「優しくなりたいです。私、もっと。魚にも、まわりの人にも」
概要
P.A.WORKS製作のオリジナルアニメーション。2021年7月からTOKYOMX、AT-XばかりかBSフジとかTBS系列局約2局とかフジテレビ系列局約1局にて放送された。全24話。
もともとは沖縄県南城市のちいさな水族館を舞台に、2人の少女の絆や葛藤、成長を描いた作品として発表された。
その後、前半と後半で作風の異なる2クール作品であった事も明かされ、幻想的な演出と現実のシビアさを描く展開が両立した、独特の路線へと進んでいく事になる。
「花咲くいろは」「SHIROBAKO」「サクラクエスト」に続く、P.A.WORKSの「お仕事シリーズ」の一作と位置付けられている。
内容
前半は夢破れた元アイドルと、夢を守ろうと意固地になってしまっている少女とのふれあいをメインに、廃業寸前の水族館・がまがま水族館を巡る人間模様を描いた。
後半については、がまがま水族館が廃業したため、行き場を失った生き物と従業員を引き受けた新設の水族館であるアクアリウム・ティンガーラを舞台としたヒューマンドラマが描かれる。
登場人物
前半(がまがま水族館)関連
沖縄に住むまっすぐで明るい性格の女子高校生。
思い入れが強いがまがま水族館の館長代理を務めており、立て直しに奔走したが、現実の前に結局挫折した。
その後アクアリウム・ティンガーラに就職、セールスレディとして奮闘するが…。
真面目で一生懸命な、元アイドルの少女。
アイドルの夢を諦めてやってきた沖縄でくくると出逢う。
一度は日本(本土、岩手県)に戻るも、沖縄に舞い戻った上、なんとアクアリウム・ティンガーラに就職、ペンギンの飼育員として“第二の人生”を送ることになる。
くくるの同級生で、よき理解者。漁師の息子。
夏休みにアルバイトとしてがまがま水族館で働いた後、高校卒業と同時にアクアリウム・ティンガーラに就職する。配属先は魚類の飼育担当。
がまがま水族館の飼育員。
一見無気力そうに見えるが、仕事の腕は確か。
同年齢の女性と接するのが苦手で、近くにいるだけで酸素不足に陥る程の拒否反応を示す。
がまがま水族館廃業に伴いアクアリウム・ティンガーラに移籍。
「がまがま水族館」の飼育員。通称「ウミやん」。
髭面のいかつい大男だが、腰の調子が良くないようだ。
かなりのアイドルマニアでもある。
がまがま水族館が廃業した際は空也と行動を共にしている。
おじい(CV:家中宏)
くくるの祖父で、「がまがま水族館」の館長。
性格は優しく、風花も家に受け入れる。
一部では「伝説の飼育員」と呼ばれているようだ。
後半(アクアリウム・ティンガーラ)関連
アクアリウム・ティンガーラの飼育員。
飼育員の仕事に強い思い入れを抱いている一方、弱小のがまがま水族館や関係者には見下した態度を崩さない。
シングルマザーでもあり、幼い息子の雫を育てている。
アクアリウム・ティンガーラの飼育員。
外見も口調もボーイッシュで一人称も「僕」。
魚類の担当で、知夢とは仲がいいが、空也や轟介のマイペースな行動には手を焼いている。
アクアリウム・ティンガーラで、事務のアルバイトをする大学生。
性格は明るく、初対面の相手にも気さくに話しかける。
くくるのほっぺたが気に入ったらしい。
アクアリウム・ティンガーラの飼育員。
ペンギンの飼育を担当。
明るく気さくなペンギン担当のムードメーカー。
アクアリウム・ティンガーラの飼育員。
物静かな性格で、大学院卒業後に飼育員になり、魚類を担当する。
魚を愛し、なんでも魚にたとえて話す癖がある。
その反面、人間関係を築くのはあまり上手ではないようだ。
星野晃(CV:てらそままさき)
アクアリウム・ティンガーラの館長。開館準備に追われていた。
おじいと懇意だったため、がまがま水族館廃業の際、飼育していた生き物たちや、従業員を受け入れた。
飼育員をやりたがっていたくくるを、あえてセールスレディに回した。
アクアリウム・ティンガーラの副館長。営業部で働いている謹厳かつ強権的な人物。
世界一の水族館を目指しており、水族館の命運は営業部が握っているという信念の持ち主。
しかし集客=水族館の利益を第一に考える余り、現場への配慮がまるで欠如しているその言動は「成果主義に偏重したブラック上司」でもある。
ティンガーラ編に入ってから序盤まではそうした側面が強かったが、必死に喰らい付くくくるの提案した結婚式のプランを取引先の会社が承諾した時、「良くやった」とねぎらう等、素っ気無いながらも上司としての度量の深さを見せた。
後に元は銀行員であり、経営破綻した水族館を担当していた事実が判明。飼育されていた生き物の末路を見た経験から自責の念を感じ、同じ想いを味わわない為にティンガーラへと転職した過去を持つ。
雅藍洞凡人(CV:阪口周平)
アクアリウム・ティンガーラの飼育部長。性格は適当なところがある。
副館長の哲司とはあまり仲が良くない。
その他
がまがま水族館の近所にある定食屋の娘。
くくるとは小学校以来からの付き合い。
あだ名は名前の「つきみ」にかけて「うどんちゃん」。
南城市職員で市の観光協会に出向している。
行き倒れになりかけていた風花を助け、がまがま水族館の世話になるよう伝えた。
かつては水族館の飼育員を目指していたが、家庭の事情から仕方なくお役人になった、という経緯があった。
そんなこともあり、がまがま水族館廃業を機にお役所生活に別れを告げ、アクアリウム・ティンガーラに転職。くくると同じ営業部で働いた後、最終話で飼育部に転属する。
おばあ(CV:定岡小百合)
くくるの祖母。
行き倒れになりかけた風花を、夏凛からの紹介という形で受け入れた。
がまがま水族館廃業直後、くくるに対し、くくるの出生時の秘密を明かしている。
竹下先生(CV:花澤香菜)
がまがま水族館の嘱託の獣医。
第3話で子供を出産し、育休が明けるとアクアリウム・ティンガーラの獣医として子育てと仕事に奮闘中。
風花のアイドル時代の後輩。風花が彼女に新曲のセンターポジションを譲ったことが、風花が事務所から冷遇されアイドル界を去る原因となる。風花のことは今でも先輩として慕っており、風花がアイドル界を去ったことに対してわだかまりを抱いている。
風花の母親。風花の後を追ってがまがま水族館を訪れるが、結果として風花ががまがま水族館で働くことを認める。
照屋さつき(CV:儀武ゆう子)
月美の母親。定食屋「カメ一」を経営する傍ら副業で占い師もしている。
なお声の儀武は本作の方言監修も担当している。
仲村真帆(CV:広瀬さや)
櫂の妹。小学生。少々おませで生意気。
くくるとはあまり仲が良くなく、風花に憧れている。
知念類(CV:北守さいか)
真帆の同級生。海洋生物が好きで、がまがま水族館の常連客。
空也とは変に意地を張り合っている。
上原愛梨(CV:塙真奈美)
がまがま水族館をよく訪れていた、病気がちの少女。
南風原雫(CV:塙真奈美)
知夢の息子。
具殿岬(CV:生天目仁美)
轟介の妻。大学の准教授で、離島でウミガメの研究をしている。姉御肌でさっぱりとした性格。
山原(CV:丹羽正人)
離島の水族館「かめはうす」の職員。岬の研究の手伝いもしている。
三浦響子(CV:中原麻衣)
那覇でウェディングプランナーの仕事をしている。アクアリウム・ティンガーラで結婚式を行う企画について、くくるや哲司と交渉する。
キジムナー(CV:儀武ゆう子)
道端に祀られている精霊らしき存在。幼い子供の姿で現れる。
劇中には演出以上の影響をもたらさない狂言回し。
主題歌
1クールOP曲『たゆたえ、七色』
歌:ARCANA PROJECT / 作詞:田淵智也 / 作曲:草野華余子 / 編曲:堀江晶太 / ストリングスアレンジ:宮野幸子
2クールOP曲『とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか』
歌:ARCANA PROJECT / 作詞:田淵智也 / 作曲:草野華余子 / 編曲:堀江晶太 / ストリングスアレンジ:宮野幸子
1クールED曲『月海の揺り籠』
歌:Mia REGINA / 作詞・作曲:草野華余子 / 編曲:中山真斗
2クールED曲『新月のダ・カーポ』
歌:相沢梨紗 / 作詞・作曲:草野華余子 / 編曲:中山真斗
スタッフ
原作 | projectティンガーラ |
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監督 | 篠原俊哉 |
キャラクター原案 | U35 |
シリーズ構成 | 柿原優子 |
キャラクターデザイン・総作画監督 | 秋山有希 |
美術監督 | 鈴木くるみ |
美術監修 | 東潤一 |
美術設定 | 塩澤良憲 |
撮影監督 | 並木智 |
色彩設計 | 中野尚美 |
3D監督 | 鈴木晴輝 |
編集 | 髙橋歩 |
特殊効果 | 村上正博 |
音楽 | 出羽良彰 |
音楽制作 | ランティス |
音響監督 | 山田陽 |
プロデュース | infinite |
アニメーション制作 | P.A.WORKS |
関連動画
ティザーPV
第1弾PV
第2弾PV
外部リンク
関連タグ
- 色づく世界の明日から:制作アニメスタジオと監督が同じであるが故にスタッフの半数が共通している。また、兵庫県におけるネット局も本作と同じ。
- 凪のあすから:上記と同じく制作アニメスタジオと監督が共通しており、こちらも前半と後半で作風が変わると言う演出がされている。
- シンスメモリーズ 星天の下で:メモリーズオフシリーズの(実質)9作目。メインキャラクターデザインが共通。