概要
スプラトゥーンシリーズに登場するキャラクター。フルネームは「アタリメ ヨシオ(辺目 義男)」。a.k.a.「MCヨっちゃん」。好物はオハギ。
100年前、イカとタコの全面戦争となった大ナワバリバトルのイカ陣営で活躍したカラストンビ部隊の元隊長で、英雄として名を馳せた伝説のインクリング(イカ)である。……しかし現在は100年前の功績など他のイカ達から完全に忘れ去られている。老齢のためか杖をついており、英雄としての面影はあまり残っていない。
イカ陣営に敗北したオクタリアン(タコ)を長らく単身で見張っていたが、現代になってイカ世界への侵略を企てていることに気が付き、これに立ち向かうため「New!カラストンビ部隊」を結成。孫娘2人をそれぞれ隊員1号・2号に任命し、自身も部隊司令として活動している。
敵対するタコの首魁、DJタコワサ将軍とは長年のライバルにして、かつての友人同士の関係。このためか、タコ達を敵視しつつも気にかけているような様子もある。
よく変換ミスで「アタリメ指令」と誤表記されるが、正しくは「アタリメ司令」。
人物像
軍帽を被っているため分かり辛いが、メイン画像のようにゲソを後ろに括っている。
本編に登場するインクリングの中では最年長のキャラクターであり、インタビューによると年齢は120歳くらい(7年後の『スプラトゥーン3』では120代後半~130代前半か?)。インクリングは50才を過ぎると日干しという行動を取って身体の保存性を高めるようになるらしいが、本来は彼ほど長生きすることは無いという。では何故これほど長生きしているかというと、「気合で生きている」とのこと。
竹製のチャージャーを杖の要領で持ち歩いており、これは後のアップデートによって復刻版が「14式竹筒銃・甲」の名称で実装された。バリエーションとして「甲」「乙」「丙」が登場している。作中のセリフやミステリーファイルから、大ナワバリバトルで彼が使用していたのはこのブキであることが確認できる。
大人気アイドル「シオカラーズ」のアオリとホタルは彼の孫娘であり、彼女らもNew!カラストンビ部隊の1号と2号として活動している。
手先が器用らしく、『オクト・エキスパンション』や『スプラトゥーン3』では3号 / 司令のメチャクチャ上手な似顔絵を数秒で描き上げたり、デンチナマズのぬいぐるみを何個も自作している。ちなみにただのぬいぐるみではなく、ぬいぐるみ型の発電機である。もはや手先が器用とかのレベルではないような……
また、現在はヨボヨボの爺ちゃんだが、人物相関図では3号から「このじじい、実はスゴい人なのかもしれない」と言わしめており、部隊のエース的存在な3号がそこまで高く評価すると考えると、相当な実力の持ち主なのかもしれない。
スプラトゥーン
シリーズ初代作『スプラトゥーン』から登場。地下世界に潜むタコ軍団「オクタリアン」が悪さをしないか長らく独りで監視していたが、天日干しのためうっかり目を離した隙に、イカ世界に電力を送るオオデンチナマズを奪われてしまう。これを取り返すべく、たまたまアタリメの元に迷い込んだイカの若者をNew!カラストンビ部隊の隊員3号としてスカウト。オオデンチナマズ奪還の任務を与える。
老年ゆえインクが溜まりにくいことを理由に自身はサポートにあたる。
基本的な絡みがあるのは、オフライン専用モードとなる「ヒーローモード」のみ。普段はハイカラシティのイカスツリー脇のマンホールから顔を出してプレイヤー=3号を遠くから見守っている。近づくとプレイヤーに気が付き、マンホールの中に逃げてしまう。
amiiboのアオリ・ホタルをセットすると、演奏中にフェスの時同様、アタリメ司令がマンホールから顔を出して乗り出しているが、この時に近づくとマンホールの中に入らないため、彼の頭に乗れてしまうという珍場面を見ることが出来る。
実際の戦闘になると3号を無線でサポートし、敵となるオクタリアンの個体ごとの特徴や戦術などについて解説してくれる。ステージを進むのに必要なジャンプポイントを見つけると「ジャンプポイント発見!確認されたしーっ!」と叫んだり、長年の経験に基づく戦術を「カベの後ろで深呼吸、戦場の鉄則ゥ!」と叫ぶぶため、印象に残っているひとも多いはず。
タコツボバレー内にある彼の拠点には、本人お手製のデンチナマズのぬいぐるみ(通称でんちゃん)があり、裏設定では取り返した本物のデンチナマズを予め用意したぬいぐるみのデンチナマズにすり替えておく事もヒーローモードの目的である(なお特別なことをする必要はなく、デンチナマズを奪還するだけで良い)。
ぬいぐるみのデンチナマズでも防衛に生真面目なオクタリアンにはバレない上、生活にも困らない程度のデンリョクを有しているらしい。もうそれでタコの世界の電力問題解決できるんじゃないですかね……?
ちなみに老齢の彼が長年単身でオクタリアンを調査できていたのも、真面目なオクタリアン達は自分と見た目が似ている存在を仲間だと認識するので、アタリメを味方だと勘違いしていたからだとか……(ニンドリ2018年10月号より)。
↓イカ ネタバレ注意↓
ヒーローモード後半ではオクタリアンによって囚われの身となり、変わって合流したNew!カラストンビ部隊の1号(アオリ)と2号(ホタル)が3号のサポートに入る。
最終決戦では縄で縛られ、捕縛された状態で登場。しかし、最終決戦にて1号と2号がシオカラ節を流し始めると、なんと縄を自力でぶっちぎって踊り出す。その後は、オクタリアンの首領となるDJタコワサ将軍を追い詰める3号に発破をかけた。
ちなみにヒーローモードクリア後、ラストバトルのヤカンに再び入ると「オハギを食べている間にタコワサがまた逃げた」ということで再救出することになる。
……のだが、最近孫たちが構ってくれないらしく、ワザと捕まり(というよりタコワサにお願いしている)、助けてもらうことで構ってもらおうとしているらしい。意外な所ではシオカラーズの歌う「マリタイム・メモリー」の男声ラップ部分を担当……と言うか飛び入りでブチ込んだと言うアグレッシブな一面もある。
ヒーローモードクリア後は特典として「ヒーロースーツレプリカ」一式と「タコゾネススーツ」一式を貰えるが、それらのブランド名は「アタリメイド」で、作製したのは恐らく彼。
ヒーロースーツ一式は彼のお手製なのだろうが、タコゾネススーツはオクタリアン謹製のはず……撃破されたタコゾネスから回収した装備を調整したのだろうか?
オンラインでランク50になると、彼の帽子「伝説の帽子」が入手可能。
スプラトゥーン2
次作『スプラトゥーン2』では、3号を連れて別の場所の調査に向かっているとのことで、本編では登場はしない。ヒーローモードの案内役はアタリメ司令に代わって2号ことホタルが担当する。
その後、『2』の有料追加コンテンツ『オクト・エキスパンション』にて再登場。謎の地下実験施設「深海メトロ」に迷い込んでしまい、記憶を失ったタコの8号と共に地上脱出を目指すことになる。本編前に8号に対して3号をけしかける等、過去のこともあって最初はタコである8号に対して厳しめの態度であったが、8号が気絶している間にシオカラ節を口ずさんでいたことに気づいて態度を軟化させ、3号をけしかけた事を謝罪する。
『シオカラ節が好きな者に 悪い者はおらん』
これが、真理にして人生の鉄則らしい。
相撲が好きなのか、ある戦略タコツボ兵器との戦闘時には「立会いから ブチかますんじゃ!」と発破をかけたり、相手がバイクを乗り回しだした時には「土俵に乗り物とは! 力士の風上にも置けん!」と憤慨している。前作から続いてラップも好きであり、ヒメとラップバトルを繰り広げたり、電車内でも話しかけるとラップを披露してくれる。
設定画集「ハイカラウォーカー」によれば、3号がイイダと8時間に及ぶノーミスDJバトルを行い、アオリがタコワサと組んで歌っている中、ヒメが電波にも紙面にも載せられない放送禁止用語をブチ撒くラップに乱入してラップバトルしていたらしい。
オクト・エキスパンションクリア後は地上に出たりせずに深海メトロ内に住み着くようになる。アタリメ曰く「居心地が良い」らしい。メトロ内は「日干し」ができそうに見えないが、いいのだろうか?
……と思いきや、インタビューにより実は8号以外の困っているタコたちを助けるために深海メトロに残ったことが明かされている。
スプラトゥーン3
シリーズ3作目『スプラトゥーン3』ではNew!カラストンビ部隊を引退し、司令の座を3号に譲って部隊の相談役兼名誉顧問になった。
となると今は隠居しているのか?
………と思いきや、なんと勝手にイカの世界の見回りをしているらしい。
使命感と行動力は依然衰えていないらしく、歳の割にまだまだキレはあるようだ。彼はまだ若者には負けない。
陣取大戦ナワバトラーの対戦前のセリフからメンコで遊んでいた時期がある。
↓イカ、スプラトゥーン3ヒーローモードでのネタバレ
『スプラトゥーン3』では前述のように司令の座を3号に譲り、独断でイカたちの世界の見回りをしていたが、今度はバンカラ街のオオデンチナマズが消える事件が発生。
過去2回はオクタリアンによってオオデンチナマズが失踪していたため、今回もオクタリアンが原因と考え、自身を追いかけてクレーターにやってきた主人公を(半ば強制的に)新たな3号に任命。オオデンチナマズ奪還の任務を与え、当人はサポートに回る。
が、当のオクタリアンの親玉DJタコワサ将軍との戦いに勝った後、彼はオオデンチナマズを盗んでおらず、逆に失踪した部下たちを捜しにバンカラ地方に来ていただけだと判明。その直後、足元からケバインクが溢れ出し、クレーターが崩壊。新3号やタコワサらと共に地下空間に落ちてしまうが、その際にアタリメだけはどこかへはぐれてしまう。
はぐれた後は何者かによって囚われの身になっており、無線で主人公とNew!カラストンビ部隊の1号、2号、そして司令になった旧3号(新司令)と新3号に助けを求める。しかし彼らが助けに来た時にはすでに遅く、今回の事件の黒幕によってエキスを吸われてカラカラに干からび、動かなくなっていた。
一行は悲しみに暮れるが、新司令の流した涙を浴びた途端、なんとスルメになって復活。その後は何事もなくNew!カラストンビ部隊やすりみ連合のメンバーと共に3号のサポートに徹した。
事件収束後もスルメのままでおり、スルメになったことで支障をきたしたり、ヒトの姿になれない事を悔やんでいる……かと思いきや悔やむ様子はなく、2号曰く干からびてから余計元気になっている……とのこと。とんだ高性能おじいちゃんである。
ちなみに黒幕の発言より、かつて「歴戦の白きゲソ」と呼ばれていたらしい。
また、スルメになったことで、初登場時から既にヒトになれなくなっていたタコワサと対になっているという意見もある。他にも、スルメになることでアタリメは老衰しなくなった(or寿命がさらに延びてしまった)のではなイカ?という意見も。
その後、2024年9月13日から開催されたグランドフェスティバルでは、ヒーローモードの一件で共闘したタコワサ将軍とともにフェス専用会場で物販の売り子をしている。「ここであったが107年目!」と叫んでいた今作のヒーローモード序盤とは真逆に、かつての旧友としての仲を取り戻した様子。
過去
概要で述べたとおり、初代スプラトゥーンの時代から100年前に起きたイカとタコの大決戦「大ナワバリバトル」でイカ陣営の勝利を決定づけた伝説の部隊「カラストンビ部隊」の元隊長として活躍した。
今でこそヨボヨボのお爺ちゃんだが、100年前にはバリバリの現役として活躍し、大戦中に起きたアロワナ城籠城戦などを戦い抜いた英雄だったようである。オクトのチャットログより、アロワナ城籠城戦の時点で階級は少尉。上記のように現時点で120歳くらいなので、逆算して100年前の大戦時の年齢は10~20代。
当時の実力は不明だが、上記のように「歴戦の白きゲソ」と呼ばれていたことから、歴戦というだけあって幾多の戦場を渡り歩いてきたと考えられる。また、オクトにて多数のタコゾネス達が襲い掛かる難関ステージのジョシリョ区駅では、本人が「ワシの竹筒なら 20キルはヨユーじゃぞィ!」と豪語する一幕もあり、仮に真実ならとてつもない実力である。(因みにジョシリョ区駅で出現する敵は15体な上に竹筒は使用できない)……ところでキルは俗語では?
そんな彼だが大戦前はタコとも仲良しだったようで、ミステリーファイルの中には、若き日のアタリメとタコワサらしき若者が談笑している写真が載っている。
『ファミ通』によるインタビューで明かされた裏設定によれば、彼はもともとタコに対して理解のあるイカで、戦争中でも調和的な思想を捨てなかったという。イカ側の部隊指揮官でありながら「すべての種族が仲よくできればいいのに」とも考えるようなタイプだったそうだ。
それでもゲーム本編でタコ達がデンチナマズを奪い、イカ世界が危機に陥った際は、New!カラストンビ部隊を結成してタコ達に対峙するなど、理想と現実の区別はできるのだろう(しかしそうなると上記の「キル」発言はかなり好戦的なセリフになるが……)。
また、週刊ファミ通No.1865で公開された人物相関図では、アタリメとタコワサがお互いに「かつての友」だったことが記されている。
ちなみに大戦時のアタリメの容姿は結構イケており、当時の写真はいずれも目元だけ影で隠されているものの、今のシワシワで猫背な姿からは想像がつかないほど、整った顔立ちと頭身の高いスタイルの好青年だったことが写真より闖える。『3』のアートブックでも「あたりめ司令の ちょいおじだった 頃」という若かりしアタリメの横顔を描いた謎の設定画がひっそり掲載されており、インクリングらしからぬ彫りの深い顔立ちで結構イケおじである(下はその模写)。
それが故か、Pixivなどでは若かりし頃のアタリメの姿を描いたファンアートも少なくない(むしろ半分くらいは若い姿の作品である)。
全くもって余談だが、オクトでは本人が「シオカラ生まれで 戦場育ち!」というラップを歌うことがあり、このことからアタリメは若くして兵士になった文字通りの戦場育ちなのでは?という説が一部プレイヤー間で囁かれている。
仮にそうだとしたら、大戦前に何らかの戦争に参加していたことになるが……大戦前なのでタコとの戦争は考えづらいし、『3』のヒーローモード冒頭のコジャケに対する友好的な反応を見るとシャケ族が相手でも無さそうだが、果たして。
余談
名前の由来は、スルメの俗称にあたる「あたりめ」と推測される。
ヨシオの由来は不明だが、「MCヨっちゃん」と名乗っているあたり、よっちゃんイカではないだろうか。
また、設定画集『ハイカラウォーカー』では、公益財団カセットコンブマキマキ協会なる組織に関わっていることが示唆されている(本編に反映されている設定かどうかは不明)。
ちなみに同協会はカセットコンブマキマキの強化選手を募集しているのだが、その募集要項の福利厚生欄に「NEW! カラストンビ部隊親衛隊会員証付与」なる文字列がある。そんな堂々とカラストンビ隊の名を世間に明かして大丈夫なのか……?