概要
三国志最強と名高い呂布の愛馬として知られている馬。また、三国志関連の作品においては名馬中の名馬の扱いを受けることが多く、関連作品以外でも名馬の代表格的存在として名前がよく挙がる。
『三国志』には「布有良馬曰赤兔((呂)布に良馬あり、曰く赤兔という)」とある。さらに、注に引く『曹瞞伝』(呉側の文献)によると、呂布の武勇と併せて「人中有呂布 馬中有赤兔(人中に呂布あり、馬中に赤兎あり)」とあり、馬であるにもかかわらず賞されたという。つまり、当時から呉にも名声が鳴り響いていた存在だった。
『演義』においては、より細かな性格付けがなされており、赤兎馬は元々は西方との交易で得た汗血馬であり、一日に千里を駆けることができた稀代の名馬と言われている。
また最初の主人は董卓であったが、呂布とその養父の丁原を仲違いさせるために呂布に贈られた。
その後、曹操が呂布を討ち手に入れるが、大変気性が荒く誰も乗りこなせずにいた。そして、客将として関羽が曹操の元にいた際、関羽を部下にしようと画策して、赤兎馬を彼に贈ったところ、見事に乗りこなして、そのまま関羽のものとなった。
その関羽の死後、呉の馬忠に与えられたが、馬草を食わなくなって死んだという。
実は……
この赤兎馬があまりに有名なので勘違いされがちだが、そもそも赤兎馬は固有名詞ではない。
そもそも南蛮の孟獲、祝融も赤兎馬に乗っていたという話があり、さらに水滸伝でも、関羽の子孫・関勝や、呂布に憧れる青年・呂方の乗騎が赤兎馬とされている。
現在の研究では、「兎のような耳を持つ」もしくは「兎のように素早い」、赤い馬の事を指すとされている。
さらに言えばこの呂布の赤兎馬も、初登場から死去まで約30年間経過しており、これだけの長い期間軍馬として現役であるのはどう考えても不可能である(30年となると馬の寿命、それもかなり長い方に相当する)。
そのため、途中で代替わりした可能性が高い。
関連タグ
絶影:同じく『三国志』に名前が記録されている馬。
的盧:同じく『三国志』に名前が記録されている馬。
赤兎馬(Fate):スマートフォンゲーム『Fate/GrandOrder』に登場する本馬をモデルとしたサーヴァント。……なのだが、どういうわけか「自分を呂布だと思っているケンタウロス」になっている。
グランブルーファンタジー:世界観的に三国志とはあまり関係性がないように思えるが、2020年3月31日付更新のレジェンドフェスガチャでSSレア星晶獣として登場する事に。表記に関してはセキトバとなる。