概要
スプラトゥーンシリーズに登場するプレイヤーキャラ、あるいは登場種族。
通称『タコ』。
ヒーローモードに出現するタコゾネスや『オクト・エキスパンション』『サイド・オーダー』にて登場したタコのプレイヤーを含む「ヒト型に擬態するタコ」の総称であり、外見や性質はインクリングに近い。
オクタリアンの一員として地下に暮らす者達だったが、近年地上への進出が盛んになり、今ではハイカラ地方やバンカラ地方で多数見かけられるようになった。『スプラトゥーン2』以降からはプレイヤーキャラとしても使用できるようになる(『2』では最初から使用できる訳ではなく、DLC『オクト・エキスパンション』をクリアする必要がある)。
進出のキッカケは『スプラトゥーン(初代)』の3号とDJタコワサ将軍の決戦で、決戦中に流されたシオカラ節を多くのタコ達が耳にし、魂に「シオカラ節のグルーヴ」を宿したことが理由と示唆されている。一方でフウカのように、バンカラ地方には元からオクトリングが居たと思しき描写もある。
やや紛らわしいが、「タコゾネス」は『オクトリングのうち、タコ軍団に所属するガールの精鋭兵士』のことを指す。イイダやミズタも元タコゾネスである。8号(ハチ)は性別が固定でないためか明言されていない。
主要なオクトリング
- タコゾネス
- プレイヤーキャラ(※インクリングにも設定可能)
- 8号(ハチ)
- イイダ(テンタクルズ)
- DJタコワサ将軍(※現在はヒト型になれない)
- フウカ(すりみ連合)
- ミズタ/Dedf1sh
- 新3号(※インクリングにも設定可能)
など
インクリングとの違い
イカことインクリングとは生態が似ており、身体能力に関してはほぼ同じだったりするが、外見にいくつかの差異が存在する。比較のため、一時的にオクトリングを「タコ」、インクリングを「イカ」と表記する。
- センプク形態(イカ形態・タコ形態)
- イカはインクに潜るときイカの姿になる。
- タコはインクに潜るときタコの姿になる。
- 目の周り
- イカは目の周りの黒い隈が両目で繋がっている。センプク形態では白目が両目で繋がる。
- タコは隈が繋がっていない。センプク形態でも白目は繋がらない。
- 頭のゲソ(人間でいう髪の部分)
- 手足と頭のゲソ本数
- イカは現実のイカ足と同じ10本。
- タコは現実のタコ足と同じ8本。
- 口の中
- イカは上顎の左右に2つ、下顎の中央に1つの計3つ尖った歯がある。これは元ネタがカラストンビ(現実のイカの顎)のため。
- タコは左上顎と右下顎にそれぞれ1つの計2つ尖った歯がある。
- 耳(のようなもの)
- イカは三角っぽい。これは元ネタがイカのエンペラ(イカの三角のヒレ)のため。
- タコは丸っぽく、片耳にくぼみがあり左右非対称。これは元ネタがタコの漏斗(タコが移動時に使う水の噴出孔)のため。
- 指先の形状
- イカは手足の指先が四角。これはイカソーメンを意識したデザインのため。
- タコは手足の指先が尖っている。
また、タコ内には「種族」があるらしく、ハイカラウォーカー247pでメンダコだと明記されているABXYのライアン、ヒョウモンダコと思しき兵頭タオ、ミミックオクトパスと思しきSHIMAなど、他のタコと比べて外見の異なるタコのアーティスト達が設定上存在しており、同じオクトリングでも細かな種族差があると見られる。
反対にイカの方には種族差がほとんど見られず、ハイカラウォーカー209pでコウイカのアイドルユニットに関する言及があるのを除き、イカ内の種族について言及したものは無い。
ヘアスタイル
イカ達が頭のゲソを加工して様々なヘアスタイルをしているのと同様に、タコたちも様々なヘアスタイルをしている。イカ、主な髪形(ゲソ形)。
※各ゲソ形の名称はこちらの投稿を参照して作成。インクリングのゲソ形については「インクリング」の記事を参照。
また、イカのヘアスタイルには頭のゲソを切ったり炙ったりする過激なものがあるが、タコにはその手の過激なヘアスタイルは現状無い。ただしミズタが後頭部を剃り込んでいるので、恐らくだがゲソを切ること自体は可能(フェードのヘアスタイルもゲソを切っているように見えなくもない)。
- ミズタの後頭部
複雑な経緯
上記のように「オクトリング」と「タコゾネス」で意味の被る語が設定されている理由は、「オクトリング」という呼称が海外版を由来としていることに起因する。
実は「オクトリング(Octoling)」という言葉は元々、海外版の初代『スプラトゥーン』においてタコゾネスに当たる名称として使用されていたものなのである。
そのため、タコゾネスステージの曲である「Tacozones Rendesvous」の曲名は海外版では「Octoling Rendesvous」となっている。
この時点では、ヒト型に擬態できるタコがタコゾネスのみであったため、ちょっとした言い回しの違い程度に収まっていた。
混乱が始まったのは、『スプラトゥーン2』の追加コンテンツ『オクト・エキスパンション』にてタコのプレイヤーが登場してからである。
ここで初めて「ヒト型のタコボーイ」の存在が確定し、発売後のインタビューでは「ヒト型に擬態できるタコのうち、タコガールの中の精鋭がタコゾネスになれる」ことが語られた。
「タコゾネス」の範疇に収まらないヒト型タコが発生してしまったのである。
この時点では明確な名称が定まっていなかったようで、amiibo等の商品名では「タコボーイ」や「タコガール」又は単に「タコ」と呼ばれていた。
(海外版では引き続き「Octoling」がタコゾネスを含むヒト型タコの総称として使われていたにもかかわらず、日本語版においてこのような切り分けが行われたのは、「タコゾネス」という言葉がボーイを表すのに不適だったためと考えられる)
最終的に『スプラトゥーン3』からは、「オクトリング」の名前が日本語版にも逆輸入されることとなった。
実際、日本語版『3』ではゲーム中でもプロモーションでも人型のタコにオクタリアンという言葉を公式は一切使っておらず、全てオクトリングと表現している。
amiiboの商品名も、『3』に合わせて発売される新製品では「オクトリング」の名称が使われている。
よくある勘違い
ただ、過去作をやってきた古参プレイヤーであるほど、オクトリングという言葉に馴染みがなく、『3』で初めて登場した新種族と思ってしまう人が一定数いる。
特に、『3』の舞台となるバンカラ地方に住んでいる「イカに友好的な地上のタコ」がオクトリングで、これまでの作品に出てきた「イカに敵対的な地底のタコ」がオクタリアン、と解釈する人が多いようだ。
しかし上述したように海外版における「Octoling」はタコゾネスも含めたヒト型タコ全般を指す名称であり、サイド・オーダーの公式ページでも当初8号が「オクタリアン」と紹介されていたが、のちに「オクトリング」に修正され、その際に「オクタリアンのうちヒト型に変化できる種族を『3』からオクトリングと呼称している」という説明がされている(公式ページ、修正前後の比較)ため、ヒト型に変身できるタコは出生に関わらずオクトリングと呼ぶのが公式である。
もっとも、「オクタリアンや元オクタリアンは生真面目が特徴」なのに対し「バンカラ街のオクトリングはそうでもない者が多い」など文化的な差異は大きい様子であり、この世界の魚介類がバンカラ地方から世界各地へ散らばりながら進化していったことも併せて、「オクタリアン出身のオクトリングとバンカラ街出身のオクトリングは厳密には別種族なのでは?」という考察は真面目に存在する。バンカラ地方には10本足のタコがいることなどもその根拠に挙げられる。
余談
- 「タコゾネス」と「オクトリング」の定義は紛らわしく混乱の種となっているが、では二つとも同じ「Octoling」で呼称される海外は楽なのかというとそうでもなく、むしろ「敵のOctoling(=タコゾネス)」のみを指す語句がないため呼び分けに苦心しているようである。
- 『3』のヒーローモードにおいてタコゾネスの出番が少なかったのは、そういった理由もあるのかもしれない。
- 海外では「1」の時期すでにオクトリングに関する二次創作が盛んであり、当時は存在していなかった「男性版のオクトリング」や「Inktoling(イカとタコの混合種)」などのイラストが早期から多数存在していたらしい。
- 鳴き声に由来する代名詞としてイカガールは『Woomy』(うーみぃ、いわゆるマンメンミ)、イカボーイは『Ngyes』(にぇーす)と呼ばれるのに対して、タコガールは『Veemo』(びーも)で一貫しているようだが、タコボーイは『Oomi』(おーみぃ)『Weyo』(うぇいよー)『Ngweh』(んーうぇー)などと一定しない。