概要
2018年6月14日に配信された『スプラトゥーン2』の有料追加コンテンツ。
お値段は1800円+税だが、2022年4月22日から、Nintendo Switch Onlineの「追加パック」加入者であれば追加料金なしでプレイ可能になった。
名前の「オクト」(ラテン語で「8」)が示唆する通り、スプラトゥーン史上初、タコが主人公となるモード。
謎の地下施設を舞台に、タコの若者「8号」として各ステージのチャレンジをクリアしていく。
オフラインでの1人用モードであり、いわば『2』のヒーローモードの裏バージョン的な存在だが、そのボリュームと歯応えはヒーローモードとは段違い。特にボス戦や一部チャレンジは無印版ラスボス戦並みに鬼畜な物まである。
ストーリー
蛸壺や はかなき夢を 夏の月
駅のホームの様な場所で目覚めた一人のタコの若者。
そこはネル社が運営する地下実験施設を繋ぐ鉄道、深海メトロの一部だった。
しかし、若者は全ての記憶を失っており、自分が誰なのかもわからない。
「もしや おヌシ・・・魂にシオカラ節のグルーヴを宿したタコなんか・・・?」
タコの若者は偶然出会ったアタリメ司令に8号と名付けられて協力関係を結び、無線が偶然つながったテンタクルズの二人の手助けも受けながら、地上への脱出を目指すことになる。
その傍らで垣間見える、地下に潜む真実はイカに。
システム
本モードのステージは深海メトロの駅という形式で、ひとつの駅をクリアすると隣接する次の駅に挑めるようになる。また一部の駅は他路線との乗り換え駅になっており、クリアすれば別路線が解禁されマップが広がる。
深海メトロの案内役とおぼしき「デンワ」が語るところによれば、脱出には各駅に点在する4つの「アレ」と呼ばれる指定物を集める必要がある。そのため、乗り換えを挟みつつ各駅をクリアして「アレ」を目指すことになる。
どうしてもクリアできないステージがあった場合は、別路線から迂回するのも一つの手だ。
駅への挑戦には料金として「NAMACOポイント」が必要となり、1回でクリアできれば入場料以上のポイントが稼げる。
ステージは基本的にヒーローモードと同じく残機制だが、残機を使い切った後のリトライがチェックポイントからできる代わりに残機の回復がない。また残機切れの際にはその都度NAMACOポイントがかかるため、残高には要注意。
失敗がかさみすぎて残高がなくなると詰み……ということはもちろんなく、ヒメ(のパパの財布)から借りる事になる。また救済措置として、ひとつの駅で2回残機切れになると、コンティニューの代わりにテンタクルズに助けを求めることができ、これを使うとステージをクリアしたことにできる。この場合でもエンディングには到達可能。
本モードではヒーローモードのようにブキを持ち込むのではなく、駅ごとに異なるブキがその場で割り当てられる。ルールもフルセット、サブウェポンのみ、無限に使えるスペシャルウェポン、はたまた丸腰とバラエティー豊か。
一部の駅ではブキに「オススメ」表示がされているが、オススメブキが簡単とは限らない(例えばライドレールでのマト当てステージは、オススメ表示のスプラシューターよりも射程の長いジェットスイーパーのほうが簡単、など)。自分の得意不得意もあるだろうが、基本的に「左側の方が簡単」と覚えておくといいだろう。
キャラクター
記憶を失ったタコの若者(オクトリング)。魂にシオカラ節のグルーヴを宿している。
No.10008の8を取って、8号とアタリメ司令に名付けられる。
外見は最初に「思いだす」という体裁で変更することができる。
- アタリメ司令(イラスト右)
New!カラストンビ部隊の司令を務めるインクリングのおじいちゃん。ヘッドホンを首にかけ緑色のトラックスーツというラッパー風のスタイル。
3号と共に偵察に出、8号と交戦するも、何者かに襲われ深海メトロに迷い込む。
その後8号がシオカラ節のグルーヴを宿していることを悟って謝罪し、共に地上を目指すことになる。
塩対応されたり扱いが雑だったりするが、ヒメと互角のラップバトルをしたり、絵が常人以上に上手かったりとやはりただものではない。
前作ヒーローモードでの主人公。新たにマント(イカ達の言葉で3と描いてある。)を着けている。
外見はアタリメ司令が尋ね人の張り紙を描く際の受け答えで変化する。
アタリメ司令と共にパトロールに出ていたが、はぐれてしまったらしい。いったいどこへ...?
おなじみのコンビユニット。3号の無線機を拾ったことからサポート役に就任し、8号に様々なアドバイスを送って地上へと導く。
いつもとファッションが違い、ヒップホップ風になっている。
また、二人の過去や出会いも明かされるようだ。
- 消毒済みのタコ
いつもと様子も色も声も違う、オクタリアンやタコゾネス。イイダの分析によれば生体反応がないらしい。
青と黄色が主となっていてはっきり言ってキモい。
不用意に地下の実験施設に足を踏み入れると、ネル社の培養液によって自我を消毒されるらしい。
実験施設の設備用に消毒されることも。
深海メトロの車掌で地下施設の案内人。どんな業務もそつなくこなす。
外見はナマコそのものだが、車掌らしく帽子を被っている。
青い半透明の体内には発光器官があるようで、キラキラと光が揺らめいている。
8号に、「約束の地」へ行くため「4つのアレ」を集めるように言う。
司令が「このナマコしゃべりよるぞ!」と驚いていた為、普通のナマコではない様子。
- グソクさん(イラスト左)
深海メトロに乗車している、ダークグレーのスーツと丸型サングラスを身に付けた大柄のダイオウグソクムシ。
その見た目から怖そうな印象を受けるが、実は気さくなジェントルマン。
ネリメモリーをシリーズでコンプリートすると、特別なギアをプレゼントしてくれる。
深海メトロ中央駅に設置してあるレトロな電話。
駅への挑戦に必要なNAMACO端末とNAMACOカードを8号に渡してくれる。
その他にも、深海生物がモチーフになっているキャラクターが多数登場する。
登場アイテム
- アレ
深海メトロのどこかの駅に眠るという4つの正体不明の品物。「約束の地」へ行くのに必要らしい。
地上への脱出に必要と判断した一行は、これを集めるべく各駅を攻略することになる。
キャラクターやブランドのロゴ、アイテムなどを模した消しゴムのようなもの。ナマコ車掌によれば、8号のココロを読み取り、練り上げたものだという。
各駅をクリアするともらえ、1路線分をコンプリートする(=その路線の駅をすべてクリアする)と、グソクさんからオンラインで使えるギアをもらうことができる。
また、8号が詠んだとおぼしき短歌風の解説文とともに、詳細に眺めることもできる。
ヘルプ機能を使ってクリアした際はシルエットしか表示されないが、入手したことにはなるためギアをもらうことはできる。
すべてのネリメモリーを集めると……?
- 検体キット
8号のリュックに装着される白い装置で、現状が達成条件から逸脱すると起動する。
起動すると警告音が鳴り出すと同時に膨らみ、ナマコ車掌の「チャレンジ失敗でス」の言葉と共に爆発、1ミスとなる。失敗とはいえ爆殺する必要はあるのか……。
そのインパクトから、一部のプレイヤーにはトラウマとなっている。
- エイトボール
8号と同程度の大きさの、8の字が描かれた黒いボールで、インクで攻撃されると動く。
敵の攻撃でも動くため、予想外な動きを取る事もある。当然、落とすとチャレンジ失敗とみなされるわけで……。
こちらも良い思い出のあるプレイヤーはあまりいないと思われる。事実、ある駅ではミッションがエイトボールの運搬だと分かるなりヒメが「ゲーーーーーーッ!!!」と悲鳴を上げるほど。
余談
OPの最初で「蛸壺や はかなき夢の 夏の月」という俳句が出てくるが、これは実際に江戸時代の俳人、松尾芭蕉がタコの名産地として有名な明石を訪れた際に詠んだもの。
句の解釈には様々な説があるが、明石には実際にこの歌の歌碑が建っている。聖地巡礼として訪れてみるのもいイカもしれない。
配信日が夏なのも、季語が「夏」であることを意識している…かもしれない。
関連タグ
vaporwave:本作の雰囲気
タコイカップル:本DLCにより開拓された可能性
関連動画
ネタバレ
ここから先はオクト・エキスパンションのネタバレになります。
3号がデンワに乗っ取られた状態。緑色に光る角状の巻貝の様なネリモノが顔の右側に付着し、瞳もカメラのシャッターの様になっている
シューターにもかかわらずスライドの様な瞬間回避が可能で、リミッターが外されている為に一定間隔でスペシャルを使ってくる。
基本はヒーローシューターとカーリングボムで、倒すごとに使用するスペシャルが変化する。
第一形態ではカーリングボムピッチャー。第二形態ではイカスフィア。第三形態ではUFOに飛び乗りハイパープレッサー。最終形態ではスーパーチャクチ3連続を使用してくる。
対決時のBGMはDedf1shリミックスのsplattack!で、お互いのインクの色はマゼンタとマーブルがかったライムグリーンである。
デンワの正体で、博士が作り出した人工知能。頭頂部にとぐろを巻いたネリモノが付いており、その先端はタコ足になっている。(これはタルタルのものではなく練ったタコの残骸であるというので中々グロい。)
博士の命により、新世界を託すに足る新人類を誕生させるため様々な実験と観察を繰り返し、一万二千年もの間そのデータを収集し続けており、8号はその10008番目の実験体にあたる。
日夜ナワバリバトルを繰り広げるだけのイカ達に絶望していたタルタルは、8号達に予想を上回る抵抗を受けた結果、一度世界を滅ぼし新たに作り上げると言う最終手段に打って出る。しかし、8号とイイダ、ヒメの活躍によって施設もろとも破壊され、主人である博士の元へ旅立った。
この博士とは、かつてのジャッジくんの飼い主であった博士と同一人物であることがスタッフにより明かされる。
名前の由来は魚介のフライに使われる「タルタルソース」また、その語源と言われる奈落の神である「タルタロス」を掛けたものと思われる。
ネルス像
地下実験施設の中枢を担う巨大施設。その外見はかつて存在したニンゲンの頭部を模している。(モデルはおそらくヘルメス像)
表面に太陽光が当たる事でエネルギーを生産し、世界をネリ返す(滅ぼす)事ができる巨大なエネルギー砲が搭載されている。
エネルギー砲のチャージも太陽光によるものであった為、表面に設置したイイダボムを8号が起爆し施設全体を塗りつぶす事で停止させるが、ハイカラスクエアもろとも8号達を抹殺しようとエネルギーを発射。しかし、ヒメのセンパイキャノンの前に撃ち返され、崩壊した。
このステージは始めにオンライン対戦と同じ描写で「ルール:ナワバリバトル」と表示されるが、これは8号が初めて挑むナワバリバトルである。
初見ではボムの位置を理由に戸惑うが、配信3週間を待たずに制限時間3分を40秒を残してクリアする猛者が登場している。
なお、この像が破壊された際に発生した大量の漂流物によって船舶の航行に重大な支障が生じた。これをきっかけにマサバ海峡大橋の開通が急がれ、次回作にて開通を迎えた。
イイダボム
イイダが開発中の超大型キューバンボム。
未完成なので外部から衝撃を与えて起爆する必要があるが、その塗り範囲は広大。
正式名称はElegntで、Dramaticかつ、Amazingなボム。
センパイキャノン
オリジナルデザインのメガホンレーザーから繰り出すヒメのスペシャル。
物体を破壊するヒメの声をメガホンで増幅し発射する為、その威力は絶大。
ちなみに作戦遂行中にヘリの内部をよく見るとヒメが反復横跳びをしている。
これは自身のテンションを高めて最大火力を放つ為である。
ED曲
タルタル総帥の企みを阻止するとEDとなり、スタッフロールが始まる。この時に流れている曲はテンタクルズの楽曲『フレンド・フロム・ファラウェイ』である。切ないながらも力強い曲調や感想部分に『フルスロットル・テンタクル』のメロディが流れることが特徴で、シリーズ屈指の名曲として名高い。
ちなみに、英語版と日本語版とでは題名が異なっている。日本語版のものは『フレンド・フロム・ファラウェイ』=「Friend from far away」、直訳すると「遥か遠くから来た友達」となり、テンタクルズやアタリメ司令など8号以外からの目線となっている。
ところが英語版では題名が『Into the Light』、直訳すると「光の中へ」であり地上にやってきた8号の目線となっている。
つまり英語版と日本語版では曲の視点が違うというかなり秀逸な楽曲なのだ。
いわゆる裏ボスにあたる存在で、生半可なプレイヤーでは手も足も出ない強敵。
全ての駅をクリアしてから、深海メトロ中央駅にあるロッカー内を調べると戦う事が出来る。
寄生3号同様にスライドと一定間隔でスペシャルを使用してくる。
基本はヒーローシューターとロボットボムで、こちらも倒すごとにスペシャルが変化する。
第一形態はジェットパック。第二形態はバブルランチャー。第三形態はロボットボムピッチャー。第四形態はUFOに飛び乗りマルチミサイル。最終形態はスーパーチャクチ3連続(ただし寄生時と比べて後隙が無くなっている)。
なお、3号との戦い限定で残機無限であり、ポイント消費もないものの、倒されるたびに最初からやり直しになる鬼畜っぷりで、撃破できれば限定ギアが貰える。
また、インクの色は前作のシンボルカラーであるオレンジと青である。
この際の限定ギア「金のつまようじ」で、効果は『スペシャル増加量アップ』
性能的には一般のギアと変わらないが、同効果の統一ギアを作りたい場合は最も実用的。
また、死なずに戦い続けられる腕の立つのプレイヤーが使うべきギア、とフレーバー的にも上手く出来ている。
8号を象徴するギアとして装備しているイラストも多いが、その場合その8号は設定上もかなり強いということになる。