曖昧さ回避
当項目では2について説明する。
概要(原作コミック)
ウルトロンによって作られたシンセゾイド(Synthezoid / アンドロイドよりも人に近く人格を持つ人造人間)。
元々はアベンジャーズを罠に陥れるため、作られた存在。製作者は、戦前に誕生した人造人間のヒーローである「オリジナル・ヒューマントーチ(ファンタスティックフォーのメンバーとは別人)」を製作した、フィニアス・ホートン博士。
当初はヒューマントーチが改造されたものと思われていたが、実はヒューマントーチのスペアパーツを用いて製造されたもの。しかし、人造人間であるにもかかわらず、自己犠牲の精神と優しい心を持っていたため、やがて創造主のウルトロンを裏切ってアベンジャーズに加入する。
人間を超える身体能力や飛行能力に加え、分子の密度を自由に変えられる特殊なボディを持ち、透明になったり物体をすり抜けたりといった事も可能。また額のソーラー・ジュエルからは超高温の熱線を発射できる。
スカーレット・ウィッチとは、機械と人間の壁を越えて結婚していたが、彼女の能力の暴走により死亡してしまった事も。
(※現在はちゃんと(?)復活した。それどころか、最近出た個人誌の中では自分の分身を作って疑似家族とし、ワシントンD.C.郊外の住宅地に引っ越してきた。)
また、実は『ヴィジョン』という名前のMARVELヒーローとしては彼は2代目。
『初代(?)ヴィジョン』(本名:アーカス)はスモーク・ワールドという異次元からやって来た警察官で、戦中にキャプテン・アメリカやネイモア・ザ・サブマリナーと共にナチスと戦ったゴールデン・エイジのヒーロー。
(シンセゾイドの)ヴィジョンの初登場時、本当は(異次元人の)ヴィジョンがアベンジャーズに参加する予定だったが、かのスタン・リー御大が『アンドロイドのヒーローを出したい』と要望した為、折衷案として『(初代の)ヴィジョンと同じ名前・似たような能力を持つアンドロイド』……すなわち、皆様ご存知のシンセゾイドのヴィジョンが誕生したのである。
なお、初代のヴィジョンは存在を抹消されることなく、現在もMARVELユニバースで活躍している。
映画(MCU)版
原作コミック版からは一部設定がアレンジされている。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
MCUにおける初登場作。
ウルトロンが自分の新たな肉体用として密かに作らせていた人工生体ボディに、ある人物?(ネタバレ注意)のデータをインストールすることで誕生した。
ウルトロンが「自分の理想(ヴィジョン)」とまで呼ぶビブラニウムを分子レベルで練り込んだ究極のボディに加え、6つ揃えれば宇宙をも支配可能な力を秘めたインフィニティ・ストーンの一つ「マインド・ストーン」を額に埋め込んでその力の源としており、その能力はアベンジャーズの中でも最強クラス。また人格の元が元だけに心に「邪念」が一切なく、ソー以外には持ち上げられないはずのムジョルニアもすんなりと持っていた。
ウルトロンとの最終決戦シーンでも、彼を圧倒するほどの活躍を見せている。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
顔(肉体)は赤紫色のシンセゾイドのままだが、普通の服を着てアベンジャーズ施設で暮らしている。
トニー・スタークの依頼を受け、ワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)の守護(および監視)を請け負う。原作コミック同様、彼女との間で恋が生まれる兆しが現れているが、やがてソコヴィア協定に反してキャプテンの側に付き戦おうとする彼女を制止すべく、その前に立ちはだかる。
前作での強さはここでも健在で、劇中のクライマックスシーンの一つである空港での戦いでもその実力を存分に発揮している。
だが、スティーブとバッキーを乗せたクインジェットを追うローディを更に追うファルコンを狙ってビームを放つも、すんでのところでファルコンが躱したため、ローディのリアクター(動力源)に当たってしまう。
アーマーが機能不全に陥ったローディは地面に墜落。半身不随となってしまった。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
肉体を変化させ、通常の人間の姿に変身できる能力を発揮できるようになった。
ソコヴィア協定に違反してラフト刑務所に収監されるもスティーブによって脱獄させられたワンダと合流、ともに逃亡生活を送っていた。関係性は更に発展し、恋人関係となっている。
が、彼の額のマインド・ストーンを狙うサノスにより刺客(コーヴァス・グレイヴとプロキシマ・ミッドナイト)が仕向けられる。
ビブラニウム製の肉体すら易々と切り裂く彼等の攻撃の前に、深手を負うと共に「サノスには絶対に勝てない」事を悟った彼は、サノスの手に渡る前に(自分の命と引き換えに)マインド・ストーンを破壊することをキャプテン達に進言。しかしキャップはあくまで彼の命を守るため、高度な科学技術を持つワカンダにてストーンの摘出手術を行うことを決断する。
手術の終了間際、プロキシマ等率いるサノスの軍勢がワカンダに襲来。大混戦の最中、自らも手術の途中で無理を押して応戦し、大幅に能力を削がれた状態ながら辛くもコーヴァスを撃退する。
だがその直後、他のすべてのストーンを手中に収めたサノスが出現。彼にマインド・ストーンを奪われる前にワンダを必死に説得、ついに彼女の手で自身もろともそれを破壊させる。
しかしこの時、サノスは既に、時間操作を可能とする「タイム・ストーン」を入手していたのだった……。
ここから先は『インフィニティ・ウォー』終盤のネタバレが含まれます
サノスはタイムストーンによって、ワンダがマインドストーンを破壊する前まで時間を巻き戻す。
そしてワンダを昏倒させ、ヴィジョンの額から無理やりマインドストーンを抉り取った。
ヴィジョンは生命活動を停止、肉体から色が消え失せてしまった。
ワンダヴィジョン
主役の一人として登場。
『IW』で死したはずのヴィジョンが、ワンダとともに、新婚夫婦としてニュージャージー州のウェストビューという街で新生活を始める。
だが、その景色や見え方は、往年のシットコムのよう。
一般人として商社に勤め、良き夫として振る舞っているが、自分がどこから来たのか、そもそも会社は何の業種なのかわからないといった謎もある。
実は、本作のヴィジョンは、ワンダが能力を使って作り出した偽物である。
そのため、ウェストビューに来る以前の記憶はなく、ただ自身がシンセゾイドであり、ワンダと夫婦であるという「知識」と「人格」があるだけ。
そのため、ワンダが作り出した結界「ヘックス」が消えたり、ヘックスの外へ出ると消滅してしまう。
本物のヴィジョンは『IW』で死んだままであり、そのボディはS.W.O.R.D.(知覚兵器観察対応局)に保管されている。
長官のヘイワードはその遺体を使って、「ホワイトヴィジョン」という戦闘用シンセゾイドを作り出した。
終盤ではヴィジョンとホワイトヴィジョンの戦いが繰り広げられたが、「テセウスの船」を引用し、お互いが「真なるヴィジョン(肉体、記憶、人格、能力を兼ね備えた生前のヴィジョン)」ではないという結論に至り、ホワイトヴィジョンはいずこかへ去っていった。
そしてワンダが作り出したヴィジョンは、黒幕であるアガサ・ハークネスを倒したのち、ワンダがヘックスを消すとともに消滅した。
最後の瞬間まで、ワンダのそばにいながら。
関連イラスト
余談
アン・リー版ハルクのベティ・ロス役のジェニファー・コネリーは、ヴィジョン役のポール・ベタニーの奥方であり、『スパイダーマン:ホームカミング』にてAIのカレンの声を担当している。
関連タグ
デッドプール:中の人(吹替)&MARVELヒーロー繋がり。