砲か副砲かは明確ではないが)、慣性制御等の機能を失ってイオン乱流の雲海に消えた・・・・・・筈であった。だがランベアは空母で在りながら、ショックカノンを受けても貫通を許しておらず、左舷側から火災を起こしてはいたものの艦が轟沈するような事は無かった。

 同級艦で、艦載機のミサイル4発で沈んだ『バルグレイ』がいたが、こちらも可能性としては最初の2発のみであれば十分に耐えきれた可能性はある。結果として真正面による攻撃が格納庫と機関部に及んだのが致命的であったと考えられるからだ。

 『ランベア』も、あくまで舷側から砲撃を受けたことが大きいであろう。もしも真正面から砲撃を食らっていたら轟沈していた可能性が遥かに高い。

実弾装備

 ヤマトの主砲は切替が可能で、実弾も発射可能となっている。それが三式融合弾で、最初に使用されたのは発進前の、ポルメリア級迎撃戦の時。砲弾で初めて倒した戦いである。なお、こちらはエネルギー兵器ではないが、波動エンジンが稼働してない状態、またはビーム兵器の使用できない空間にいる時に重宝する。または、重力圏内であることを利用した射撃にも大いに活用可能。

宇宙戦艦ヤマト2202

 続編となる2202では、ショックカノンの技術向上が図られており、最新鋭艦アンドロメダ級ドレッドノート級に装備されたものは正式名称を『陽電子衝撃砲』から『収束圧縮型衝撃波砲塔』に変更されている。

 内容はほぼショックカノンと変わりはないが、エネルギージェネレーターの大型化と砲身中間部に設置されている陽電子収束器によって、口径を小型化すると共に破壊力の増加、圧倒的な連射能力(その気になればなんと一発/秒以上!。しかも、第5話でのみの描写ではあるが、1門毎に3連射するシーンもあり、その時は三発/秒を見せつけた)を得る事に成功した。

 同時に捻じれると言う表現は無くなり、砲身1本1本分のショックカノンのエネルギーが発射される。ただ、従来型の砲を装備しているヤマトも本作では捻じれ表現がほぼ無く、2回ある手描き作画のシーンだけ捻じれているので、単に捻じれビームのエフェクトを作るのが面倒なので省略しただけとも考えられる(CGソフトが変わったのでエフェクト周りは『2199』時のものがあまり引き継げずほぼ一から作り直している)。

余談

 『復活篇』では劇場公開時に「ドギュルルルーン」という何時もの音で無かったので、往年のファンから非難轟々だったとか(ディレクターズ・カット版で修正)。

 まあ差し替えられた従来の音も、本当に当時の音そのまんまなので、映像にマッチしてるかと言われると微妙ではあるが…(『2199』では一応若干調整された)

 エヴァンゲリオンなどでお馴染みの庵野秀明氏はヤマトの大ファンであり、ふしぎの海のナディアでは態々許可を取ってまで、万能戦艦N-ノーチラス号の主砲の発射音をショックカノンと同じにしたそうな。

編集者:FM
編集内容:捻じれ関係などを加筆