「私は封印の眠りの中で悟ったんだ。戦いは戦いしか生まぬ。もう誰も傷つけたくはない…」
「確かに、暴魔百族は今まで殺戮に明け暮れてきた。だが、今私が求めているのは、平安だけだ。私はもう見たくないのだ。炎魔の……弟の傷つく姿を。戦いを求める限り、いつか炎魔は死ぬことになる。私には分かるのだ…」
CV:新井一典
概要
その名の通り身体中が氷のプロテクターに覆われた姿をしている。
岩殿山の安楽寺に2万年間封印されている間に争いの虚しさを悟るが、戦いで瀕死の重傷を負ってしまった弟を救うために合体し、ゴクアクボーマとなってしまう。
上記の合体の他、兄弟揃って人間を樹木に変える能力を持っている様だが劇中では披露していない。また、氷の怪人らしいが肝心の氷属性の技も劇中では見せていない。その気になれば繰り出せるかも知れないが、真実は闇の中。
活躍
ゴクアクボーマの力を期待した姫暴魔ジャーミンの手で封印を解かれると、弟がカップルの女性を樹木に変えたのに対して自身は男性を樹木に変えるのを拒否。
そして上記上段の台詞を始めとした言葉の数々をジャーミンに対して並べ立て、ゴクアクボーマへの合体も拒んだため、炎魔からも絶縁されてしまう。
花園町で人々を樹木にして暴れ回る炎魔とターボレンジャーが交戦すると、間に入って「止めるんだ、炎魔!目を覚ませ!」と訴え掛け、逃げる炎魔を追う。
その後、海岸でターボレンジャーに上記下段の台詞を述べて自分に戦う意志が無く、平安だけを求めていることを伝えると、弟を亡くした俊介から共感され、炎魔を止めるための協力を得る。
再び街で人々を樹木に変える弟の前に「それ以上やるならこの私が相手だ!」と叫んで立ち塞がると、炎魔は逆上して襲い掛かる。やがて、俊介がその場に駆けつけると、「やめてくれ!兄弟で争うなんて!お前には分からないのか!? 氷魔の気持ちが!」と叫んで炎魔に訴え掛ける。
だが、炎魔は「戦いを恐れる兄貴など、最早兄弟ではない!」と聞く耳を持たない。
「違う!氷魔はお前が傷つくのを見たくないんだ!お前のことだけを考えているんだ!」と返す俊介だったが、そこへジャーミンが現れ、炎魔に俊介を殺させようとする。
一瞬立ち止まるも、直前に「兄弟以上の絆を結ぼう」と言うジャーミンとの友情の誓いを思い出した炎魔は、俊介に襲い掛かって打ち倒してしまう。
だが、その直後にジャーミンは炎魔をムチで縛り付けて人質にすると、氷魔に弟と共にゴクアクボーマになるように脅迫。
其処へバトンらしき投擲物をジャーミンに投げつけ、残りのターボレンジャーが駆けつける。
先程の奇襲で炎魔の拘束を解いてしまったジャーミンがウーラー兵を読んで4人と交戦する中、氷魔は俊介と共に炎魔に駆け寄る。
弟を傷付けられた怒りから、「おのれ、ジャーミン…!弟をよくも!貴様だけは許さん!」と叫んでジャーミンに立ち向かう氷魔だったが相手は手強く、次第に追い詰められて行く。
その時、俊介の言葉を思い出すと同時に兄の気持ちを理解した炎魔がジャーミンの攻撃から氷魔を庇い、瀕死の重傷を負ってしまう。
「許してくれ、兄貴…馬鹿な俺を」と謝罪する炎魔だったが、その命は最早風前の灯火。救うためにはジャーミンの思惑通り、ゴクアクボーマと合体するしかない。
「兄貴、合体するな…!俺は死んだっていいんだ…!」と合体を拒む炎魔だったが、弟を想う余り氷魔は遂に合体を決意してしまう。
「死なせはせん!例え再びこの身が魔界に堕ちても…!」
「よせ!止めるんだ!氷魔!炎魔!」と叫ぶ俊介の制止も虚しく、氷魔は炎魔と合体してゴクアクボーマとなってしまった……。
ゴクアクボーマになってからの活躍は当該記事を参照。
余談
モチーフは氷。
OPには「愛を知らない哀しい暴魔」と言う歌詞が有るが、氷魔と炎魔の兄弟は兄弟愛を知っていた稀有な暴魔獣であった。
氷魔の声を演じた新井氏は今作がスーパー戦隊シリーズ初出演となり、後の第44話でもヨロイボーマの声も兼任している。
関連タグ
高速戦隊ターボレンジャー 暴魔百族 暴魔獣 氷属性 善玉怪人
炎魔(ターボレンジャー):弟。
シュテンドウジ(兄)/ヒトツメコゾウ(兄)、バラカクタス-1、YYビンゴ、アンコウネジレ、トルバドー、闇丸(ギンガマン)、臨獣スネーク拳ブラコ、テーブルシャドー、アニダラ・マキシモフ:平成のシリーズにおける兄怪人の兄の方。
フリーザー邪面:令和初のシリーズに登場する氷属性の怪人で、炎属性の兄弟がいる点も共通。ただし、こちらは弟である上に兄との兄弟仲も険悪と、氷魔とはまるで対称的である。
ブリザラー:『電光超人グリッドマン』に登場する兄弟怪獣の兄。
三星龍:『ドラゴンボールGT』に登場する邪悪龍で炎属性の弟がいる点も共通だが、氷魔とは違って悪逆非道を絵に描いたような性格である。