オルタナ
おるたな
オルタナティブを略した言葉。
- 音楽『オルタナティブ・ロック』の略。本項で解説。
- スプラトゥーン3でのヒーローモードの舞台。こちらも本項で解説。
- オルタナティブガールズに登場する夜獣(ナイトビースト)と戦う使命を負った10代の少女たちの総称。
オルタナティブ・ロック
非商業的・アンダーグラウンド的ロック音楽の一種である「オルタナティブ・ロック」の略。
「オルタナティブ(alternative)」を頭に付け始めた1970年代末~1980年代初頭「主流の音楽は収益性が第一で、芸術としての意味合いが薄い」ととらえ、商業主義に染まった既存のロックに包括されない、特定の音楽的傾向のないロックが生み出されたとされている。
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オルタナ(スプラトゥーン3)
概要
『スプラトゥーン3』のヒーローモード『Return of the Mammalians』の舞台となる地。謎の巨大な地下空間であり、同作の主な舞台となるバンカラ地方から外れた地にある謎のクレーターの地下に広がっている。
空洞の壁面には液晶が塗布されており、これが空を模して発光することで、地下なのに空が広がっているかのような景色が広がる。
一面には海から流れ込んだ海水が溜まっており、その上に「サイト」と呼ばれる6つの浮島と、地下空間の中央に巨大なロケット発射台が鎮座している。
また、サイトの上には何らかの建物や施設、動かなくなった車両など、何らかの文明の残骸が散在している。
また、パンゲア超大陸らしきシルエットの描かれたマークや、イカ語に似た未知の言語(オルタナ語?)があちこちに記されている。
(2号によると「読めそうで読めない」らしい)
辺り一面はナゾの物質・ケバインクによって汚染されている。
ヒーローモード主人公の新3号は、クレーターの底にてタコ軍団首領のDJタコワサ将軍と交戦した後、クレーターの底が崩落したことで落下、クレーターの下に広がるオルタナへとやって来た。
また、同じくオルタナにやって来たすりみ連合曰く、オルタナには「オタカラ」があるという。
サイト1 みらいユートピアランド
クレーターから落下してきた新3号とコジャケが、オルタナで最初に訪れたサイト。
新3号が属することになったNew!カラストンビ部隊の1号や2号、司令ともここで出会い、部隊の拠点であるシオカラキャンプもこの地に建てられている。
地面は雪が積もっているのか白一色だが、2号曰く「地下なのに日差しが強いとは これイカに…」「ココ寒くないんよね~…あったかい服おろしたのに」という台詞があるので、雪かどうかは不明。
また、周囲には何処かで見た事のあるような建造物やモニュメントも見られるが…?
流れるBGMは『Sandcastles』。
サイト2 あんしんライフファクトリー
オルタナの工業を支えていたと思われるサイト。製油所のような施設をはじめ、石油の蒸留装置のような物体やタンク、パイプなどが点在している。
高低差が大きく、各所に設置されたインクレールを使って移動することになる。
青く光るオタカラ「輝く器」があり、■■■がボスとして立ちはだかる。
流れるBGMは『Sudden Depth』。
サイト3 ながいきヤングニュータウン
オルタナの住民用居住区だったと思われるサイト。仮設住宅のような小さな建物が点在し、上を数本の電線が走っている。
他のサイトと違って陸地が氷で出来ており、地面の多くが氷になっている。氷の地面はインクを塗ることが出来ず、上を移動するとツルツル滑ってしまう。
上に乗るとプレイヤーを飛ばすダッシュ板が各所に設置されており、これを使って移動する。
流れるBGMは『Two Shadows in the Sun』。
サイト4 うめたてドリームランド
オルタナの物流を支えていたと思われるサイト。港湾のような岸壁があり、各所に貨物コンテナが積み上げられている。
岸壁には1隻の大きな潜水艦が放置された状態で停泊しており、岸壁からボーディングブリッジ(タラップ)を伝って上甲板の上に行くことはできるが、艦内には入れない。
各所に設置されたピロピロやヌリホイールを使って移動する。
黄色く光るオタカラ「気高き刃」があり、■■■がボスとして立ちはだかる。
流れるBGMは『Dead Sea』。
名前の元ネタは現実世界の東京都江東区にある人工島「夢の島」だろうか。
サイト5 あすなろグリーンヒルズ
オルタナの食料生産を支えていたと思われるサイト。植物工場らしき施設があり、2号の嫌いなトマトが実っている。
付近の水上には風力発電用らしき風車がいくつか建っていることから、電力供給も担っているのかもしれない。
サイト内は段差が多く、各所に設置されたカンケツセンを使って移動する。
流れるBGMは『Whirlpool Tune』。
サイト6 しあわせリサーチラボ
いくつものビルが建っているサイト。陸地は沈んだのか存在せず、全てのビルの下半分が水に浸かっている。これを見た1号も「ビルが半身浴してるー!」と驚いている。
沈んだビル群が群島のようになっており、各ビルの屋上をライドレールを伝って移動する。
各ビルの屋内にはサーバーらしき装置が置かれていることから、恐らくはオルタナ内におけるデータセンター的な役割を担っていたのだろう。電力が通っているらしく、どのサーバーも点滅しており、稼働しているのかもしれない。
赤く光るオタカラ「強い心」があり、■■■■■がボスとして立ちはだかる。
流れるBGMは『Hyper Diver』。
オルタナの正体
※以下、スプラトゥーン3のヒーローモードのネタバレ注意。
ヒーローモードを進めることで解析されていくアーカイブ資料「オルタナログ」に、オルタナの正体が記述されている。
オルタナの正体は、本編の約1万2000年前、災害や戦争で滅亡寸前にあった人類が最後に築いた地下シェルターである。
1万2000年前、人類の技術発展は繁栄をもたらすだけに飽き足らず、全世界を巻き込む戦争へと発展。戦争は長期化し、地上生物の多くが滅亡。さらに火山噴火や海面上昇などの天変地異が重なったことで地上は汚染され、何物も生存できない環境となったことで大量絶滅が起きてしまった。
そのような状況で僅かに生き残った人類は、爆発的な噴火で出来た大空洞へと避難。
生存者らは過ちをくり返さぬべく聡明な科学者たちをリーダーとし、大空洞をシェルターへと整備。そしてこれまでの行いを悔い、もうひとつの地球を築くという意味で大空洞を「オルタナ」と命名したのである。
また、オルタナの底には海から海水が流れ込んでおり、そこにイカやタコ、クラゲなどの海洋生物が大量繁殖していたことで、生存者らは幸いなことにこれを栄養源として重宝した。
オルタナの建造過程ではかつての文明を再現すべく、3Dプリントなどの最新技術を用いて地上に存在した物の複製が作られている。
オルタナ内に存在するモアイ像や考える人の彫刻などは、全て3Dプリントなどで作られた複製である。作中には登場しないが、同作のアートブックに掲載されたコンセプトアートではエトワール凱旋門やルーヴル美術館の複製もオルタナ内に作られている様子がある。
また、オルタナの人類は知識や技術の喪失を防ぐため、強固な情報管理システムの構築に着手。オルタナで行われた活動を自動でアーカイブ化する自律思考型記録コンピューター"Intelligent Recording Computer of Alterna" 、通称「イルカ」を開発した。
運用を開始した「イルカ」はオルタナの管理だけでなく、オルタナ内の歴史を「オルタナログ」として記録し続け、本編となる1万2000年後にも稼働を続けている。
また、しばらく経ったころにオルタナの科学者の一人が、イカの体液から液晶を生成することに成功する。この液晶は、生物の発する微弱な電気信号に反応して色を変化させるもので、つまり見る者の脳波を解析し、望んだものを映し出す「夢の液晶」だったのである。
人類は量産した夢の液晶をオルタナの内壁に張りめぐらし、液晶はかつて人々が地上で目にしていた光景を映し出すことで、地下空間でありながら地上のように空を見えるようにした。地下に逃げてから四半世紀(=約25年)ぶりに人類は再び空を見れるようになったのである。
さらに長い年月が過ぎ、人類の数も少しずつ増えていった頃。
オルタナを支えていた科学者たちは老いによる限界を感じたことで、才能ある若者を教育し、自分たちの知識と技術を伝えることに注力。オルタナで生まれ育った市民の中から若い世代の科学者たちを生み出した。
しかし、人類の繁栄もここまでだった。
若き科学者たちは優秀で好奇心が強く、それ故に本物の空を望むようになった。彼らは汚染された地球を脱出して新天地を目指すロケットを建造に着手し、老科学者たちの反対を押し切ってロケットを完成させた。
だが、打ち上げの最終テスト中、ブースターの試運転により強力なエネルギーを浴びたオルタナ内壁の液晶が突如として暴走したのである。
このとき一部の内壁が崩落して居住区を直撃し、さらにライフラインが復旧不可能なレベルに破壊されたことで、人類はあっけなく絶滅したのだった。自律コンピュータの「イルカ」だけは人類滅亡後も稼働を続けていたが、こうしてオルタナからは「イルカ」を除いて誰も存在しなくなったのである。
このとき破壊されたライフラインは不明。
だが、自律コンピュータの「イルカ」がその後も稼働を続けられたことと、サイト6のビル内のサーバーが稼働していることから、人類滅亡後も電力供給は続いていたと考えられるので、少なくとも破壊されたのは電力ではないだろう。
また、居住区と思しきサイト3が氷の大地で出来ていることから、
・オルタナの人類はオルタナの海を凍らせてその上に居住区を設けていた。
・しかし、この海を凍らせる機能(=ロケット稼働時に破壊されたライフライン)が破壊されたことで居住区の大半が沈んだ。
――という考察もある。
いずれにせよライフラインを失った人類は、オルタナに逃げてからおそらく1世紀も保たずに滅亡したのだった。しかも滅亡の原因は争いでも何でもなく、「夢を目指したから」という、なんとも儚い理由だったのである。
だが、ここから新たな物語が始まる。
オルタナの内壁の崩落時、長きにわたって人類の思念を受け止め続けた大量の液晶が流れ出して海水と混ざり合い、それがオルタナの海に棲む海洋生物に少しずつ浸透していったのである。
液晶に焼き付けられた人類の地上に対する思念を受け止めた海洋生物たちは、やがて地上を目指したいという感情を抱くようになった。
感情は海洋生物たちに急速な進化をもたらし、進化した生物たちは地上を目指して上陸。やがてオルタナから地上へと脱出し、こうして地球は進化したイカやタコなどの海洋生物たちが支配する世界となったのである。
その後の1万2000年間、残された「イルカ」は海洋生物たちが地上へ進出し、地球を支配するまでの歴史を「オルタナログ」に記録し続けていた。だが、オルタナは誰にも認知されることなく、残された「イルカ」による管理のもとで放置されていた。
しかしある時、■■■がオルタナを発見し、ここを拠点に■■■の暗躍が始まったことで、本作のヒーローモードに繋がっていく。
なお、ファミ通によるインタビューやアートブックで公開された本作世界の地図は、我々の世界の関東近辺に酷似しており、それによるとオルタナは凡そ静岡県か山梨県の辺りにあることが分かる。
(見たい方は「スプラトゥーン3 地図」でググれば件のインタビュー記事と画像が出てくるので、それを参照されたし)
また、オルタナ自体が爆発的な噴火でできた大空洞を転用して作られたことや、アートブックで公開された絵コンテには、オルタナ上部のクレーターが「フジアナクレーター」と表記されていることから、「オルタナは日本人なら誰でも知っているあの山が大噴火した成れの果てではないか?」という考察がある。