概要
大柄なラオウに見合った巨体を誇る黒馬で、その蹄は象の足程もあり、道を妨げる者がいれば一踏みで圧死させてしまうほど。
当初はラオウ以外に背中を預けようとせず、ラオウも彼(?)以外の乗り物には乗らないと意地を通したこともあった。しかし、雲のジュウザに奪われたことを皮切りに、けっこう沢山の人物に背中を預けている。
ラオウ没後はケンシロウ・ユリアにその身を預け、彼らとともに安住の地へ旅立つ。数年後の「天帝編」にてケンシロウと共に再登場するが隻眼になっており、左眼に赤い布が巻き付けられていた。
なお、隻眼になった経緯については、本作30周年企画に際した新作エピソード『北斗の拳-LAST PIECE-』において描かれている。
「修羅の国編」では、ケンシロウが海路で単身修羅の国へ渡ったため一時的に彼の元を離れたが、後にバット率いる北斗の軍とともにケンシロウとリンを追って海をわたり、北斗宗家の永きに渡る闘いを終えたケンシロウと合流し彼とともに再び旅立つ。
最終章である「ボルゲ編」にてケンシロウを乗せて雨の中を歩んでいたが、突然立ち止まり、そのまま息を引き取った。
『天の覇王』での黒王
本作にて、ラオウとの出会いのエピソードが描かれた。元は「黒王谷」に住む千頭の野生馬たちの王で、智王ギオンの城に攻め入るために谷に入った拳王侵攻隊を壊滅させるほどの力を持ち、「悪魔の馬」と称されていた。
興味を持ったラオウが谷に入ると、ケガをした仔馬を守りながら二頭の虎に囲まれる黒王の姿があり、ラオウは千頭の馬群の王が一頭の仔馬のために窮地に立っていることを好とせず、致命傷の仔馬を殺し黒王を叱責する。その後、虎を一網打尽にした黒王はラオウからの誘いに応じ、千頭の配下の馬たちとともに拳王軍に協力するようになる。
『北斗無双』での黒王
赤兎馬や松風といった、無双シリーズでは恒例の「高性能な馬」と同等に位置づけられており、大抵の雑魚は走るだけで一網打尽にしてしまう。
ただし、伝説編の一部のステージや、ラオウの無双奥義「黒天殺」で呼び出すなどでしか使用することができない。続編『真・北斗無双』では「黒天殺」自体が無くなってしまったため、使用出来る機会がいっそう少なくなってしまった。
『DD北斗の拳』での黒王
<DD北斗之拳>
ラオウの借金(10万円)の担保としてサウザーに引き取られるが、その圧倒的な馬力から競馬界で「ブラックキング」として大活躍し、充実した生活を送っている。
<漫画版>
FLASH版から大幅にリデザインされ、飼い主であるラオウや他の拳士たちと同様、可愛らしくデフォルメされた姿で登場。
ラオウが外出する時に乗っている。工事現場、プール、銭湯、回転寿司屋、車の教習所にもついてくる。
水泳勝負の時にはラオウを乗せて泳いでいた。
<アニメ版>
声 - 湯澤幸一郎
飼い主であるラオウや他の拳士たちと同様、可愛らしくデフォルメされた姿で登場。
デフォルメされていてもその怪力っぷりは相変わらずで、TVアニメ第5話ではラオウ、ケンシロウ、トキと、さらにリンとバットの5人を乗せて猛スピードで疾走するなどしている(ちなみに、最高時速は80kmとのこと)。
第5回では原作同様、ジュウザに背中を預けるシーンもあり、第6話ではバットも黒王号に騎乗していた。
元は馬肉屋の商品だったが、ラオウが半ば強引に馬肉屋の店主から譲り受けたことで彼の愛馬となる。命の恩人であるラオウに対して並々ならぬ友情と忠誠心を抱いており、呼ばれるとどこからともなくすぐに駆けつけてくる上、ラオウが危機に陥ると助け出そうと躍起になる。
ギャグアニメ故か、少々人間臭い行動を取ることもあり、第3回・8回ではコンビニの仕事をこなすなど、かなり器用な一面も見せている。そして、第8回ではその気になれば人間の言葉を喋ることができるということが判明、バット、ケンシロウ、トキを驚かせていた。
STARHORSE3での黒王
北斗の拳30周年記念企画のひとつとして、セガの競馬メダルゲーム「STARHORSE3」において、期間限定で黒王号と対決が出来るイベントレースが行われている。
前述のDD北斗之拳のネタがある意味現実になったものと言えよう。
設定は「拳王が倒れた後の空白の時間帯に、黒王号が別世界へと転移していた」というもの。
通常の競走馬がだいたい450~500ぐらいが平均とされるなか、黒王の馬体重は900キロを超えており、サイズも通常の倍近い。そんな黒王が砂塵をまき散らしながら迫ってくるのは恐ろしいものがある。
ちなみに手綱を握るのは原作でラオウの死後にまたがっていたケンシロウである。また、他の登場馬や騎手も北斗の拳のファンなら思わずニヤリと来るものが揃っている。
参考動画。いかにでかいのかが分かる。(ギャラリーの声があるので音量注意)
因みに…
ほかにも、競走馬レースゲーム『ジーワンジョッキー』『チャンピオンジョッキー』(コーエーテクモゲームス)でも黒王号をモデルとしたコクリュウオウの名の巨大馬が存在する。
余談だが、『Jスターズビクトリーバーサス』では両津勘吉に競走馬にされそうになったこともある。
もし黒王号(またはその乗り手の面々)が承諾していたら、こういうことになっていた…のだろうか。
ちなみにめだかちゃん相手には完全に逃げ腰になっており、彼女からも「あんな可愛い馬にまで…」と嘆かれていた。
関連タグ
松風(同作者の漫画『花の慶次』に登場する、黒王によく似た馬)
カスケード(ジャンプ作品の黒い馬でライバルの立ち位置に居たという共通点からか、あるゲームで言及された)
ナムラコクオー 冠名+黒王号の名を頂いた競走馬。ナリタブライアン最大のライバルとして春クラシックを闘い抜いたが後に故障し高知競馬に移籍。強敵(とも)亡き後も彼の地で闘い抜き、2019年8月に永眠。