モスマン
もすまん
概要
体長は2mほど、黒い毛(羽毛)で全身が覆われたUMAだが、
拡げると2mを超える翼を背中に備える。
頭部の詳細は不明だが、共通して煌々と輝く赤い目を備えている。
「頭部は胴体と一体化していて黒い体毛(羽毛?)と翼を持つ」証言が主なもので、腕とは別に背中に生えているか、翼は腕が変化している、あるいは腕自体が無い等の差がある。
殊更「腕が翼になっている」または「腕は存在しない」との証言から、イギリスで目撃されているオウルマン(=梟男)と同種ともされる。
書籍によっては『腕があるのがモスマン、腕がないのがオウルマン』とする記載がある程、混同され易い存在である。実際に食玩でUMAを扱った商品では、モスマンとオウルマンを上記の特徴で区別しているものがある。
目撃の多くは夜に集中し、羽ばたかずに空に向かって垂直に舞いあがる、時速100kmを越える車に追いつく(最高時速160kmで飛行する)等、信じ難い目撃証言がある。
形状および目撃証言に関しては、下記特徴の項目も参照。
正体については、ポイント・プレザントでUFOが目撃されるようになった時期とモスマンが現れた時期が符合する為、エイリアン・ペット説がある他、イヌワシやフクロウ等の大型鳥類を、恐怖のあまり見た目と大きさを勘違いした説がある。
上記のように、様々な目撃例が存在し、共通項はあるものの、はっきりとした形状は不明のままである。
更に、目撃証言はあるものの、写真に撮られた事実はない。目撃証言は1966~67年の間で途絶えており、その当時の証言により描かれた想像図が絵として残されているのみで、写真は一切残っていない。
昨今では、モスマンを撮影した動画や映像は存在しているものの、数は少なく、不鮮明かつ信ぴょう性も薄く、そのほとんどはフェイクとされている。
また「モスマンはポルターガイスト現象を起こす」「モスマンを目撃した者は不幸になる」「正体は先住民族の呪い」等とする怪しげな噂も存在するが、その関連性も不明。
創作においては、上記のこれら噂もモスマンの能力として付加しているものもある。
特徴
66年の目撃当時、ウエストバージニア州ポイント・プレザント一帯では、当初はこのUMAは「バード(鳥)」と呼ばれていた。
後に、アメリカの動物学者にしてUFOおよび超常現象研究家のアイヴァン・サンダーソンが、本UMAを「モスマン(蛾人間)」と呼ぶようになり、これがマスコミを通じて広まり定着。現在に至る。
体長は約2m。腕はなく、背中に大きな翼を持つ。その翼をはばたかせずに、自動車よりも速く飛行する。
目撃者の多くは、モスマンを一瞬しか見ておらず、モスマンの顔はあまり詳細まで覚えてはいないが、「目がギラギラと赤く輝き」「目と目の間隔が大きく開いている」点だけは、多くの目撃者の証言が一致している。
ネズミやコウモリに似た「キィキィ」との鳴き声を発した証言もある。
「第一発見者」とされる女性によると「車で時速160kmで逃走した際、モスマンは同等の速度で追ってきた」と答えている。
また、彼女はTV番組のインタビューの際「モスマンはフライング・ヒューマノイドに似ているような気がする」とも述べている。
遭遇事件
最初の目撃例は1966年11月12日、ウェストバージニア州レンデニンの墓地での事である。この事件を皮切りに、一連の遭遇事件が始まった。
続く11月14日、同州ポイント・プレザントのTNTエリア(元・火薬工場であった地域)付近。ここでドライブを楽しんでいた若者達が、モスマンに追跡される事件が発生する。彼等は車を全速力で走らせたものの、モスマンは容易に追跡してきたと答えている(この若者の1人が「第一発見者」とされる女性である)。
その同日夜。ポイント・プレザント北東にあるセーラムにて、同様にモスマンの目撃証言が報告された。
その日、とある家にて。外の飼い犬が激しく吼えるので様子を見に行くと、暗闇の中に赤く光る二つの目が浮かび上がった。翌朝、飼い犬の姿はどこにも無かったが、新聞に掲載された火薬工場での目撃証言には「逃げる途中で犬の死体が転がっていた」との一文があった(尚、この火薬工場近辺では数度に渡り、奇妙な光体が目撃されていた証言もある)。
最初の遭遇事件から13か月後の、1967年12月15日。
ポイント・プレザントとオハイオ州カノーガを結ぶシルバー・ブリッジ付近で目撃されるが、この事例を最後にモスマンの目撃例は途絶えている。
関連性は不明であるが、同日シルバー・ブリッジは大規模な崩落事故を起こし46人が犠牲になる大惨事となった。この出来事はモスマン事件を題材にした映画『プロフェシー』でも描かれている(映画中での犠牲者数は36人とされた)。
ポイント・プレザント周辺での目撃は絶えたものの、近年多発している「フライング・ヒューマノイド」との目撃証言には「高速で飛行し車を追いかける茶色の怪人」等と、モスマンとの共通点があり、関連性が指摘されている。
この件に関しては調査が行われ、一部の調査員や研究家からは「鳥と見間違えたのでは?」と仮説を立てた。しかし、目撃者に正体と思しきワシやツル、フクロウ等の鳥の写真を見せたが、目撃者は皆「それらの鳥とはまったく似つかない」と返答している。
また事件直後に、もともとこの地には居つかないはずの、シロフクロウやヒメコンドルが発見されている事実から「何者かがモスマンの存在を隠す為に、これらの鳥類を逃がしたのでは?」とも見られている。
本件はドキュメンタリー専門チャンネル、ディスカバリー・チャンネルの番組『超常現象調査隊』でも紹介された。番組中では2003年に撮影された“橋から飛び立つモスマン”は「風に流された黒いゴミ袋ではないか?」とする結論に達している。
またヒストリーチャンネルの番組『未確認モンスターを追え!』では、複数の目撃者の証言を元にモスマンのイラストがそれぞれ作成されたが、既存のイラストよりも目の間隔が狭く、人間や猛禽類に似た姿だった。同番組では、夜道の脇にモスマンの人形を設置し、車に乗った被験者が『人形をどれくらいの大きさに感じたか?』との検証も行われ、「実際の大きさよりもかなり大きく感じる人がいる」との結果が出た(尚、上記の番組のモスマンのイラストによってか、一部のオカルト書籍でも“有翼人めいた、頭部と胴体が個別に部位化されたモスマン”のイラストが描かれるようになった)。
登場する創作
ゲーム
- 女神転生シリーズ
pixivではこのキャラクターのイラストに多くのタグがつけられている。
詳細は →モスマン(女神転生)
- 銃夢~火星の記憶~
1998年発売の当時不本意な終わり方をした同名漫画を、作者木城ゆきと原案でゲーム化したプレイステーション用アクションRPG。火星の砂漠に出現するモンスターとして登場。
- カルドセプトシリーズ
シリーズ複数作に登場。風属性クリーチャーでありながら「フィールドに配置された無属性クリーチャーの数に応じてST・HPにプラス補正が掛かる」能力を持つ。
カードを生贄にしてゴブリンを召喚するスペル「ゴブリンズレア」と組み合わせるとかなり凶悪。
「未界域のモスマン」として登場。
実写
- プロフェシー(The Mothman Prophecies):オカルト本『モスマンの黙示』を原作にした、2002年公開のアメリカ映画。
- 蛾人間モスマン(Mothman):2010年のアメリカ製TVドラマ。
- 宇宙戦隊キュウレンジャー:10話「小さな巨人ビッグスター」登場のダイカーン「モズマ」のモチーフ。
漫画
- ウォッチメン:蛾をモチーフにしたスーパーヒーローとして、劇中に登場した。
- WHO FIGHTER with heart of darkness:滝沢聖峰作の戦時中のUFO目撃事件をテーマにしたオカルト戦記漫画。
- 学園天国パラドキシア
- 唐沢なをきの幻獣辞典
- エリア51(久正人):レース「グレート・ゴールド・ラン」に出場選手の一人。
- 地獄先生ぬ~べ~NEO:トラウマエピソード再び。
ラノベ
ファンタジー世界のモンスターとして登場。本編の3年前に公国の砦をモスマンの群れが襲撃。飛行能力と毒で兵士達を苦しめた。
この時、援軍要請の為に国元へ伝令に走ったハインリヒ・ゼーレマンが異世界食堂「ねこや」と初遭遇を果たす。