概要
一般的に「スーパーカー」といえばフェラーリやランボルギーニの数千万円もするようなスポーツカーを想像されるだろうが、ハイパーカーはなんと億円単位で、文字通り格の違う車である。
1999年にパガーニ・ゾンダが誕生してから「ハイパーカー」という呼称がみられるようになり、ブガッティ・ヴェイロンが登場するとマクラーレン・P1、ケーニグセグ・アゲーラ、シェルビー・スーパーカーズのトゥアタラと続いた。
フェラーリ・ラ・フェラーリがアラブウィールズ・アワードで「ハイパーカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞、ランボルギーニ・ヴェネーノやポルシェ・918スパイダーなどスーパーカーで有名な自動車メーカーからもハイパーカーが登場している。
日本ではトヨタがTS050 HYBRIDの技術が投与されたGRスーパースポーツコンセプトを発表しているほか、技術系人材派遣会社のアスパークが初めてEVハイパーカーのOWLの発売に成功している。
上記のメーカーを見ればおわかりの通り、億円単位で数十台も売れればいいため、生産には量産車のような超大規模投資とコスト削減ノウハウを必要としないため、一般的には自動車メーカーでない企業でも生産に漕ぎ着けることができるのも一つの特徴である。
ハイパーカーの定義
「時速400km以上」「1000馬力超」「億超え」「ハンドメイド品」「レースカーのような空力設計」などもっともらしい基準がありそうで、ハイパーカーという概念には明確な定義は存在しない。
2021年からはWEC(世界耐久選手権)のレギュレーションに「LMハイパーカー」という規定が施行される。
内容は、
・車重は最低1100kg
・エンジン出力は最高750馬力に制限、後輪駆動のみ
・ハイブリッド搭載は任意。ただしハイブリッドを採用する場合、モーター出力は最高270馬力に制限される。またモーターは前輪駆動にのみ用いられる。
(つまりハイブリッド車は一種のe-4WD、非ハイブリッド車は2WDとなる)
・市販車として参戦する場合、2年間で20台以上の車両を生産しホモロゲーションを得る必要がある。ただし、プロトタイプとして参戦する場合はこの限りではない。
というもので、今後はこのホモロゲーション取得のために生産された車が「ハイパーカー」と呼ばれるかもしれない。
主なハイパーカー
アジア
日本
- トヨタ - GRスーパースポーツコンセプト、GR010 HYBRID(LMハイパーカー)
- アスパーク - OWL
アラブ首長国連邦
- Wモーターズ - ライカン ハイパースポーツ
ヨーロッパ
ドイツ
フランス
イタリア
イギリス
スウェーデン
デンマーク
- ゼンヴォ - TS1
北アメリカ
アメリカ合衆国
- シェルビー・スーパーカーズ - エアロ、トゥアタラ
- ヘネシー・パフォーマンス・エンジニアリング - ヴェノム
- スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス - 003、004S、007LMH(LMハイパーカー)