舞うは嵐、奏でるは災禍の調べ
MHR:Sより
妖雲 穿げ除き 繁吹き雨
颶風峻烈 天路を結ぶ
現ずるは 嵐の化身
覆滅の龍神なり
概要
『モンスターハンターポータブル 3rd』(MHP3)で登場。通称は『嵐龍』。同作におけるラスボス。
MH4ではオトモ武具用の端材に「嵐龍の端材」というものがあり、名前のみ登場している。
MH4Gへの復活を希望する声が非常に多かったが、惜しくも竜人商人との素材交換のみに終わってしまった(また、とあるイベントクエストをクリアすることで、GX防具が作成できるようになる)。
ちなみにとあるサイトでランキングを実施したところ、復活希望モンスター3位を掴み取った。
確かに、MH4から実装された高低差を生かせば、面白い戦闘にはなりそうである。
モンスターハンターシリーズ10周年記念特設サイトで行われた「モンハンなんでもランキング」内の「好きなモンスターランキング(古龍種編)」では、2位のキリンに倍近い票差を付けてなんと堂々の1位を獲得。それまで登場作品がたった1作しかなかったにもかかわらず、その荒々しい力や秀麗な姿に数多くのハンター達が魅了されていたようだ。
そしてMHXでは拠点の1つにユクモ村が存在し、渓流が狩猟フィールドとして復活したこともあって、ついにアマツマガツチも復活するに至った。
派生作品のMHFでは遷悠種で登場していたり、中国版MHOでは、黒く光る新形態を携えて登場していた。特にMHOにおいてはサービス終了発表後に実装された事実上のラスボスとなっている。
初登場作品と同じく和がモチーフとなっているMHRiseでも登場が望まれており、アナザーストーリーで登場の伏線が貼られていたがサンブレイクの無料タイトルアップデート第5弾にて満を持して参戦。
アマツマガツチは今回が初の本格リメイクになり、カムラの里を襲う災厄の化身として獄泉郷に降臨する。
技・モーションも一新されており、さらに雷属性も追加されこれで一層嵐の化身らしくなったと言えるだろう。
また、MHP3からのハンターにとって熱いギミックも追加されている。
さらにあるキャラクターを連れていかずにクエストを行くと別のモンスターが救援に来てくれる。
本作ではヨモギとカゲロウの故郷であるツキトの都を滅ぼし、ヨモギの両親を殺害した張本人であり、ハンターノートでは『大いなる災い』と記され、フゲン曰くかつて起きた百竜夜行の災害、イブシマキヒコ、ナルハタタヒメを超える災厄。ヨモギの両親に仕えていたカゲロウからは「不倶戴天の龍」と呼ばれる等、激しい怒りを向けられている。
事実上、本作の物語のラスボスである…と思いきや、参戦発表PVでさらにこの後のアップデートで控えているラスボスが存在する事が明言されてしまった。
このため、カムラの里の物語のラスボスとするのが正しいだろう。
また琵琶法師の語りにある『覆滅』は
『完全に滅ぼす』または『完全に滅びる』という意味であり、『大いなる災い』と言われる本種に相応しい言葉と言えよう。
本作ではMHRiseの代表するアクションである「翔蟲」や設置されている「大翔蟲」を上手く扱う必要があり、まさに無料タイトルアップデート第5弾の追加モンスターかつカムラの里側の物語のラスボスに相応しい強敵になっている。
そしてムービーやクエストの描写もカムラの里編のラスボスらしくかなり熱い物となっている。
容姿
生態・特徴
古龍ではあるが、体型は海竜種や東洋の龍に近く、体には無数の白銀の羽衣がついている。
MHP3での拠点「ユクモ村」のある渓流のさらに奥深くにある「霊峰」に棲んでいる。
嵐の中、宙を舞う姿はまさに龍神。神々しくも美しいの一言である。
水中でのラギアクルスやナバルデウスと共通するモーションが多いが、動作的には、こちらの方がより優雅な印象をうける。
そしてアマツマガツチは自身の身体能力では飛ぶことは出来ず下記の能力を使うことで浮遊し移動することが出来るがその方法は悪意無き災いともいえる程の規模である。
生態・特徴
アマツマガツチはクシャルダオラやイブシマキヒコと同じく周囲の天候を操るが、その規模は2体の比ではなく天災と呼ぶべきレベルでフィールド、というより狩猟地の霊峰そのものが大嵐に呑み込まれてしまっており
支給品ボックスのあるベースキャンプに至っては水浸しとなっている。
サンブレイクに登場した獄泉郷も同様の状態でアマツマガツチが降り立てば大雨や雷、巨大な竜巻、更にその影響により巨大な大岩が上空で回っていると言えばどれほどのものかわかるだろう。
過去にユクモ地方の村や上記のカゲロウやヨモギの故郷を滅ぼしている。
そしてアマツマガツチはこの嵐を生み出しそれに乗って移動するという大規模なものでアマツマガツチが通った場所は更地なると容易に想像出来る。
さらにアマツマガツチは古龍種でありながら縄張り意識が強く自身の縄張りにいるモンスターを追い出す。
実際、ユクモ村地方の「ジンオウガ」が人里近くに姿を現すようになった原因は、もともと棲んでいた霊峰にアマツマガツチがやってきたためジンオウガは住処を追われる形で人里に下りてきたわけである。
これはMHP3の新規開始時に流れるムービーでも窺い知ることができる。
ハンターを乗せた荷車は途中の山林で激しい雷雨とともにジンオウガに遭遇する。からくもその場を逃れたハンターであったが、ジンオウガが咆哮を上げて見つめる先の空には、嵐の中を舞うアマツマガツチの姿があった―――。
しかし、アマツマガツチは古来からユクモ地方を根城にしているため、この出来事も大自然で起こる一つの現象と捉えるのが自然だと考えられる。
さらにあるモンスターと相対した際は飛び掛かられ
引き離すために上空から一気に下降して振りほどいたり
また別のモンスターの不意打ちを喰らっても地面に墜ちることなく浮遊しそのまま反撃するなどラスボスの名は伊達ではない。
能力
基本的な動き
アマツマガツチは風を纏って常に宙を浮いている。しかしクシャルダオラのように近づけない訳ではなく、普通に近づいて攻撃できる。
最初は前脚や尻尾で周囲を薙ぎ払ったり、体を回転させながら突進する。
ある程度体力を減らすと、体をくねらせて、自身を竜巻で包み込む。この竜巻にはハンターを吸い寄せる効果があり、時間が経つ程その吸引力は強くなる。
この大竜巻の中心で大回転攻撃をくらうと即死級のダメージを受けてしまう(いわゆるヤマツカミの吸い込み攻撃と同じで、強力な吸い寄せから「ダイソン」と呼ばれている)。
他にも少し溜めてからの水属性ブレスなども放つ。
MHP3
小さく回転して3方向に小さな竜巻を放つ。
体力が一定以下に減ると羽衣に赤い模様が現れ、角が金色に光を放つようになる。天候もこれまでと一変し、暴風吹き荒れ、雷鳴響く激しい嵐に変わる。これは「覚醒(怒り)状態」などと呼ばれる。
この状態になると、元々の水属性に強力な攻撃を使用するようになるほか
上空に上がり強烈な超高圧水ブレスなどを放つ。
MHR:SB
身体を輪っか状に小さく旋回して渦状の大きな竜巻(吸引付き)を起こしたり上空を身体を回転させながら旋回したのち咆哮しエリア全体にいるハンターを上昇気流で上空にかち上げて自身の周囲に大型の竜巻を複数生成する。
さらにこちらの怒り状態は上記の赤い模様の他に体色が黒くなるなどの変化が出ている。
そしてここから攻撃はさらに苛烈になり雷属性を帯びるようになり
広範囲の落雷や雷属性を帯びた手裏剣のような斬撃、サマーソルト後に3方向に落雷させたりなど多彩。
さらに嵐の力も増しており少し身体を回転して自身とハンターに竜巻を発生させて閉じ込めたり、上記の渦状の竜巻をもう一つ追加して範囲を大きくしたり(この2つの渦状の竜巻の技を見たプレイヤーはジョジョに登場するワムウの神砂嵐を想起した)
上記の竜巻生成を連続で放ってくる。
上記の上昇気流でハンターを真上に吹き飛ばしてから大型の竜巻に閉じ込めた上での猛烈な突進など非常に苛烈な攻撃を繰り出すようになる。
いずれも非常に高い威力を持ち、さらに追撃を仕掛けてくる事もある。
そして必殺技は咆哮すると景色がさらに暗くなり上空に上がって下に降りエリア外に行き雷属性のエネルギーを溜めて回転したのちエリア内に突撃し地面に着地すると咆哮と同時に地面から雷属性エネルギーをエリア全域に放ちスリップダメージを与えてくるというもの。
武具
武器は総じて40〜50程度の水属性と各武器種トップクラスの攻撃力を持ち、斬れ味は非常に短いものの紫と高水準。もちろんデメリットもあり、20%程度の会心率マイナス補正が存在する。また特殊なギミックとして鉄蟲糸技の威力が1.1倍になるというものが存在する。
武器は銅鐸と勾玉(片手剣)、扇子(双剣)、琴(狩猟笛)、七枝刀(ランス)、鏡(ハンマー)、時計(ヘビィボウガン)など祭事に用いられる神器の意匠が施されるものが多く、全ての装備に『凶』の文字がつく。
防具は古の日本の神官や天上人を模したようなものとなっており、カラーは純白である。
冒頭でも述べたとおり、MH4Gでは登場しないが、ちゃっかり発掘装備やGX装備が用意されており、何気に優遇されていると言える。
生態動画
ユクモ村付近では飛行船は登場しない。なぜなら、飛んで来るには来るのだが、その途中通りかかる霊峰にてアマツマガツチによって打ち落とされて、ユクモ村周辺にたどり着けないためである。
この様子はアマツマガツチの生態ムービーにも描かれており、古龍という生物の強大さの一端を窺い知ることができる。
余談
モンスターハンターシリーズに登場するモンスターの中でもかなり演出が凝っている。
BGMも豪華なものとなっていて、最終形態への変化を境に「大風に羽衣の舞う」から「嵐の中に燃える命」に遷移、そして討伐後のBGMも専用BGM「生者を照らす朝日」という、豪勢なものになっている。遷悠種の討伐時のBGMは登場作品由来のため、当然MHFでも「生者を照らす朝日」はしっかり引き継がれている。
極め付けとも言えるのが討伐するとつい先刻まで大嵐だった霊峰に陽の光が差し込み瞬く間に雲が晴れ青空に変わっていくと言う美しい演出が用意されている。
ちなみにサンブレイクにおいても
戦闘BGMについては多くの復活モンスターがアレンジを加えられているのに対し、アマツはイヴェルカーナ同様原曲ママ、つまりMHP3のBGMなのだが、アマツのクエストではサウンド周りはすべて手が加えられており、効果音や肉焼きまで徹底的にMHP3仕様という破格の扱いになっている。
参考イラスト
関連項目
シャンティエン - (MHF-Gに登場する本種と酷似した古龍)
イブシマキヒコ - (MHRiseに登場する古龍種。風を操る、翼を持たないが飛行することができる、モンスターを住処から追いやる等共通点が多い)
百竜ノ淵源ナルハタタヒメ、ガイアデルム - (MHRiseとMHR:SBの各ストーリーにおいてのラスボス)
ジンオウガ、ヨモギ、カゲロウ、タドリ - (モンスターと人間、竜人族という違いはあれど、アマツマガツチによって故郷を奪われた被害者達)