「時は来たれり!新帝国ギアの総統、ドクターマンこそが、世界一の科学者であることを教えてやるのだ!」
「秀一!冷静になれ。人間の歴史は、こういうことの繰り返しだ。勝った者が新しい歴史を創る。優れた者が生き残る。この世はただ1人の天才がいれば充分だ。そして、その天才1人が治めればよい!秀一!私とお前とで、新しい科学の時代を創るのだ!」
概要
たった一人で新帝国ギアを結成した狂気の天才科学者。
「メカこそ優秀。メカこそ絶対。メカこそ永遠」と考えており、巨大ロボットメカジャイガンや幹部、果ては戦闘員に至るまで彼が作ったギア構成員の全てがロボットであり、人間は彼一人のみ。メカ人間達からは「フォア・ザ・マン」「オブ・ザ・マン」「バイ・ザ・マン」と尊称を連呼されている。手に持っている指揮棒から失敗した幹部に制裁を加えるためのサイコビームを発射し、全身からは衝撃波を放つ。
その正体はロボット工学者の蔭山秀夫(かげやまひでお)博士。コンピューター研究の一環で脳細胞を人為的に発達させる実験を自らの身体で行った結果、コンピューター以上の知能を獲得したが、それと同時に「機械が人間を支配するべき」という考えを持つに至り、ギアを創設した。実験の副作用で実年齢よりも肉体の老化が進んでしまったが、肉体をサイボーグにすることで対応。中盤に息子の秀一との決別を機に再び肉体の改造を施し、今度は脳までも改造した。
「機械に感情は不要」という持論を持っているが、完全に感情を捨て去ったわけではなくモンスターやジュウオウ等喜怒哀楽のある人工知能を搭載しており、家族がらみの事となると感情的になる一面もある。本人にもその自覚はあり、脳改造を施した時には感情を低減する措置を行い、より機械的かつ冷酷な思考となった。
終盤ではファラキャット以外の構成員が戦死したため、専用ネオメカジャイガンのキングメガスでバイオマンとの最終決戦に挑み、圧倒するもピーボと合体したバイオロボによって形勢逆転。スーパーメーザー・バイオ粒子斬りでキングメガスを破壊され、自身も重傷を負う。しかし彼は、キングメガスの破壊と共に居城であるネオグラードにある反バイオ粒子爆弾が起爆する仕掛けを施しており、去り際にバイオマンにもその事実を伝えた。
ネオグラードに戻ったドクターマンは潜入していた秀一と追ってきたバイオマンと対峙するも、自分の体に指一本触れたら爆弾が起爆すると脅しをかける。家族写真を持った秀一の説得で徐々に人間らしさを取り戻し苦しみ始めるも、秀一の説得も「今際の際に人間の心を示してくれ」というレッドワンの懇願をも振り切り、反バイオ粒子爆弾の爆発前に自爆して果てた(反バイオ爆弾はすんでのところでブルースリーに停止された)。
「私は・・・地球で・・・最初にして、最後の、メカ人間だ!・・・現代科学の、最先端に到達した、最高の科学者・・・ッ!偉大なるドクターマン!!!!」
人間の情を示さず、「メカ人間」として散った彼だが、秀一は「爆弾の場所を示したのは人間の心が残っていたからではないか」と推察するのであった・・・。
彼の死と反バイオ粒子爆弾の停止によってギアは完全に壊滅し、主を失ったネオグラードは南極の雪に静かに埋もれていった……。
余談
昭和戦隊(というよりスーパー戦隊シリーズ)に登場する悪の組織では初となる(元)人間の首領である。
演じた幸田宗丸氏は9年後の『五星戦隊ダイレンジャー』にて、同じく敵組織の首領であるゴーマ十五世役を担当した。
こちらは黒幕の傀儡で、ドクターマンとは色々な点で逆なキャラクターである。
さらに蔭山秀夫を演じた土師孝也氏も28年後の『特命戦隊ゴーバスターズVSゴーカイジャー』にて、ドクターマンと同じく敵組織の首領となったバッカス・ギルの声優として再びスーパー戦隊シリーズを担当した。
関連タグ
大教授ビアス、Dr.ヒネラー、リュウオーン、理央、10サイのロボゴーグ、牙鬼幻月:歴代スーパー戦隊における元人間の首領達。何人かは哀しき悪役という共通点もある
メギド王子/ファイヤースフィンクス←ドクターマン/キングメガス→星王バズー