「話は聞かせてもらった…後は…任せろ…」
CV:浪川大輔
概要
鬼殺隊に入隊するための試験、最終選別に合格した竈門炭治郎の日輪刀を作った刀鍛冶。37歳。常にひょっとこの面をつけている(これは鋼鐵塚に限らず、後述する刀鍛冶の里の人間全てがそうである)。
鱗滝の知人でもあり、打ち終えた炭治郎の日輪刀を携え鱗滝の家にやって来たのが初登場。
被っている笠には幾つもの風鈴を付けており、一見幻想的な身なりで現れた。
人の話を聞かない性分であり、炭治郎の足労を労わる挨拶に一切耳を貸さぬまま、玄関先の地べたで己が打ち上げた刀をいそいそと取り出して見せた。
当初は名字しか解らなかったが後に下の名前が『蛍(ほたる)』だと判明し、本人は可愛すぎるとして名付け親である刀鍛冶の里の長・鉄地河原鉄珍に文句をつけたことがあるなど、気にしている模様。
人物
超絶的に面倒くさい性格をした37歳児。
その面倒くささは、二歳にして彼の両親がノイローゼになって子育てを諦めるという凄まじさで、以降は里長の鉄珍に育てられた。
……それは即ち、里長の直弟子である事を意味するため、刀匠としての腕は確かである。
自分の打った刀に対する情が深く自負も強い。持ち主の手に渡った刀の色変わりを心待ちにしている際には、うねうねと腕を振るって高揚するなど大変コミカルである。しかし剣士に対して、「刀を折ったら殺す」と凄む恐ろしい一面もあり、その愛情は決して馬鹿にしてはいけない。
炭治郎の顔を見て"赫灼の子"(髪や目が赤みがかった人物を指す、古くから「火を扱う仕事(鍛冶屋、炭焼き等)」の家にこの特徴を持った子供が産まれると、とても縁起がいいと言われていた)だと判断し、鮮やかな赤い刀身が見ることが出来るだろうと期待していたが、実際の色は異なったために怒り叫んだ。感情のままに炭治郎に飛びかかるなど落ち着きの無い様は、炭治郎に「何歳ですか!?」と問われるほど。
因みに上記の傘につけた風鈴は、彼が子供の頃から癇癪を起こして暴れるたびに風鈴を鳴らして宥めていた名残り。
炭治郎は自分の刀を打ってくれた御仁として鱗滝と並べて感謝しているが、「折ったら殺す」と凄味を利かせて念じられたために恐怖も感じている。
後に、任務によって炭治郎は刀を破損・紛失しているが、その際には包丁を持って襲い掛かるという錯乱っぷりを発揮した。しかもその包丁は自作の斬れすぎて怖くて料理に使えない代物である。なんでそんなもん残してんだ。
その気難しさは日輪刀作成に携わる刀鍛冶の里の中でも一際偏屈で通っており、十歳の少年に「そんなんだから嫁の来手もない」とか言われてたりする。
流石に知人である程度彼を理解している鉄穴森でも思うところがあるらしく、行動理由にフォローはあっても性格面への批判はフォローしない。ゆえに炭治郎以前の担当となった隊士からは嫌われて変更を願う者が後を絶たず、どれだけ滅茶苦茶な振る舞いをしても刀匠として自分を頼る炭治郎には内心嬉しく思っているらしい。
総じて、技能が高ければ人格に難があっても重用されるという、鬼殺隊の組織体質を最も色濃く表した人物である。
尚、炭治郎は上記の項の通りに、最初に支給された刀は破損し、二度目に支給された刀は紛失し、三度目に打たれた刀は激闘の末に酷く刃毀れさせてしてしまった。
その為、一度目の時は包丁を持って泣きながら「よくも折ったな俺の刀を よくも よくもォオ」と殺すのも致し方なしと覚悟して襲い掛かり、二度目の時は怒りの余りに包丁を四本持って何処かで見たことがある格好で「刀を失くすとはどういう料簡だ貴様ァアアアア!! 万死に値する……万死に値するゥ!!!」と叫んで襲い掛かり、夜明け近くまで追い回した。三度目の時には二か月間昏睡していた炭治郎に『お前にやる刀は無い』(1枚目)『ゆるさないゆるさないゆるさないゆるさない呪うのろうゆるせないゆるさないゆるさない』(2枚目)『呪ってやる憎いにくい憎い』(3枚目)と書かれた呪いの手紙を送りつけた。
炭治郎は当初、刀が傷むのは自分が上手く使いこなせてないからだと考え彼に申し訳なく思っていたが、後に蝶屋敷で聞いたところ刀が破損するのはよくあることらしく、里長の鉄珍に至っては「折れるような鈍(ナマクラ)を作ったあの子が悪い」と威圧感混じりに言い切っており、実際は鋼鐵塚も自分の刀が破損することで炭治郎を死なせない為、刀匠の里の山で筋骨隆々となるまで己の肉体を鍛え上げていた。刀鍛冶の修行じゃないとか言ってはいけない。
修行を終え打ち壊した絡繰人形から出てきた錆びた刀を前に愕然とする炭治郎と小鉄の前に、突如上半身裸の筋肉ムキムキという風体で現れ、刀を持ち去ろうとするもひたすら「俺に任せろ」としか言わない為当然二人は抵抗。それに刀を奪って振り回すという行動を取り、「大人のすることじゃない」といつも通り大人げない大人扱いされる。
そこへ鉄穴森が現れ脇の下の弱点を突かれつつもフォローされ、ようやく「鋼鐵塚家に代々伝わる日輪刀研磨術で刀を研いで見せる」という目的を世紀末救世主のような様子で吐露。小鉄からその偏屈っぷりを野次られ片手で胸ぐら掴んで釣り上げるという大人気なさを見せつつも改めて刀を預けられる。
3日間不眠不休で研磨していたが、その最中に上弦の鬼が里を襲撃し、彼の前にもその中の1鬼・玉壺が現れる。
だが、いくら話しかけても脅しかけてもブツブツと何かを呟きながら研ぎ続け、文字通り全く反応しなかった為、玉壺もその姿に内心で芸術家として敗北感を覚え、本来の目的が一時頭から飛んでいってしまい「なんとかしてこの男の作業を中断させたい(殺すのも刀を奪うのもやろうと思えば出来るが、自発的に止めさせたい)」と、彼からひたすらに嫌がらせを受ける。
しかし、どれだけ傷つけられようが片目を潰されようが一顧だにせず研磨を続けるという超人的な集中力を見せ、しかもこの後も知人が殺されかけようが上にその知人が乗っかろうが柱が毒で泡を吹こうがひたすら刀を研ぎ続けた。(ちなみに当の玉壺は嫌がらせに苦心していた為に無一郎が水の牢獄から脱出していたことに気づかず、すんでのところで回避し「気付かなかったってことは自分もそれだけ集中してたってことだ、それはそれでヨシ!」等と思っていた)
もっとも、襲撃してきたもう一方の鬼半天狗を倒すためだったとはいえ、研磨途中にも関わらず時透無一郎が炭治郎に投げ渡して使ったため、最初からやり直しになってしまった(この時も大分抵抗して死にかけの無一郎をどついた上に受け取った炭治郎に「ふざけるな殺すぞ、使うな返せ」と脅し、研磨が終わった後も刀に滅の字が刻まれていることに気付いた炭治郎に「完全に研ぎきれてなかったからだよブチ殺すぞ」等タップリと恨み言を述べている)。
ちなみに好物はみたらし団子で、怒ったときはこれを持ってくると機嫌を直すらしく、最後に上述の刀を渡す際には、炭治郎にみたらし団子を贈り続けることを約束させる。
『いいか炭治郎 お前は今後死ぬまで俺にみたらし団子を持ってくるんだ いいなわかったな』
キメツ学園
キメツ学園!にて家庭科教師として初登場。本編では刀に愛着を持っていたことに対してあちらでは調理器具に愛着を持っていることになっている。
煉獄が炭治郎達かまぼこ隊に家庭科室の調理器具を借りて(もちろん校長に許可を取っている)ピザトーストを作ったところ「校長や神が許してもせっかく丹精込めて整備した調理器具を使うのは許さない」と追い回していた。