「うん...この体も悪くないねぇ...」
「君達に手を貸した事がボッコワウスにバレて、トジテンドでの出世が望めなくなったんだ……。だったら、もうバラシタラのいるトジテンドごと倒しちゃおうかなぁって。だからさ介人、僕を君達の仲間に入れて欲しいんだぁ」
概要
機界戦隊ゼンカイジャーの敵組織・トジテンドの実験兵士の一人であるステイシーが、組織のトップであるボッコワウスの側近(ペット)であるゲゲに、第42カイ!のラストで意識と肉体を乗っ取られた事から、ゲゲに意識を乗っ取られた状態のステイシーへの呼称。
当初はファンからの呼称であったが、またまた公式に逆輸入され第45カイ!のゼンカイ備忘録で早々に公式化した。
なお、これはゲゲが自分の意識を乗り移らせたというよりは、『ゲゲ内部にいた何か』がステイシーに乗り移ったと言った方が正く、ゲゲ自身は引き続きトジテンドパレスにおり、ボッコワウスやバラシタラとも会話をしているが、用途に応じてゲゲの身体とステイシーの身体を切り替えて利用している。
ステイシー憑依時は、ステイシー自身が人間界に行く当てがないのもあって、特に決まった拠点を持たず、第45カイ!では憑依した存在がトジテンドパレスでゲゲを操作中に、本来のステイシーの人格が仮宿としていたカラオケボックスで目覚めており(普通のカラオケボックスなので、当然ながら他の部屋や客や店員もいる)、その時にはご丁寧にステイシーのそっくりさんが歌う「STACY THOUGHT(ステイシー・ソー)」なる曲までかかっていた。
人物像
初期はゲゲの声がエコーのようにかかった状態だったが、トジテンドから逃走して介人達の前に現れた頃には身体に馴染んだのか、完全にステイシーの声になっている。ただし、口調がゲゲ特有のねっとりした喋り方になっており、やたらと友好的かつ朗らかな態度で接するため、フリントからは「はっきり言って、薄気味悪い」と毛嫌いされている。
普段の突き放すようで、感情をあまり表に出して見せようとはしないステイシーの事を知っている人物(視聴者含む)からすると違和感しかなく、特に第43カイ!では、ニッコニコの笑顔で「僕だよ」と出てきていた為に、介人は勿論一部視聴者も「誰だお前!?」状態だったとか。
主人格はゲゲではあるものの、過去の記憶等は脳から自由に引き出せるようであり、ゼンカイジャーとは勿論、ゲゲと面識の無い五色田ヤツデとも一切のボロを出す事なく会話している。
既にトジテンド自体に見切りをつけ始めているのか、本人曰くトジテンド打倒を目的としているらしく、ゼンカイジャーへ協力を持ちかけるなど、相変わらず何を考えているのか分からない不気味な言動が多い。
一方トジテンド側にいるゲゲ本体も本体で、何故か「別の裏切り者がステイシーを逃したのかも」とわざわざボッコワウスに嘯き、激化した内部分裂を更に煽っており、ゲゲの暗躍はゼンカイジャー側とトジテンド側の双方に大きな混乱を齎している。その様はまさにトリックスターである。
その為に介人からは勿論なのだが、ゾックス達ゴールドツイカー一家からも初見で不審に思われており、キカイノイド組もジュランとブルーンは最初から疑っており、当初は信じようとしていたガオーンとマジーヌも介人の話を聞くにつれて、やはり段々懐疑的になっていった。
正体及び目的(ネタバレ注意)
第45カイ!で、なんとダイオミクジワルドのオミクジパワーを消滅させるという超常の力を発揮。
さすがに通常のステイシーが持つ筈のない未知の力を披露した事で、ゼンカイジャーらに詰め寄られて遂に自身の正体を語る。
ステイシーに取り付いた存在が語る己の正体、それは『神』。
これまで劇中に登場した、様々な並行世界の数々の創生神と呼ぶべき存在であると自称しているのだが果たして真相は...
ちなみにゲゲもまた彼によって乗っ取られて操られていた存在に過ぎず、ボッコワウスと共に幹部達に高圧的に接していた低い声で話すゲゲこそが、本来のゲゲ自身の人格である。
上記した、ボッコワウスにステイシーを逃がした内通者の存在を示唆する等の矛盾した言動も、あくまでゲゲ自身が疑いを口にしていただけであり、ゲゲ本人は自分を操る存在の事もその目論見も何も知らない模様。
ステイシーにせよゲゲにせよ、彼に乗っ取られている間の自我は完全に抑え込まれており、覚醒後もその間の記憶は無い為に当初は困惑するが、直後におそらく任意で記憶が補完される。そしてこの補完は自分が乗っ取られていたという記憶や認識は省いて行われる為、乗っ取られた彼等自身は自分が何者かに乗っ取られていたのだと自覚を持つ事すらできない(作中の描写を見る限り本人達には夢遊病のような状態に感じられるらしく、ステイシーは自分が無自覚に脱走を企てる程にヤツデに会いたかったのだと認識していた)。
ただしこの記憶の欠落は、当然ながら乗っ取られていた期間が長い程に比例して大きな違和感となるらしく、第45カイ!で久々に覚醒したステイシーはかなりの混乱をしていた他、ゲゲの方も前回で乗っ取られてSDワルドを作成した記憶が無く、ボッコワウスに褒められた事について最初は戸惑っていたが、直後に記憶が補完されて「そうかもな…」と曖昧に返事をしていた。
この記憶の欠落はそれ以前にも確認でき、レンアイワルド回ではゲゲに刺激されたおかげで幹部がやる気を出したとゲゲを褒めるボッコワウスに対して、ゲゲが戸惑いながら曖昧な返事をするという描写があり、これについて当初はファンからは「ゲゲすらレンアイワルドには引いている」と半ばネタにされていたが、これも実際は直前までずっと身体を乗っ取られていた為に、ボッコワウスに褒められるだけの働きをした記憶が無かったという事だったのである(この時は話数にして少なくとも2話以上も完全に乗っ取られていたので、記憶の空白が大きかった模様)。
戦闘
トジテンドからの逃走時に、イジルデが没収していたギアトジンガーとダークセンタイギア一式を盗み出しており、ステイシーザーへの変身も引き続き可能だが、変身シークエンスがかなり異なっており、ステイシーに比べてより静かで優しい口調と動作で変身する。変身後の名乗りの際のポーズも左手を前に突き出すだけであり、いっそ優雅さすらも感じられる所作である。
戦闘スタイルも異なっており、ステイシーに比べてより積極的にダークセンタイギアでの偽物召喚を行い、どっかの世界を股にかける泥棒のように召喚した偽物を相手と戦わせておいて、自分は後ろからその様子をゆっくり観察するといったスタイルも見せている。
では本人は弱いのかというとそんな事はなく、メンタル力の差なのか本人の戦闘センスによるものなのか、むしろ戦闘力はステイシーの頃よりも格段に上がっている。
変身前の状態でもクダック達の一斉掃射を目視で撃ち落とし、ゼンカイジャー達をまとめて一掃する程の戦闘力を持つバラシタラを一人で難なく相手して抑え込み、バラシタラの全身の高火力兵器を全て解放した一斉掃射も、他のゼンカイジャー達やツーカイザーがまとめて吹き飛ばされている中で、一人だけ攻撃を捌ききって「流石は軍隊長だね」と余裕たっぷりに賞賛する程である。
関連タグ
敵の敵は味方⇒現状での立ち位置