尋問官とは、一般的には軍隊等で捕虜の尋問・拷問を行う者を指す言葉だが、この記事ではSF映画「スター・ウォーズ」シリーズに登場する用語及び同シリーズのアニメ「反乱者たち」の登場人物について記述する。
概要
銀河帝国における役職の一つで、シスの暗黒卿であるダース・シディアス(シーヴ・パルパティーン皇帝)とダース・ベイダーによりダーク・ジェダイの訓練を受けた高官達。
オーダー66を生き延びたジェダイの捜索と抹殺、およびフォースの素質を持つ若者が新たなジェダイとなる事を阻止して同様に抹殺するか暗黒面に引きずり込む事を主な任務とする。
ヤヴィンの戦いの数年前を描いたアニメ「反乱者たち」では役職名と同じ「尋問官」のコードネームで呼ばれるパウアンという種族のダーク・ジェダイ(メイン画像の人物。暗黒面に転向する以前はジェダイ・テンプル・ガードを務めていたとされるが、それ以上の素性や本名は不明)が尋問官を束ねる大尋問官の地位に就いており、惑星ロザルで反乱活動に加わっていたケイナン・ジャラスとその弟子エズラ・ブリッジャーを追跡している。
そして彼がケイナンとの戦いに敗れて自決した後は、その後釜を狙うブラザー・フィフスやシスター・セブンがダース・ベイダーの命によりケイナンやアソーカ・タノを追う事になる。
なお、非正史(レジェンズ)に区分されているスピンオフ作品の設定では尋問官の他にも「皇帝の手」「ダークサイドの達人」「シャドウ・ガード」等といったシスから与えられる技能や任務の性質が異なるダーク・ジェダイの役職が銀河帝国に存在していたとされているが、正史(カノン)において尋問官以外にこうした役職が銀河帝国に存在しているのかどうかは現時点では不明である。
メンバー
大尋問官
- 本名:不明
- パウアン種族の男性。作品公開順では最初に登場した尋問官であり、単に「尋問官」といえば彼を指すことが多い。尋問官たちのリーダー的存在であり、劇中では「大尋問官」とも呼ばれている。
- 本名は不明だが、「反乱者たち」Season2でケイナン・ジャラスの見た幻影の中で登場した際、ジェダイだった頃は聖堂を守る"テンプル・ガード"の1人だったことが語られた。
- 登場はアニメ「反乱者たち」。帝国の最も堅固な刑務所の一つ"スパイア"に収容されているジェダイ・マスターのルミナーラ・アンドゥリの遺体を利用してジェダイたちを呼び寄せる罠を設置し、彼女を助けにきた「スペクターズ」メンバーと交戦する。その後何度も交戦し、最終的にケイナンを捕らえることに成功するも救出に来たエズラと共に強さを増したケイナンの前に敗北。自らの負けを認めるとスター・デストロイヤーのエンジン内に身を投げて自害した。
- なお、彼が「ファースト」に当たるのかは2022年2月現在は不明。
セカンド・シスター
- 本名:トリラ・スドゥリ
- 黒髪の人間種族の女性。ゲーム「ジェダイ フォールン・オーダー」に登場。
- 同作の主人公に同伴する元ジェダイのシア・ジュンダの元パダワン。オーダー66発令時にはジェダイ聖堂から子供たちを逃すため、シアの指示の下子供達と共に一足先に脱出。しかし、討伐隊に捕まったシアが凄惨な拷問の末トリラたちの脱出先を漏らしてしまったため逮捕され、「シアに裏切られた」と絶望。自ら尋問官になる道を選んだ過去がある。
- ゲーム本編では惑星ブラッガに潜むジェダイの生き残りを探す尋問官の片割れとして登場。また作中ではジェダイ候補の子供達の情報を収めた記憶装置をめぐってカルやシアと何度も戦った。
- 最後はカルとシアに敗れたことをベイダーに咎められ、自分たちの仇を討ってくれるよう2人に伝えた直後ベイダーに背後から刺殺された。
フィフス・ブラザー
- 本名:不明
- ミント色の肌をした屈強なヒューマノイド種族の男性。「反乱者たち」Season2でセヴンス・シスターに続けて登場。
- セヴンスと共に行動を共にすることが多いがどうにも活躍する場面が少ない。
シックス・ブラザー
- 本名:ビル・ヴァレン
- 浅黒い肌をしたヒューマノイド種族の男性。コミック「ダース・ベイダー 燃える海原」と小説「アソーカ」に登場。
- 他の尋問官からはかなり嫌われているようで、惑星モン・カラではナインスやテンスから面と向かって侮蔑の言葉を投げられている。彼自身も侮蔑の言葉を投げた彼らを嫌っているのか、洗脳により部下たちが攻撃を仕掛けてくる中、自分だけ助かろうと思いナインスの右足を切り落とし戦場に置き去りにした。
- その後については小説「アソーカ」で語られているが、アソーカ・タノを追跡する中で彼女の友人を人質に取った結果彼女の怒りに触れ、素手のアソーカに負けて命を落とすという散々な最期を遂げた。なお、彼のライトセーバーのクリスタルはアソーカの手により「癒され」、彼女の新しいセーバーに使用されることになる。(「反乱者たち」以降の彼女のセーバーの刀身が白いのはこのため)
セヴンス・シスター
- 本名:不明
- ミリアラン種族の女性。「反乱者たち」Season2で登場。
- ミリアラン種族といえば、ジェダイ・マスターのルミナーラ・アンドゥリや彼女のパダワンであるバリス・オフィーが属する種族であるため、一時期はバリスの闇落ちした姿ではないか?とも囁かれていたが真相は不明。
- スペクターズ、および彼らに協力するアソーカとは何度も対峙することになるが、最終的にフィフス、エイスとともに惑星マラコアで対峙。力を増したエズラ・ブリッジャーに圧倒されるも、止めをためらった彼に逆襲を試みる。しかし、その試みをモールに感づかれ、彼に斬殺された。
エイス・ブラザー
- 本名:不明
- 高い身体能力を誇るテラリアン・ジャンゴ・ジャンパー種族の男性。登場は「反乱者たち」Season2最終盤。
- 惑星マラコアで「シャドウ」なる人物を探す任務に従事していたところスペクターズを従えたアソーカと遭遇。何度か戦闘になるも「シャドウ」の加勢を受けた彼らの攻撃を受け撤退。しかし、撤退しようと飛び立った直後飛行に使用していたライトセーバーが空中分解し高所から落下死するというあえない最期を遂げた。
ナインス・シスター
- 本名:マサナ・タイド
- パワフルな攻撃を得意とするドウーティン種族の女性。登場はコミック「ダース・ベイダー 燃える海原」およびゲーム「ジェダイ:フォールン・オーダー」。
- 好戦的な性格かつその巨体に似合う力の持ち主であるため、尋問官の中でも特に生傷が絶えない恐るべき相手。劇中だけで「左目」(ベイダーによる「指導」で失った)「右足」(モン・カラの戦いでシックス・ブラザーに切り落とされた)、「右腕」(カル・ケスティスとの決闘の末切り落とされた)。一方、部下であるトルーパーが突然攻撃してきても生き残るなど技量は高い。
- 「ジェダイ・フォールン・オーダー」では惑星ブラッガにいるジェダイの生き残りを探す尋問官の片割れとして登場。序盤におけるカルの敵として猛威を振るった。
テンス・ブラザー
- 本名:プロセット・ディブス
- 顔の下半分を覆面で隠した人間種族の男性。なお、彼だけ顔を隠すマスクを着用しておらず、顔が剥き出しになっている。
- コミック「ダース・ベイダー 燃える海原」にて登場。惑星モン・カラ制圧のため、シックス・ブラザー、ナインス・シスターと共にベイダーの部下としてリー・チャー国王逮捕に向かったが、その際に部下のパージ・トルーパーに施されたマインドトリックにより誤発動したオーダー66により射殺されてしまった。
名称不明のトワイレックの尋問官と種族不明の女性尋問官
- コミック「シスの暗黒卿 ベイダーの城」で登場する尋問官たち。劇中では席次も語られておらず、未だ語られていない「サード」「フォース」、もしくは「テンス」以降のメンバーなのかは不明。
- オーダー66を生き残ったジェダイ・マスター イース・コスの抹殺に向かうベイダーに同伴し、コスの妻と娘を人質に取ることに成功するという功績を挙げる。だが2人は恋愛関係にあり、「執着を持つことは弱さになる」とベイダーに見なされ粛清対象とされてしまう。逃亡するためベイダーを倒そうとするも失敗し、2人揃ってベイダーに惨殺されるという最期を迎えた。