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熊三号

30

じっけんたいくまさんごう

警告:この記事にはゲーム『スプラトゥーン3』ヒーローモードの重大なネタバレが含まれます。最低でもヒーローモードをクリアしてからの閲覧を強く推奨します。

この記事には『スプラトゥーン3』のヒーローモードの重大なネタバレを含みます。

ネタバレを避けたい方や未クリアの方は閲覧を控えることをお勧めします。

イカ、全てがネタバレです。

こうかいしませんね?

▶︎はい

 いいえ

概要

アタリメ「…? ヌッ、だれか きよる!」

???「気がついたようだね、アタリメ元司令」

アタリメ「むむっ! イカにもワシはアタリメじゃが…

     なんじゃ貴様は! 名を名乗れィ!」

???「はは、元気なおじいさんだ… いいね」

???「ワタシは… そう、クマサン」だよ

オルタナ3号ボスを2人撃退したとき、謎の人物がアタリメとの通信に割り込んでくる。

しかしその人物(?)はなんと「クマサン」と名乗った。

スプラトゥーン2』発売当初から、サーモンランのあまりの怪しさから何かしらを企んでいるのではないかと疑われてきたクマサン。ここでその疑いがほぼ確信に変わる。

道中

すりみ連合を全員撃破したNew!カラストンビ部隊の一行は、さらわれたアタリメを助けるべく、オルタナの中心にある「オルタナ宇宙センター」にカチコむことに。

本ステージはヒーローモードのラストダンジョンにあたるが、そのエリア間を移動するときにアタリメとクマサンの会話を聞くことができる。

クマサン「今は世界がバランスを失っているんだ」

「哺乳類と魚介類…

入れ替わってしまった者たちを

あるべきカタチに してあげなくてはね」

「そのためのケバインク

そしてそのための金イクラなんだ

みんな、本当によく働いてくれた

クマサンがクマサン商会を経営していた目的は「エネルギー資源となるイクラを集めること」だが、これには続きがあった。それは

金イクラのエネルギーでケバインクを作り、それを宇宙から散布するロケット「あんぜんフロンティア号」を発射すること

である。

3号は発射を阻止すべく、宇宙センターとあんぜんフロンティア号内部を駆け上がる。

宇宙センターでは潜入・襲撃・下降の3ステップに分かれる。

潜入では一切の装備が使用不可になるため、コジャケと協力して進む必要がある。

襲撃ではBGM「疾風怒濤カチコンドル」をバックに、回収した装備とスペシャルウェポンの連続使用でセキュリティを強引に突破し内部奥深くへと進んでいく。

下降では目的地が間違っていたことが分かり、ロケットに潜入するためにリフトで下降していく。時折タコたちが襲撃してくるのでスーパーチャクチで迎撃を。

ロケット内部に突入すると、BGMが「天命反転ローリンストン」に変化。

至る所がケバインクに汚染されているため、避けて進む必要がある。スペシャルウェポンの連続使用で道を切り拓いて進んでいく。

ショクワンダーを用いて進む上層では、ケバインクが壁一面を覆いつくす程の規模になる。なお下層も含めこれらのケバインクにはコアがないためコジャケで除去も出来ない。

当然ながらフィールド同様触れると即ミスなので注意して移動するべし。幸いにしてリトライ費用はかからないが(しかし、劇中の描写からしてオクト・エキスパンションの脱出イベント同様、本当に時間が巻き戻されている可能性がある)。

なおロケット内部にはオオデンチナマズが捕らえられており、発射のために使われようとしている。発射にはオオデンチナマズが発するほどの強い電力が必要なのだろう。

また、今作のオオデンチナマズを盗んだ犯人はクマサンであり、DJタコワサ将軍がオオデンチナマズのことは知らないと言っていたのは本当だったこともここで判明する。

目的

クマサンがロケットの打ち上げをたくらむ目的。

それはケバインクを地球に降り注がせて全生物を哺乳類化させる事で、哺乳類の時代を取り戻すこと。

そしてアタリメ元司令を誘拐したのは、優秀な頭脳を持つ彼のエキスを吸い出し、ケバインクを完全な物にするためであった。

3号たちが駆けつけようとするも一歩遅く、アタリメはエキスを吸われてしまった。

正体判明

一行はあんぜんフロンティア号を突破し、オルタナ宇宙センター最上層にたどり着いた。

そして、クマサンがついにその姿を現す。

「やあやあ、よくここまで来たね」

実験体 熊三号

クマサン

アルバイト キホンの「ン」… 何事にも終わりは訪れるものだ

「そう、今の世界にもね」

「なに、天からケバインクを降らせて 世界のバランスを正すだけさ」

「今日は終わり、明日が始まる」

その正体は「実験体 熊三号」と称される巨大な熊。これまではこの名前を略して、クマサンと自称していたと思われる。

これまでにあったような抽象的な存在等とは違いこのクマサン、

なんと正真正銘本物の哺乳類の熊である。

ただし目は爛々と白色に光り、所々にケバインクを纏っている。また頭以外が肥大化してややぬいぐるみじみた歪な体形をしているなど、異様な雰囲気が目立つ。

元々は普通の動物としての「熊」だったのだろうが、「生物の進化を促す」作用を持ったオルタナ内壁の液晶や、オルタナから生成したケバインクを身体に取り込みまくった影響か、その能力や姿はもはや従来の熊、ひいては哺乳類を完全に逸脱していた。

エキスを吸われ真っ白に干からびてしまったアタリメ司令を前に悲しむ間もなく、「世界のバランスを正す」ためのロケットがクマサンを乗せて発射されてしまった。

絶体絶命のピンチかと思いきや…。

宇宙センターでNew!カラストンビ部隊に惚れ込んで舎弟になったすりみ連合が助力を申し出る。

ウツホがイエローウツボを呼び出して作った天へ続くインクの道を、フウカの使役するサメ「先生」を3号に貸すことで爆走する即席のマスドライバーでクマサンを追うことに。マンタローもどこからともなく宇宙用のギアを渡してくれた。

3号とコジャケはスプラトゥーンシリーズ初となる宇宙空間での戦いに挑む。

最終決戦

前半戦

「キミたちも 働き者だね」

「休むのも仕事のうちだよ」

来なさい… 永遠の休みをあげよう

なんとかロケットに到達した3号が敵対する意思を示したことでクマサンは上述のセリフを言い放ち、戦闘となる。

ロケットの周囲にある金イクラを集め、コジャケを投げてケバインクを消しつつ進みながら、クマサンの撃破を目指す事となる。

クマサン自身は引っかきでワイパーの縦振りが爪の数だけ並んだような斬撃を飛ばしたり、腕を叩きつけての衝撃波攻撃などをしてくる。後者はプレイヤーを吹き飛ばす効果もあるため、ダメージ上等でインファイトを挑もうとすると背後のケバインクへ叩きつけられてワンミス……なんてことも有り得るため要注意。

他にもトビタコポッドトリプルトルネードを飛ばしてきたり、さらには力を溜めて初代のメガホンレーザーを撃ってくる事も。

ここでも、インクリングらの様にインクを操り、それと一体化して移動する、生身のまま宇宙空間で生きているなど、やはりクマサンが普通の哺乳類ではなくなってしまったことがうかがえる。

後半戦

3号は何とかクマサンをロケットの端まで追い詰めるも、クマサンはロケットを爆破させて3号とコジャケを宇宙空間に放り出し、自身は大量のケバインクを取り込んで更に巨大化する。

もはや打つ手なしかと思われたその時…

……彼方から飛来したタコツボキングが2人をキャッチする。

タコワサ「ギギ...ジジョウ スベテ ハアクシタ!」

ワレラノ ナワバリ トモニ マモルゾ!

一方、地上の1号・2号、司令の涙によって復活したアタリメ、そしてすりみ連合の面々も。

1号「アタシたちも、3号をおうえんするよ!」

フウカ「さあさあ、お立ち合い!立ち上がりしは、イカしたツワモノ!」

ウツホ「われらが、3号さんによる...オオグマ退治の時間じゃ!」

マンタロー「エイエイ!」

フウカ「今日も、スミからスミまで ずずずぃ~っと、塗ってみせやしょう!」

1号「よっ、ホホジロ屋ー!」

2号「じゃ~、いっちょやりますか」

アタリメ「聞けば天国!

タコワサ「ウタエバ ゴクラク!

♪シオカラ節 Three Mix

最終決戦、宇宙空間での戦いにおいて、満を持してシオカラ節が再生される。

それに呼応するように、コジャケの体が輝き始め...

フウカ「天より降りし三つの光、渦を作りて災ひ ぬぐひ去れり...」

ウツホ「バンカラ地方に伝わる神魚...オオジャケ様じゃ!」

マンタロー「エイーッ!!(アメージング!!)」

3号が見守る中、数多の魚介類の幻影がコジャケに集まっていき、コジャケは「オオジャケ様」へと姿を変える。

その姿を見た1号は「カワイイーーーッ!!」と大絶賛しているのだが...少々感性が独特過ぎでは?

ロケットが地球に到達してしまうまであと3分33秒しかない。クマサンの野望を阻止し海洋生物を守るため、3号たちは地球の運命を賭けた最終決戦に臨む。

このフェーズでは巨大なローラー型キューインキを装備したタコツボキングに乗せてもらい、クマサンの体表に浮いたすべてのケバインクコアをキューインすることが目標。タコツボキングを操縦してコアに近づきとっちめてやろう。

この最終決戦は何と言っても「3」の要素をありえないくらい注ぎ込んだものとなっていることが特徴。

  • イカ・タコ・魚類の3種族の力を結集した、New!カラストンビ部隊とタコワサ率いるオクタリアン、そしてすりみ(英語「Three」+日本語「三(み)」)連合の3勢力による共闘
  • タコツボキング3号機である「タコツボキング・局地戦仕様」
  • 3号、タコワサ、オオジャケ様の3人(2杯と1匹)の共同作戦。
  • 太陽系第3惑星地球へと向かうラスボス熊三号VS3号3分33秒の決戦
  • シリーズ3作目である『スプラトゥーン3』でのラストバトル(発売日も2022年9月9日であり、2022も9も3の倍数。)
  • BGM「シオカラ節 Three Mix」は、シオカラーズ・すりみ連合・DJ octavioの3グループが演奏する、3連符が大量に配置された「シオカラ節」をアレンジした曲

BGMの「シオカラ節 Three Mix」は、民謡をアイドルポップに仕立て直した曲であるシオカラ節にDJ Octavioのテクノ、すりみ連合の和楽・アラブ音楽・サンバ風パーカッションが入り混じっており、正に今作のテーマである「混沌」を想起させる。

その編曲は非常に豪華であり、タコワサがDJしているシオカラ節のアレンジが一周した後、すりみ連合も参加した総勢7名でシオカラ節のアレンジが再生される。

また1番はハイカラ地方での歌詞、2番はバンカラ地方での歌詞となっている点も見逃せない。

前述の「3」要素と合わさり、最終決戦にこれ以上ないほどふさわしい曲といえるだろう。

なお設定的に、タコワサはリアルタイム、しかもすりみ連合の曲初見でこの編曲をやっていることになる。彼のDJとしての凄腕がうかがえる一幕である。

目的の完遂

フウカ「あかん!もう間に合わへん…!!」

ウツホ「ぐわー!バンカラ街がーーーッ!!」

マンタロー「エイ…(全部遅すぎたんだ…。)」

天から雨の如く降り注ぎ建築物群を汚染するケバインク。

ダメージSEと共に毛玉に変わっていくイカタコ達。

最終的に地球はみるみるうちにケバインクに覆われていき…

イルカ「その日 宇宙に巨大な毛玉が誕生しました」

時間切れ、または3号がやられてしまった場合、ロケットが地球に到達してしまいこちらのエンドとなる。

オクト・エキスパンションバッドエンドと比べて敵を止められなかった場合の被害がより鮮明に描写されており、悲壮感に満ちたジングルをバックにイカタコもろとも地球が変わり果てていく様子は非常にエグい。すりみ連合の三人の悲しみと絶望感溢れる台詞と共にその内容に衝撃を受けることは請け合い。

...とはいえ、クライマックスのクマサン戦を初見の一発通しでクリアできる人は中々いないであろうことから、大体のプレイヤーが最初にこのエンドに行きついたと思われる。

恐らくは地球そのものがケバインクに汚染され、哺乳類とは名ばかりの毛玉だらけの世界となってしまうのだろう。

イルカの言葉を推察するに、残っていた地表も完全に覆われ文字通りの巨大な毛玉と化してしまったか、そうでなくともインフラは壊滅状態、そしてイカタコ以外の生物達も描写こそされてないが、ケバインクの性質上あらゆる生物が壊滅的な被害を受けていると思われる。

地下のタコツボバレータコツボキャニオンに住むオクタリアン達は辛うじて無事な可能性はあるが、異変に気がつかずに地上との出入り口を開けてしまえばケバインクがなだれ込んで被害を受けてしまうだろう。

仮に地上の状況に気が付いても、被害を抑えるため引きこもる以外に彼らが取れる手段はなく、各施設の老朽化からいつか限界が来ることは確実。

クマサンの求めた世界は本当に、こんな毛玉だらけの世界だったのだろうか…?

しかし最終決戦でケバインクを取り込み巨大化している様子から、クマサン自身が地表に降らせるケバインクそのもので、当の本人は結果を見届けることなく爆散した可能性もあるが…。

とはいえ、クマサンの目的が、何十万年と言う時間がかかったとしても哺乳類による進化をやり直す事で地球を哺乳類の手に取り戻す事であるならば、地上の軟体動物を駆逐し哺乳類の復活の種を大量に撒けたので一応は成功と言う事になるのだろう……。

魚介類の勝利

コアをすべて吸引されてもなお止まらないクマサンだったが、DJタコワサ将軍はキューインキのもう一つの機能……吸い込んだインクを自分たちのインクに変換し、ショットとして叩き込む攻撃を提案。

HUDにノイズが走るほどの猛攻の末、ついにクマサンはケバインクを全て塗りつぶされて沈黙する。

敗北を喫したクマサンは悔しがる訳でも負け惜しみを言う訳でもなく、自身の負けを素直に認める。

過去を想うように強く、今と未来を見つめるのは実に…実に難しいものだ

万感の思いを感じさせる言葉を呟いて自身の仕事が終わった事を悟り

それじゃ…おつかれさま

激闘を制した3号に労いの言葉を残して、ロケットの爆炎の中にクマサンは消えた。

余談

相容れない両者

クマサン(熊三号)と3号たちは、同じ名前を持ちながら、意図してのものか様々な面が対照的である。

  • 絶滅寸前の哺乳類を復活させるため孤独に戦うクマサン、繁栄を謳歌する魚介類たちを守るべく仲間たちと共に力を合わせ戦う3号。
  • 『初代』のスペシャルであるメガホンレーザーらしきものを使用する熊三号、『3』の新スペシャルであるキューインキで対抗する3号とタコワサ。
  • 「何も潰さずに新しい色を塗ることはできない」と主張するクマサン、「潰し合いなど無用、全部混ぜれば最強」と言わんばかりに手を取り合う3号たち。
  • 前半戦のBGM「クマサンからのおねがい」は個々の音は規則正しいがそれぞれがズレているため不協和音めいて聞こえる。一方後半戦の「シオカラ節 Three Mix」は、様々な音楽ジャンルを混ぜ合わせた混沌とした曲だが全体として調和が生み出されている。

クリア後の変化

ヒーローモードをクリアした後でクマサン商会に行くと、木彫りの置き物が「鮭を咥えている熊」から「鮭に咥えられている熊」に変わっている。

本来なら捕食者であるクマサン(熊)に対してコジャケ(鮭)が立ち向かったことで、海洋生物たちの未来を勝ち取ることができたという点は特筆すべきだろう。

元の置物はオルタナのシオカラキャンプに置かれており、ここから宇宙センターでの戦闘の再プレイ、およびクマサンとの再戦が可能となる。ポーズ画面からセクターごとに飛ばすことができるため、クマサン戦だけやりたい人も安心。

...ちなみに、木彫りの熊の名産地である北海道ではクリア後のクマサン商会にある木彫りの置き物と似たような物が売られており、商品名は「鮭の逆襲」「食われ熊」だとか。見かけたときは購入してみるのも一興だと思うが、イカがだろうか?

残された謎

クリア後のオルタナでは、2号が「クマサン商会なくなってないけど誰が引き継いだんだろ?」と言う。もしかすると、いつもの指示も全てAIで管理されていたのかもしれない。

ただし、エンドロールではクマサンとおぼしき毛玉のようなものが丸くなりながら地球の周辺を浮遊していた為、帰還し普通に(まっとうとは言い難いが)普通の商売としてサーモンランをしているのでは、という考察もある。

また、クリア後のオルタナ宇宙センターには青色のロケットが立っている。

クマサンと戦ったロケット(あんぜんフロンティア号)は黄色だったので全く別物であり、おそらくクマサン戦の後に新しく作られたもの。誰が何のために作り、使用する予定なのだろうか?

コジャッジくんとクマサン

ヒーローモードをクリアすると、バトルのリザルト画面に登場するコジャッジくんがインカムを身に付けるようになる。コジャッジくんは「陣取大戦ナワバトラー」でシャケで統一されたデッキを使用するが、果たして…?

クマサン商会の待合所の机にはコジャッジくんを連想させる意匠のペン立てが置かれており、「コジャッジくん=クマサン商会の後継者説」の論拠になっている。

さらに後日発売されたアートブックにて、海賊のようなアイパッチを付けたコジャッジくんのイラストが掲載されたが、アイパッチにあのマークが描かれており、より怪しさが増した。

イルカとクマサン

オルタナを管理している人工知能イルカ。イルカのモチーフとなった現実のイルカは海棲の哺乳類だが、哺乳類のクマサンをどう思っていたのかは不明。しかし公式サントラ『Splatune3』では、クマサンについて言及したオルタナログを回収するミッション「オルタナの、その先へ。」の待合室で流されている曲の曲名が、「オルタナ市民プログラム M-??:mY dEAR」であると明かされている。

mY dEAR、つまり「親愛なる私の──」という意味。ミッションの正式名は「オルタナ市民プログラム」でイルカが管理を担当している。クマサンについてのログを回収するミッションでこの曲を流し、しかもミッション開始時には「… … …」と不自然に沈黙するなど、イルカは不自然な様子を見せる。クマサンがイルカをどう思っていたのかは分からないが、もしかしたらイルカにとってのクマサンとは……

その他

日本語版のクマサンと英語版のMr.Grizzの性格が大きく異なるのは有名だが、ラストシーンにもそれが反映されている。クマサンの台詞は前述の通り諦観を感じさせるものだったが、Mr.Grizzは「お前の退職金は出ないからな」と捨て台詞を残してロケットともに爆発するという、最期までがめつい面を見せつけてくれる。

過去

そんな彼の過去は、隠しステージ「オルタナの、その先へ。」をクリアすると解放されるオルタナログの最終項目『Extra Log』にて見ることができる。

隠しステージの解禁には全ヤカンのクリア(複数ブキが選択できるステージでは1種類でOK)が必要。

その出自はタルタル総帥同様、1万2000年前の旧時代の生き残り。

当時荒れ果てた地球を見限り、新天地を求めて宇宙船「ポラリス」で宇宙に旅立った人類に同行していた実験動物の一体。

だがその移住計画はポラリスがデブリに衝突したことで故障したため事実上の失敗。やむなく地球へ引き返すも、到着直前で燃料が尽きて立ち往生。結果、ポラリスは一万年近く地球の周辺軌道を漂い続ける事となり、やがて地球の重力に引かれて墜落。

その段階でコールドスリープに入っていた人類と動物たちは既に殆どが死に絶えていたが、熊三号だけは唯一奇跡的に生き延びていた。

更にコールドスリープ中も意識を保ち、新天地の惑星を夢見ながら思考を続けたことで、熊三号は動物でありながらヒトのような非常に高い知能を獲得するに至っていた。

しかし長い眠りから目を覚ました熊三号が目にしたのは、夢見た新天地ではなく元いた地球。その上(別所でコールドスリープされていたある2匹を除いて)既に哺乳類は絶滅しており、代わりに進化した海洋生物達が地上の支配者となっていた。

哺乳類の痕跡を探し求めた末にオルタナに辿り着いた彼は、遺された人類の技術と自身の体毛からケバインクを発明。上空からケバインクを散布し、全生物を哺乳類化することで哺乳類を復権させる事を唯一生き残った自らの仕事と定めた。

ケバインクの生成や散布のためのロケットの発射には、エネルギー源として大量の金イクラが必要となる。そのために「クマサン」を名乗りクマサン商会を立ち上げ、何も知らないイカやタコをバイトとして雇用することで金イクラを集めていたというのがクマサン商会の真相であった。

実は伏線はいくつか張られており、具体的にはイカのような点。

  • 『2』のサーモンランステージ「朽ちた箱舟ポラリス」のとある壁には「Active Bear Area」と書かれた英語(=人間語)の看板が置かれており、干潮時には熊の足跡が見つかる
  • ロケットでの戦闘で、第3形態の最後に収集する金イクラが北斗七星の形に並んでいる(北斗七星はおおぐま座の一部、かつ北極星=ポラリス(こぐま座α星)を探すのに用いられる)
  • サーモンランでは、リザルトBGMで「(成功時)もう少し残ってくれても...」「(失敗時)もう少し頑張ってくれても...」という日本語の空耳(=人間語)が聞こえる(NWでは聞き取り辛くなり、ハッキリした空耳は聞けない)。つまり、クマサンはスプラトゥーン世界には存在しないはずだった人間語を憶えており、その意味を理解しているかはともかく意図的に曲に取り込んでいる(経緯的に、おそらくロケット発射時に流れたのが原曲で、それをクマサンがアレンジしたのがカガヤクンデス・マーチ)。

ちなみに北極星はおよそ2万6000年周期で変動することが知られており、これらのことから人類が生きていた時代にはまだポラリスが北極星であったことが察せられる。スプラトゥーンはそれからおよそ1万2000年後の話であり、北極星はベガ(こと座α星)に置き換わっていると予測される。哺乳類に変わり、海洋生物が地上の覇者となったことと照らし合わせるとなかなかに意味深である。

ついでに言えば、ポラリスは三重連星(3つの恒星がお互いに連動して公転しており、地球上からはひとつに見える)である。

熊「三号」とする理由は不明だが、設定画集『イカすアートブック3』268ページには、液晶の壁に覆われた実験施設のような空間に居る3匹の熊が描かれた設定画が載っている。おそらくはコールドスリープされてポラリスに乗せられる前の様子で、熊三号にも同類の熊一号・熊二号が居たということなのだろう。

また、サーモンランNWの特殊な状況「グリル発進」時、グリルが2体同時に現れた際、クマサンは「ふむ、グリルが2体に増えたね…かれらもまた ひとりぼっちは さみしいのだろうか」という意味ありげな発言をする。自分以外の哺乳類がほぼ消えた世界、クマサンもまた寂しかったのだろうか?

「オルタナの、その先へ。」をクリアするとアタマギア「クマノミミ」がもらえるのだが、そのメインギアパワーはカムバックである。

メーカーはクマサン商会...ではなくアタリメイド。ヒーローモードが出自だからとひとくくりにされているのか、それとも何かしらの意味があるのだろうか。

……なお、現実世界で鮭を釣る際にはイカがエサとして用いられることを最後に記しておく。

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クマサン クマサン商会

サーモンラン サーモンランNEXTWAVE

タルタル総帥:同シリーズにおける哺乳類を復活させようとした先駆者。

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