ビワハイジ

びわはいじ

1993年生まれの競走馬・繁殖牝馬。競走馬として阪神3歳牝馬ステークスを勝ち、繁殖牝馬としてブエナビスタを産んだ名牝である。

※現役時代の馬齢は旧表記にて記載する。

経歴

父カーリアンと母アグサンは共にアイルランド産であり、早田牧場のオーナー早田光一郎がアグサンを購入し、ビワハイジを宿したまま日本で産んだ、いわゆる「持込馬」である。

生まれた年である1993年は、早田牧場の先輩であるビワハヤヒデが年度代表馬を受賞するなど大活躍していたことから、ビワハイジもビワハヤヒデと同じく濱田光正厩舎に入厩した。

6月10日に札幌競馬場で行われた新馬戦で武豊を背にデビュー戦勝利を挙げる。

続いて初の重賞となる札幌3歳ステークス(GⅢ。現札幌2歳ステークス)に出走し重賞初勝利。

武豊はこちらも2連勝中のイブキパーシヴ(ビワハイジと同じくカーリアン産駒)を選択し、ビワハイジには角田晃一が騎乗。以後は角田が主戦騎手となった。

レースは絶好のスタートでハナを奪うと、2番手に付けていたエアグルーヴ(マイケル・キネーン騎乗)の追跡を凌いでそのまま先頭を譲らず1着でゴールイン。イブキパーシヴは3着だった。

無敗でのGⅠ勝利が評価され、最優秀3歳牝馬を受賞した。

クラシックイヤーを迎えたビワハイジの初戦はチューリップ賞(当時GⅢ)。

しかし、前走で下したエアグルーヴに雪辱され2着。

桜花賞はエアグルーヴが感冒のため直前に回避したことからビワハイジが2番人気になったものの、体調不良のために人気を大きく裏切る15着に大敗。(1着はファイトガリバー)

続いて陣営はこの年に新設されたNHKマイルカップや、牝馬クラシック二冠目の優駿牝馬(オークス)には進まず、牝馬ながら東京優駿(日本ダービー)を選択した。

ビワハヤヒデが日本ダービー2着に敗れていたことから、その雪辱という意味でのダービー出走だったが、桜花賞での大敗もあって10番人気に留まり、レースもフサイチコンコルドが勝った陰で見せ場もなく13着に大敗。

2戦続けての2桁着順に加えて、レース後に骨折が判明したため1年以上の休養を余儀なくされ、この年に新設された秋華賞には出走出来なかった。

ちなみにビワハイジの次に日本ダービーに出走した牝馬がウオッカ(2007年)であり、クリフジ以来64年ぶりに牝馬のダービー制覇を果たした。

なお、最優秀4歳牝馬は秋華賞でエアグルーヴを下して初代女王に輝いたファビラスラフインが受賞した。

10月18日のカシオペアステークス(OP)で復帰するも5着。

12月14日の阪神牝馬特別(GⅡ。現阪神牝馬ステークス)も7着に敗れた。

翌1998年も現役を続行し、京都牝馬特別(GⅢ。現京都牝馬ステークス)に出走。

角田に代わってオリビエ・ペリエが騎乗したこのレースは2着のランフォザドリームに2馬身差を付けて2年ぶりの勝利を挙げたが、レース後に左前脚骨瘤が見つかったため、引退が発表された。

引退後は早田牧場で繁殖活動を始めたが、2002年に早田牧場が破産したため、ノーザンファームへ移籍した。

早田牧場で最後に産んだアドマイヤジャパンはディープインパクトのクラシックでのライバルとして菊花賞2着などの成績を残した。

ノーザンファームに移籍してからは9頭産み、中でも2006年に産んだブエナビスタ(父スペシャルウィーク)はGⅠ6勝を挙げ2010年には年度代表馬を受賞するなど、一番の成功を収めた。

ブエナビスタの他にはアドマイヤオーラ・トーセンレーヴ・ジョワドヴィーヴルなどがいる。繁殖生活を通じて計6頭の重賞馬を産み、これはJRAの最多重賞馬出産記録である。

ビワハイジ産駒の重賞馬

2015年の出産を最後に繁殖牝馬を引退し余生を過ごしていたが、2022年2月25日に老衰のため死亡。