モチーフ元については初霜(駆逐艦)を参照。
図鑑データ
「初春型四番艦、初霜です。皆さん、よろしくお願いします!」
概要、出撃します!
サービス開始当初から実装されていた初春型艦(第二十一駆逐隊)の中では最後の型番だが、妹にまだ有明と夕暮の2隻が居るので末っ子では無い。そもそも初霜は初春の建造によって発覚した初春型の問題点の改修工事を、竣工直前に同型3番艦の若葉と一緒に施された事により、若葉よりも34日先に竣工する事になったので若葉の妹かどうかも…(2018年に実装された任務ボイスにおいては「若葉姉さん」と提督へのセリフで言っているため、『艦これ』においては少なくとも表向きは妹と位置付けられているようだ)。絵師が初春・子日と異なるのはおそらくこれが理由と思われる。
これでまた、容姿を守れるわ。
長い黒髪を先端で縛ってあるのと、赤系統色の瞳が特徴。
(改二で髪を縛るゴム共々顕著であるが、解像度の関係で媒体によって目の色の見え方が異なり、高解像度のカードなどにおいては赤とオレンジの中間あたりの色になっている。一般的な日本人に多い茶色の瞳をデフォルメに合わせたカラーリングとも言えよう)
服装は若葉と同じく、紺のブレザーとプリーツスカートに、白のカッターシャツ、赤いネクタイを着用。だらしない着方の若葉と違って着崩すことはなくきっちり着こなしており(ただし、改二になると袖をまくり、少々ガラが悪くなる)、彼女のみ黒のハイソックスを穿く。艤装はマスト付きの煙突を背負い、その両脇に三連装の魚雷発射管を備える。両手にははそれぞれ腕を覆うサイズの連装砲を右腕に、単装砲を左腕に装着している。
中破以上のダメージを負うときっちり着ていたブレザーやネクタイがなくなり、ブラウスの前がはだけた格好となるが、それでも恥じらいなどは見せず、駆逐艦とは思えない勇ましい表情を見ることができる。
ちなみに暁と外見が似ているのは、姉の若葉と同様に、暁型をモデルに建造されたのが由来である(暁と絡んだ同人誌もある)。ちなみに、三日月とも外見が似ているが、そちらとの接点は不明である。しかし、どちらかと言えば三日月との方がよく似ている。始めたばかりのユーザーは見分けがつかないということも多いが、ブレザーとセーラー服の違い以外に、瞳の色(あちらは完全な黄色)、アホ毛の有無(こちらは多少のハネ毛しかない)などがある。
性格の護衛なら、任せてね。
口調は丁寧語と女性的な常体語が半々で、提督相手にも常に丁寧語で喋る訳では無い。非常に仲間思いで、「守る」が口癖になるほどよく護衛を買って出る。その為の戦闘は厭わず、むしろノリノリ。と言うより、後述の史実の記述を読んでわかる通り、彼女の戦場は激戦区から外れており、護衛任務が主であったため、戦う=守るの図式が強く、好戦的ながらもその言葉がどこか優しく聞こえるのであろう。
中大破した状態で入渠すると、普通多くの艦娘が「こんなにボロボロにさせられて悔しい」「戦いから離れてゆっくり休みたい」とこぼすのだが、初霜は「これでまた皆を守れるわ」と安堵している。だが、改二になると「無茶な作戦はダメ、ですからね」と釘を刺したり、小破入渠では「ちょっとだけ休憩ね」と一般的なことを言うあたり、自己犠牲的というよりは単に仕事に自信や誇りを持っているタイプなのだろう。小破時のボイスでは「信じられません…」とかなり深刻そうなことのたまうをあたり、この自信は相当なものである模様。
ちなみに彼女の「提督のおさわりに対する反応」の枠に入っているセリフは「て、提督・・・? ・・・ああ、魚雷管の角度を直してくれてるんですね。いつもすみません。」である。このセリフの意味を、ただの天然な子と取るか、提督を気遣える子と取るかは、このセリフを聞いた提督次第。いずれにせよ「いつも」と言われている理由が気になるところではあるが。ケッコンカッコカリをすると、恋愛感情に対する彼女らしい本音が聞ける(後述にネタバレあり)。
なお、浮ついたイベントにおいては、バレンタインボイス追加までは、周年ボイスでは「『輪形陣でお祝いしたくなる』とわかるようなわからないようなことを言い、提督に肯定ではない返答を受ける」、節分の「一人で豆まきをしていて、提督にぶつかって委縮してすぐ片づけ始める」などのように、あまり他人と関わる形での参加をしてこなかった。もちろん彼女は人当たりは良い方なのではあるが、基本的に彼女は自己完結的な傾向があった…が、バレンタインボイスにおいては、一歩外に踏み出して来たようである。一方は少しぎこちなく提督にチョコレートを渡し、もう一方は好評を得て安堵などの感情を噛みしめるものになっている。本命チョコなのか義理チョコなのかなんなのかと言えば「特別な義理」と言った具合だろうか。イベント明けのホワイトデーお返しボイスでは、お返しに大変喜んでいる様子。
声が非常に特徴的と言われるが、「その声が良いんだ」という提督も少なくない。なお、まろに☆え~るの瓜田瑠梨が同声優のキャラでは演技が近く、また同ユニットのキャラクターが上司と同じ声優、似た系統の演技である。公式供給が『吹雪、がんばります!』での出番しかない主従関係のジェネリック品をお探しなら聞いてみるといいかもしれない。
2018年2月5日の更新により、前更新で時報ボイスが実装された長女に引き続き、彼女にも時報ボイスが実装された。常に敬意を払って提督と接しており、慎ましくも甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。その献身ぶりに「なんだ、ただの天使か……」と浄化される提督が多発した。
初春の時報でもたびたび登場しており、提督のみならず姉たちの昼食におにぎりを用意するなど、誰に対しても面倒見が良い。三食日本食で統一され、腕前も初春の時報からかなりの腕前であることが判明。
また、時報内では姉妹艦や北号作戦のメンバー、坊ノ岬沖組の何名かとの交流も匂わせているが、特に彼女との縁が深いであろう那智・阿武隈・霞・雪風らへの言及がなかったことを残念に思う提督諸氏も少なくない。1700の会話では、その手前の矢矧との会話に連動し、坊ノ岬沖海戦を思い返して思わず苦しい胸の内を吐露するような言葉を発している。
逆に初霜に言及する艦娘はサービス開始時点では司令駆逐艦の若葉のみであったが、朝霜の改二実装により編成時に言及するようになった。また、終焉の地宮津湾のほど近く伊根湾で艦橋に被爆するも一命をとりとめた歴戦の潜水母艦長鯨からも言及されるようになった。
史実も知ってくださいね。
彼女を語るうえで欠かせないのが、何といってもその史実。本人が図鑑説明で「ほんと、頑張ったんです」と語っている通り、数々の激戦に参加して終戦の2週間前に擱座するまで前線に立ち続けている。駆逐艦以上の艦艇の中で終戦日を迎えずに(実質的に)戦没した最後の艦が何を隠そう彼女である。
多数の僚艦や姉妹艦が沈んでいく中、艦隊を支え続けた歴戦の強者で、しかも「奇跡」と呼ばれた「キスカ島撤退作戦」、「北号作戦」の両方に参加している点、最後に行動不能となるまでは殆ど死傷者が出なかった点、そして彼女の護衛対象となる艦及び彼女と行動を共にする僚艦は、よほど理不尽な状況でなければその作戦を生き残った可能性が高かった点が挙げられる。
その例を挙げてみよう・・・;
1943年7月の「キスカ島撤退作戦」の参加艦の1隻で、奇跡とされる本作戦の立役者であるが、実はその際、同型の若葉の右舷に艦首から衝突し、その反動で艦尾が振れて後ろを航行していた長波の左舷に接触してしまった。原因は阿武隈が濃霧の中行方不明になっていたところから突然現れた海防艦国後に衝突され、その混乱によるはずみであった。
初霜、長波の作戦行動に問題はなかったが、若葉は損傷が大きく、その場で離脱し帰投する事となってしまった。そのせいで若葉のみが奇跡の作戦に参加出来ずじまい…若葉はこの一件を艦娘に生まれ変わった今でも根に持っているようであり、初霜に対して「お前は要注意だ」と図鑑内で苦言を呈している。
1944年1月には初春と共に瑞鳳、雲鷹の護衛をしていたところ雲鷹が米潜水艦ハドックの雷撃を受け大破してしまった。ここで初霜は初春に瑞鳳の護衛を任せ単艦で速力の落ちた雲鷹をサイパンまで対潜哨戒を行いながら護衛。更には応急修理を終えた雲鷹が横須賀まで回航される時も哨戒活動を続け彼女を護り続けた。
同年5月、マリアナ沖海戦の時は雪風、響、卯月と共に補給部隊を護衛し、補給は無事終えたものの米艦載機の攻撃により補給部隊のうち2隻は航行不能になり処分せざるを得なくなった。しかし、初霜と共にダバオから遅れて出撃した速吸は無事であった。
同年10月末には霞、初春、潮、曙、沖波と共に第二次多号作戦に参加し、能登丸一隻を失ったものの人員物資の揚陸率は90%と無事に成功を収めた(ただし、これ以降の多号作戦では島風や長波など多くの艦が戦没している)
マニラ空襲においては、那智や木曾などが斃れていく中、燃え盛る姉やその付近の地上から上がる黒煙に覆い隠され、米軍が撃沈と誤認したためにかろうじて難を逃れる。(同空襲を生き延びたのはこの前後あたりから僚艦となる霞、朝霜、潮や竹くらいであった)
この後、北号作戦までに霞と共に榛名を護衛、被雷した妙高の護衛も行っている(後者のために礼号作戦への参加は見送っている)
1945年2月、戦闘艦艇のみによる強行輸送作戦……というより物資を抱えて本土に向けて強行帰還する作戦「北号作戦」の完部隊6隻の中に属し、敵の攻撃や伊勢からの跳弾に晒されながらも全員無傷で輸送作戦を成功させた。
坊ノ岬沖海戦(大和水上特攻作戦)においては、参加艦艇10隻中6隻が撃沈、2隻が中・大破という惨状の中、あの幸運艦・雪風とともに多数の生存者を救助、ほぼ無傷で生還している。この海戦は、あの雪風ですら不発弾ながら1発被弾し、戦死3名戦傷15名の被害を出しているが、初霜に至っては損害を被弾0、至近弾による戦傷2名にとどめている。また、戦闘の影響で大和の通信設備が破損したため、初霜に通信代行の依頼があったという。初霜はこれを受諾、米軍の攻撃は苛烈、激烈を極めたが、大和に寄り添い送られる手旗・発光信号を各艦に伝達し続けた。
速力の劣る初春型でありながら、歴戦を生き抜いた乗員たちの技量の高さもあってこの激戦をほぼ無傷で切り抜けたのである。なお、栄華を誇った第二水雷戦隊の解隊式も初霜の艦上で行われている(所属していたのは第一水雷戦隊のはずなのだが、その一水戦はレイテ沖海戦後の艦隊再編時に解隊され、旧一水戦・第十戦隊各艦は二水戦に集約されていたためである。初霜の二水戦編入もこの措置による)。
生還後は朝霜座乗の21駆司令が朝霜乗員ともども総員戦没のため、雪風のみとなっていた17駆に編入され、本土決戦に備えて防衛任務(舞鶴鎮守府部隊指揮下、峯山海軍航空隊教導艦任務)に付く。しかし、停泊港であった宮津港が空襲を受けた際、沖に出て回避しようと雪風ともに出港した所、機雷に触雷し、船体の竜骨に深刻なダメージを受けてしまった。
これがどれだけマズいことかは某海賊マンガの某イングメリー号のことを考えればわかるだろう(木造船とは話が違うので、那珂ちゃんのように竜骨を取り換えた例も存在する。しかし、大戦末期にはそんな余裕などはない)。
浸水により艦は徐々に沈み始めた為、艦長による「沈没させるよりは」との判断から強引に浅瀬に座礁させ、沈没は免れた。時に1945年7月30日。もうあと残り2週間で終戦というところで駆逐艦初霜は力尽きたのである。
多数の激戦をくぐり抜けながら、大きな被害・戦死者の無かった初霜は乗組員の練度が非常に高く、隊伍を組んだ雪風の乗員からも賞賛を受けている。
座礁した船体は戦後に解体されたが、東京都墨田区の山田記念病院には、初霜の錨が現存している。これは、病院の創設者が初霜の軍医を務めていた縁で、解体後に引き取ったことに由来する。
なお、彼女の戦歴はとかく坊ノ岬沖海戦ばかりが注目されがちであるが、その二水戦に組み込まれるまでは第五艦隊隷下の第一水雷戦隊の所属でありなんと戦時中在籍最長であり、霞と並ぶ一水戦の代表、阿武隈の部下代表と呼べる子である。
そして『艦これ』では
上記の戦歴にもかかわらず、『艦これ』では浜風や磯風とは異なり、1-1でも普通に入手できるコモン駆逐艦にすぎず、霞や潮と異なり、能力も尖ったものでは無かった。掴みにくい性格のせいかアンソロジーや二次創作でも扱いは少なく、同じ絵師繋がりである第六駆逐隊と比べても不遇な扱いに甘んじていた。とは言え、島風と第六駆逐隊は、駆逐艦の役回りが必要な際に選ばれることが多く、『吹雪、頑張ります!』においては阿武隈の部下や北方の駆逐艦という枠でたびたび登場している。
歴史好きのコアなファンが静かに語る程度、の時期が長らく続いたが、時雨や潮、姉艦である初春の改二実装などで次第に「次に改二が実装されそうな歴戦の武勲艦」としての初霜の認知も大きくなっていった。
そして・・・
その悲願が漸く実ったのか、2015年1月23日、満を持して改ニが実装。艦隊を敵艦載機から守る高い対空値に加え、あの時雨さえも凌駕する運初期値53と言った高水準のステータスとなっている。詳しくは該当記事で。
また、彼女は『艦これ』生存組として扱われることも多い。というのも、終戦2週間前で力尽きたものの、沈没した訳ではなく乗組員も一部を除いて生存していため、瀕死状態で終戦を迎えた、という見方が大勢を占めるからだろうか。「船の帰る場所は水底ではなく港、陸である」、そんな考え方をする艦娘が誰かと言われたら、彼女かもしれない。甲板の沈没の度合いの関係で沈没判定こそ出ていたようだが、装備を用いて対空戦闘などは行われていたようだ(ただし、欧米諸国では大破着床や座礁状態でも撃沈として扱われる)。
関連イラスト発見です!
改二
提督に関連タグがあるみたい。
ゆきしも やはつしも わかしも すみしも :カップリングタグ
第二一駆逐隊-彼女がずっと所属していた駆逐隊であり、初霜以外が全滅した後に霞と朝霜が編入されている。
第十七駆逐隊-最後に所属した駆逐隊。特に作戦行動には出ていない。
第一水雷戦隊-彼女は当戦隊の在籍日数最長の艦艇である。
ケッコンカッコカリ
キャラクター性が掴みにくいのか、彼女のファン、もしくは僚艦のファンでもない限り彼女を描くということはあまりされないが、ケッコンカッコカリによって彼女と他のキャラクターの一線を画する要素が見られる。 以下ネタバレ
まさかのケッコンオコトワリである。
シスコン勢とは異なり、そもそも「恋愛には興味がない」と言い切るという特殊中の特殊。
かと言って、自己犠牲的に戦いに身を投じて女としての幸せなどを遠ざけているというものでは決してなく、ハナから恋愛に興味がなく、今の仕事、軍人としての自分に自信と誇りを持っている硬派なタイプである。(どことなく、指輪に対してズレたことを言うバトルジャンキーな上司や、親子のような関係を仄めかす上司を彷彿とさせる)
しかしながらオコトワリのセリフの後に「それでも待ってくれるの?」という続きがあるので、主に彼女と親密になりたい提督諸氏から オコトワリではなく、むしろオアズケ、ホリュウだろうという声もある。
なお、これは勘違いされがちであるが、吹雪の時報セリフのように「平和になったら」という未来に思いを馳せる口ではなく、単に彼女の心境の変化の話である。というのも、時報において「今という時間、本当に大切な、大切な時間ですね」と言っていることから読み取れるように、かつて戦った(そして散っていった)仲間達と共に戦い続けることが出来るような今を尊ぶスタンスなのである。
とまぁ、此度のプロポーズはあえなく断られてしまうのである。とはいえ、一応指輪は(システム上)受け取ってもらえる上、改二ではケッコン後に母港ボイスが解禁される。ケッコン後母港ボイスは(おそらくとある風評被害について)含みのある言い方で「提督は判ってくれますよね?それで充分です」というものである。ケッコン前においては基本的に提督の人格に触れることがなく、「装備改修に対して感謝を述べる」「彼女の心境を語る」などにとどまっていたが、このセリフにおいて初めて提督の内面からのアクションを求めており、ケッコンこそ断られているが、関係は確実に深まっている。
といったように、恋仲などではなく、相棒のような関係に落ち着くものである。霞や曙の強めのツンのように、初期勢だから許された硬派ぶりであるが、数居る艦娘の中でこのような子が一人くらい居ても良いのではなかろうか。