概要
『オクト・エキスパンション』に登場する架空の企業。ハイカラ地方の地下に存在する巨大な実験施設と、各地下施設を繋ぐ地下鉄『深海メトロ』を管理している謎の企業。
企業とは言うが、実態はほとんど謎。
地下に迷い込んだタコの若者たちを挑戦者として登録し、自社の地下実験施設に挑戦させる実験を繰り返している。挑戦者たちは実験を乗り越えれば「約束の地」と呼ばれる場所に行けるとされる。主人公となるタコの若者「8号」も地下に迷い込んだことで、実験施設に挑戦する10008番目の挑戦者として登録させられ、地上に脱出すべく実験に参加することとなる。
実験施設というだけあって、施設の各所では何らかの医療機器らしきものがあったりと、不気味な光景が広がる。
実験施設と直結する深海メトロの周辺には「深海の住人」と呼ばれる深海生物の住民たちが大勢生活しており、深海メトロでも利用客として乗車している住民たちの姿が見受けられる。
公式設定資料集『ハイカラウォーカー』によれば、ネル社のマークは「かっこいいウンコ」を模しているとの噂(183ページ)。すべてを練り上げて一つに纏め上げる……という意味が込められているらしい。
海外での名称は、『Kamabo Corporation』(カマボ・コーポレーション)。公式のイラストを見ると、ご丁寧にレジストレーションマーク(「®」←このマーク)までついている。
社員(?)
深海メトロ中央駅に佇むレトロな電話状の機械。
非常にひょうきんな口調とテーマ曲。
ネル社実験施設のツアーアドバイザーを担当しており、地下に迷い込んだ主人公の8号を実験挑戦者として登録、実験に必要なNAMACOカードとNAMACO端末を渡した。
名称はデンワとなってこそいるが、本編中『デンワ』と名乗ることは一度もない。
英名はTelephone。そのまんまである。
見た目通り何事も柔軟にこなす深海メトロの案内人。
電車内や各駅に各一匹配置されており、非常に職務に忠実。職務をこなすためだけに生み出された存在で、公式曰く「めっちゃいる」。
駅にいる彼らに話しかけると実験の説明をしてくれるが、時々冗談も飛び出てくる。
英名はC.Q.Cumber。Sea Cucumber(ナマコ)のシャレになっている。
不気味なカラーのタコ軍団。
他のオクタリアンとは違い、ネル社の培養液によって生み出された存在。“消毒”されたことで自我を消失しており、実験施設の設備として同族の8号らにも牙を剥く。
ネル社の(?)DJ。実験施設で流れている曲は彼女がプレイしている。
他の培養されたタコ達と異なり、元は普通のタコで、理想の音楽を求めて地下に足を踏み入れた結果消毒されてしまったらしい。
設備・アイテム等
- NAMACO端末
英名はCQ-80。
デンワから実験挑戦者に渡される携帯端末。
地下鉄の車内で使うと、深海メトロの路線図を表示し、路線図で行きたい駅を選ぶことでその駅に行くことが出来る。
モデルはしんかい2000。外見は古臭いが、空間中にホログラムを投影できるハイテク機器。
端末についているアナログスティックの操作は8号とプレイヤーの動きが連動している。
- NAMACOカード
英名はCQ card。
NAMACO端末と共にデンワから渡される。
実験施設への挑戦に必要なNAMACOポイントを溜めたり支払ったりするのに用いられ、各実験施設は改札でポイントを支払うことでチャレンジできる。チャレンジをクリアすることで、報酬のポイントがもらえる。
モデルはおそらくNANACOカード。
端末にセットして利用する。
- 検体キット
挑戦者が実験への挑戦時に装着させられる装置。
シュラフ型で折り畳まれた状態の装置で、実験開始前にドレッサーでブキを装備するとともに挑戦者のリュックに装着させられ、実験データを記録する……というのが表向きの役割。
現状が達成条件から逸脱すると起動し、非常に速いテンポでピピピ……と鳴り出すと同時に膨らみ、ナマコ車掌の「チャレンジ失敗でス」の言葉と共に爆発、8号を爆殺する。早い話が首輪爆弾のリュック版。
- エイトボール
一部実験施設に設置されているオブジェクト。
8号と同程度の大きさの黒いボールで、8の字が描かれている。
物理法則に従う。インクで攻撃されると動き、敵の攻撃でも動くため予想外な動きを取る事もある。
このボールが絡むチャレンジがいくつもあり、もしも落とすとチャレンジ失敗とみなされ、ナマコ車掌
により検体キットが8号もろとも爆散する。
- “アレ”
深海メトロのどこかにあるという物体。全部で4つある。
メカ好きのイイダにも正体がつかめないらしく、どういった風に使われるかもはっきりしない。
実験体たちが約束の地に行くたびに毎回置きなおされているらしい。
英名はThang。「物」を意味する"Thing"のスラング。
実験体たちが各実験をクリアした時にもらえる物体。消しゴムに似ているらしい。実験体たちの記憶を練り上げたもので、かつての実験体たちのものもネル社によって保管されている。
実験施設で働かされているタコ達に施されている謎の処理。
生命のエネルギーを浄化することで余計な迷いや心の不安定さがなくなり、ネル社に忠実な一部として活動するようになる。
ストーリー終盤で消毒の様子を垣間見ることができる。
ネタバレ注意!
ネル社を操る首魁。
1万2000年前に作られたAIで、タコなどの知的生命体のデータを収集しながら、長きに渡って深海メトロの保守をするとともに、各駅にある施設に挑戦させる被検体の調達を行っている。
- ネリモノ
実験をクリアし、4つのアレを集め、約束の地へ行ったものの末路。
優秀な個体を一緒くたにすることで個人という概念をなくし、そこから練り上げられた新しい『ニンゲン』を生み出すことがネル社の悲願。
- ネルス像
ネル社の中枢施設。
詳細はタルタル総帥を参照。
ネル社のその後
『オクト・エキスパンション』の一件により、タルタル総帥は撃破されてネルス像も倒壊、ネル社もバラバラとなってしまった。しかし施設そのものはほとんど破壊されず、深海メトロも深海の住人たちのために独自で運営を始めることとなった。ネル社実験施設も、8号は引き続き挑戦することができるようになっている。
また、『サイド・オーダー』ではイイダが自身の制作した仮想現実『ネリバース』を構築するための演算能力を確保すべく、ネル社のメインフレームを流用している。