カウンターシールド
かうんたーしーるど
概要と誕生経緯
攻撃技を回転しながら発射し、自身の周囲を包む攻防一体の戦法。
元々はメリッサのポケモンの「さいみんじゅつ」対策としてサトシが開発したもの。DP95話のヒカリが出場していたポケモンコンテストで、決勝相手ユリのポケモンにメロメロを受けたエテボースが、偶然ダブルアタックを繰り出したことがヒントとなった。最終的に、防御だけでなく攻撃にも用いられるようになった。全方位で放たれる技が、高機動のポケモンの動きを止める罠にもなるというわけである。
攻撃技を防御に転用するのはサトシの十八番だったので、わざわざ一つの戦法として確立する意味があるのかとタケシに問われた事もあるが、メリッサのゴーストポケモンが使う催眠術はゴーストポケモン「らしい」独特な動きで催眠術を使って来るので、タイミングが読めなかった。そこで、「タイミングを読む必要がない」このカウンターシールドが生み出されたのである。
主にDP編で見られた戦法だがその影響は大きく、(「カウンターシールド」という名称こそ出ていないものの)BW編以降もヒカリやタケシ、サトシらがこの戦法を使用している。
ポケモンWCSのシロナ戦では、サトシのピカチュウがミカルゲに対して、10年ぶりにこの名称を口にして使用。シロナもこの戦術を覚えている様子だった。
弱点
このように書くと万能の戦術に聞こえるが、当然弱点も幾つか存在する。具体的には…。
- 回転できるポケモン・技である必要がある。
「攻撃技を回転しながら発射する」戦法上、カウンターシールドを使うにはポケモンの体を回転させられるか、あるいは技を自在に操れるか出来ることが大前提となる。ドダイトスなどは鈍重で技を拡散させる術もないので、そもそも無理であった。
また、軸となるポケモン自身はその場で回転し続けなければならない問題が最も大きい。ポケモン自身は回転しているせいで前後不覚になり、回転の勢いのせいで何か別の行動を取るには急制動をかけなければならず、咄嗟に回避することも出来ない。
- 真上と真下が死角になっている。
この戦法はいわば台風のようなものなので、台風の目である上と真下は死角になっている。空中戦が可能なポケモンや穴を掘る等の攻撃で、真上や地面スレスレから襲撃されると防ぎようが無い。
シンジのトリトドンは、首をグネグネ動かして技を回転させているので、地面スレスレの範囲には技が届かなったがこれは、「使用中に死角から攻撃されるとあっさり突破される」という弱点を利用した罠でもある。対戦相手が地面スレスレの死角を突いて攻撃してくるのを見越して待ち構えており、
いざ攻撃してくれば跳躍による回避やのしかかりに繋げる、カウンターシールドを昇華させた完成形の一つであるといえる。
- 長時間の発動には向かない。
更に、カウンターシールドはいわば常時全方位で技を使っている状態なので、当然時間経過と共に技の威力が落ちてしまう。前述で「罠にもなる」と書いたが、罠になるのは発動した直後くらいのもので、暫く経てば、突破も可能の低出力の技を無防備な姿で垂れ流すだけのブレイクダンスでしかなくなる。
サトシはメリッサとのジムバトル中にこの弱点を見破られた上、メリッサは「ポケモンが出した技を『サイコキネシス』で強化することで持続力を大きく向上させる」という強化戦法を一瞬で編み出している。