概要
ビデオ1巻につき2話収録。のちに『新世紀エヴァンゲリオン』を手がける庵野秀明が初監督を務めた。そもそも本作品はガイナックス第1回製作アニメ『王立宇宙軍~オネアミスの翼』の興行不振により生まれた借金を返済する為に作られた。
地味な作風がアニメファンへ受けが悪かった『王立~』の反省を踏まえ、この作品では、キャラクターデザインに美樹本晴彦を起用、アニメ『エースをねらえ!』や映画『トップガン』を始めとする往年の作品のパロディやオマージュを盛り込むなど、ファンの受けを意識した作風となった。
ストーリー
人類が宇宙に進出するようになった時代、地球は正体不明の宇宙生物群、通称「宇宙怪獣」による激しい攻撃を受けていた。その脅威に打ち勝つため、人類はマシーン兵器の後継機であるバスターマシン「ガンバスター」を製造する。
宇宙軍提督タカヤ・ユウゾウの一粒種である主人公タカヤ・ノリコは、宇宙怪獣の襲撃により行方不明になった父を探すため、父と同じ軍人の道を歩むべく、沖縄にある宇宙学校、通称「沖ジョ」に通っていた。
しかし、根が臆病な性格で、マシーン兵器を満足に動かすことも出来ない落ちこぼれであったノリコは自分に自信を持つことができずにいた。更に、対宇宙怪獣決戦兵器ガンバスターの開発者でもあるコーチのオオタコウ・イチロウに見いだされてトップ部隊にスカウトされたことにより全校生から嫉妬され、陰湿ないじめを受けるようになる。
そんな苦境の中、努力することの大切さを知ったノリコは訓練に励み、卒業を待たずして宇宙へ上がり、トップ部隊に入隊。そこで待ち受ける数々の過酷な現実と戦いながら、人類の希望を担うガンバスターのパイロットとして成長していく。
主な登場人物
沖縄女子宇宙高校生徒。身体能力は非常に高く、グラウンドを50周走破するほどの、ずば抜けたスタミナの持ち主だが、マシーン兵器の操縦はてんで駄目で、学内では「全滅娘」という不名誉な称号で呼ばれている落ちこぼれであった、未熟ではあったが内に秘めた人並外れた根性をオオタコーチに見出され、猛特訓を続けながら徐々に力をつけていく。
沖女生徒。才色兼備の優等生だがそれは日々の鍛錬に裏付けられたものである。ノリコを始め、彼女を慕う女生徒からは「お姉様」と呼ばれる。
周囲の偏見に晒されていたノリコを気遣いつつ戦力としては頼りなく思っていたが、やがては実践を通じてかけがえのない戦友同士となっていく。
落ち着いた性格の一方で精神的にもろい部分があり、愛するコーチと死に分かれることを恐れている。
太陽系絶対防衛戦の後にコウイチロウと結婚し沖女のコーチになったが、最終決戦に志願し、銀河中心殴り込み艦隊に合流した。
宇宙に上がったノリコ達が出会ったソ連(作品発表当時はまだ崩壊していなかった)からの候補生。タツミからは「天才」と呼ばれている。負けず嫌いで感情の起伏が激しく、ノリコ達に烈しいライバル心を抱いていたがやがて親友になる。「キツネ顔」とされ、バストが大きく重力が苦手。銀河系中心部では当初バスターマシン2号に搭乗していたが、最終決戦でカズミに譲り自分はシズラーに搭乗する。
オオタ・コウイチロウ(コーチ)(CV:若本規夫)
沖女の講師にしてガンバスター開発者。元はノリコの父親の部下で、るくしおん艦隊の数少ない生き残りの一人である。ノリコの才能に注目し過酷なまでの試練を課す。一見冷徹に思えるがその心は「炎」のように熱い。実は不治の病・宇宙放射線病を抱えている。
ヱクセリヲン、ヱルトリウムの艦長。「なんてこった!」が口癖。
『スーパーロボット大戦』初参戦時にフルネームが明らかになった。
副長(CV:西村知道)
完全な理系人間である。ちなみに名前は無い。
スミス・トーレン(CV:矢尾一樹)
アメリカ出身の宇宙パイロット。水兵として宇宙軍に入隊し、艦内訓練でトップ部隊パイロットに昇進した。カズミにペアを解消されたノリコとペアを組む。
ヒグチ・キミコ(CV:渕崎ゆり子)
ノリコの親友で沖女のクラスメート。趣味は星占い。卒業後は家庭を持ち、一人娘のタカミがいる。
カシハラ・レイコ(CV:勝生真沙子)
沖女生徒でトップ部隊候補の一人だった。ノリコに陰湿ないじめを行い、トップ部隊に選ばれなかったことを不服に思って彼女に一方的を挑むが敗北。彼女を認め笑顔で送り出した。
卒業後はコーチとして後進の育成に勤め、最終話では校長となった。
リンダ・ヤマモト(CV:白石文子(旧OVA版)、松本さち(ゲーム))
トップ部隊におけるユングのパートナーであり友人。感情の起伏が激しいユングとは対照的に控えめな印象を受ける金髪の少女。ユングのパートナーを務めていることから操縦技術は決して低くないと思われるが、作中では名前と少しばかりのセリフがあるモブ扱い。第四話で自身の乗機が故障した為、ノリコのマシーンに乗って出撃するが、コクピットを兵隊怪獣に潰されて戦死した。小説版では為人が掘り下げられてアニメに比べて出番が大幅に増えており、スミスを失って落ち込んでいたノリコを励ます、挑戦的なユングを嗜めるなどの描写がある。名前の元ネタは勿論この人。
第一(作戦)課長(CV:不明)
第5話に登場する、地球帝国宇宙軍の軍人である。軍令部次長の「艦装のすんでない戦艦なぞ石のタヌキだ」の後に「しかし、現存する戦力では、万に一つの勝ち目もありません」と答える凛々しい女性。現状を冷静に分析する力と、忖度無しに事実を報告できる芯の強さが推測できる。
登場メカ
ストーリー開始時点での主力マシーン兵器。だが、サイズ差もあって圧倒的に性能面で劣っており、宇宙怪獣の下っ端である兵隊にすら太刀打ちできなかった。火星沖海戦でのトップ部隊全滅という惨憺たる結果により、後にガンバスターの量産機シズラーに主力の座を譲った
個々のパイロットによってカラーリングは様々。
宇宙怪獣に対抗するために作成されたマシーン兵器、バスターマシン一号と二号が合体することで完成する機体。全長200m(肩まで含めた全高は240m)と、アニメ界では超銀河グレンラガンが登場するまで「主役ロボット」のうちでは圧倒的な大きさを誇っていた。(「主役ロボット」でなければマクロス級と惑星サイズに変形するユニクロンが既にあった)
ガンバスターの量産型で、RX-7に代わる人類側の主力機。
搭載された縮退炉は一つ。
カルネアデス計画(神壱号作戦)の実行部隊、銀河中心殴りこみ艦隊の旗艦。
ゲーム版
『トップをねらえ!GunBuster』PlayStation2ソフト。
CDアルバムに収録されていた「全26話(うち1話欠番により全25話)の幻のテレビシリーズ」を元にしたゲーム、それ以外にも独自のオリジナルif展開もある。
また、原作未登場(スーパーロボット大戦でも未実装)の武器や必殺技も多数実装されている。