演:佐久間雅子
概説
15話『罠の始まり』に初登場。
美杉義彦が出張中に依頼した家政婦の女性。
太一が高熱を出して倒れた際、手際の良い看病で太一を快復させたのが最初の登場だった。
城北大学出身で、元ソフトボール部だったという。
美人に弱い翔一や太一が見惚れるかなりの美女であり、亜紀自身も何かと二人にかいがいしく世話を焼いてくれる。
そのため真魚からはやっかみもあって、あまり印象が良くない。
亜紀も特に翔一に対して積極的にコミュニケーションを図っており、気のある素振りを何度か見せている。
一方で真魚の「女の勘」も決して外れているわけではなく、盗塁でリードをすると反則になるソフトボールのルールを失念していたり、ジャッカルロードに襲撃されたり、突然に翔一に向かって「あなたの恋人だった」と言って自分のアパートでの同棲を申し出たり、裏で何者かと密通していたりと、きな臭い言動が回を増すごとに増えていった。
※ネタバレ注意
「私もどう生きていけばいいか分からないの。あかつき号で事件に遭ってから」
正体はあかつき号事件の生存者の一人であり、生存者グループのメンバー。
かつては看護師を夢見て上京してきたが、夢破れた帰路にあかつき号に乗り合わせてしまい、事件に巻き込まれてしまった。
ジャッカルロードに襲われたのも、当人にある素質が眠っていたからに外ならない。
グループのリーダーの指示で翔一がアギトであるかを探り、さらにそれが本当ならばさらに接近して取り入るよう指示されていた。
一方で、あかつき号事件で素質に目覚めて以降、他人とは違う自分を受け入れることが出来ない苦悩を抱えており、強か外面とは裏腹に自分以外の「別の何かにすがろう」とする弱さも隠している。
15話で父親の形見の手帳に書かれた人物を追う葦原涼と出会い、ギルスに覚醒したためにすべてを失った涼の孤独に共感し、徐々に涼に惹かれていく。
しかし警視庁の北條透が立案した「アギト捕獲作戦」でギルスが機動隊の一斉射撃で倒れたのを見て、涼が死亡したものと誤認。
再び美杉家で翔一について回るが、18話で翔一にアパートの鍵を預けて忽然と姿を消してしまう。
そして20話で生存者グループのアジトに移っていたことが判明。
メンバーの持ってきた資料をテレキネシスで手元に引き寄せられるほどの力を発揮した。
仲間の一人の相良は亜紀がアギト(=翔一)に接触したことで、亜紀に眠っていた力が短期間で覚醒したのではないかと推測していた。
その後エレベーターで沢木哲也と接触し、ある存在から力の一部を譲渡された哲也によってさらなる力を覚醒させ、強力なサイコキネシスを操れるまでに急成長する。
その力でアギト捕獲作戦に参加した機動隊員を次々と襲い、涼のために復讐を開始する。
しかし生きていた涼と再び出会い、「二人で一緒に生きていこう」と説得されるも、能力を得た高揚感と一度火の点いた憎悪を止めることが出来なくなり、執拗に北條透を狙い始める。
その最中、ジャガーロード・パンテラス・ルベオーとクイーンジャガーロード・パンテラス・マギストラの襲撃を受け、能力を利用して逃走。途中ルベオーに追いつかれて涼に逃がしてもらうも、最期は街路樹の陰に潜んでいたクイーンジャガーロードに首の骨を砕かれて命を落としてしまった。
この悲劇が、直後にアギトvsギルスという対決を生み、さらにそこからG3ユニットの介入を加えてアギト・G3vsギルスに発展。G3に至ってはギルスの猛攻でシステムが大破し、G3-Xの開発に至るばかりか、G3-XシステムvsV-1システムという因縁まで発展する。
ここから3大ライダーによる物語が本格的に動き始めたことを見ても、亜紀の死がストーリーのターニングポイントとして大きな役割を果たしていることが分かる。
余談
登場時は白をベースとした清楚な雰囲気のファッションを好んでいたが、20話で覚醒した後は黒いドレスに身を包んでいる。
さながら「弱い自分を偽って立ち回る不安定な女性」から、「復讐心という闇に身をやつした魔女」への変化を表現しているように見える。
なお上述の通り、平成ライダーで何気に「(首が折れる音)」ネタを早期から(おそらくほぼ最初に)受けた重要人物だったりする。
ちなみに翌22話ではモブ刑事がビーロードに首を折られて殉職している。
小説版では彼女が元ネタと思われる小林雪紀というキャラクターが登場しており、一部の人物像、作中での行動が共通している。