概要
ヴェニュスパークは、クロスメディアコンテンツ『ウマ娘プリティーダービー』に登場するウマ娘。初出は、アプリゲーム版『ウマ娘』2023年8月公開のシナリオ「プロジェクトL‘Arc」。
レースにおいて、天賦の才を発揮し、負け知らずのまま凱旋門賞へ踏み込む。幼いころから慕っている“師匠”がいるが、彼女にとっては師匠も超えるべきライバルの1人。
余談
モデルと予想される競走馬「Treve」
ヴィジュアルと詳細が発表された時点で「くすんだ白と赤襟の勝負服」、「左耳の飾り」、「負け知らず」、「師匠と呼ぶウマ娘がいる」などの情報から、競馬ファンを兼ねたトレーナーから「モデルとなった馬がいるのでは?」とされ、モデル元はほぼ間違いなくトレヴなのではないかと考察されている。
トレヴ(Treve)は2010年フランス生まれ、フランス調教の牝馬の競走馬。(13世代)
牝馬でありながら、凱旋門賞を2連覇した女傑である。
父はモンジューの初年度産駒であるモティヴェイター、母は『アイアン・レディー』ことトリプティクの近親にあたるトレヴァイス。
まさに良血の塊の様な血統だが、当時はモティヴェイターの種牡馬評価が低く見られており、加えて当馬は小柄な馬体で兄弟にも活躍馬がいない事から評価は低く、セリに出されるも売れ残ってしまう。仕方なく生産牧場がオーナーとなり、代表の娘であるクリスティアーヌ・ヘッド調教師に預けられることとなった経緯を持つ。
…しかし、いざ走らせてみるとその評価は一変。
9月と遅めのデビューながらもデビュー戦から2連勝。
勢いそのままにフランスのオークスにあたるディアヌ賞へ挑み、レコードタイムで優勝。無敗のオークス馬となった。
このオークスの圧勝でカタール王族のシェイク・ジョアン殿下から声が掛かり、トレードが成立。以後はランフランコ・デットーリ騎手を主戦に凱旋門賞を目指す事となる。
次走は前哨戦として挑む古馬混合の牝馬限定戦ヴェルメイユ賞。
強豪の古馬が揃うメンバーの中だがものともせず、1と3/4馬身をつけて快勝した。
凱旋門賞へと弾みをつけた陣営だったが、なんと騎乗予定のデットーリ騎手が骨折。
思わぬアクシデントに見舞われたが、凱旋門賞本番はディアヌ賞まで鞍上を務めたティエリ・ジャルネ騎手が鞍上を務めることとなった。
そして迎えた凱旋門賞。欧州の強豪が出揃ったが、それ以上に脅威と見られていたのは日本からの遠征馬の2頭、フォワ賞を圧勝し、前年2着のリベンジに燃える『金色の暴君』・オルフェーヴルとニエル賞でエプソムダービー馬ルーラーオブザワールドを下した同年日本ダービー馬のディープインパクト産駒・キズナである。
今度こそと意気込む日本勢だったが、終盤のフォルス・ストレートでトレヴが先頭に立つとその先はもう彼女の独壇場。キズナ共々馬群をぶち抜いて迫るオルフェーヴルを突き放し、終わってみれば5馬身差の圧勝。無敗の5連勝で凱旋門賞を制覇し、見事にフランスの金看板を守り抜いた。
欧州の競馬シーズンが終わり、このまま繁殖に入るかと思われていたトレヴだが、なんと現役を続行。アレッジド以来の凱旋門賞連覇を目指すこととなる。
…が、始動戦のガネー賞を2着に敗れ、無敗がストップ。続くプリンスオブウェールズステークスでは3着、再び挑んだヴェルメイユ賞ではなんと複勝圏を外す4着と暗雲が漂った。
そして再びの凱旋門賞。日本からはかのアドマイヤベガの母であるベガの血を引く名牝・ハープスター、ドバイデューティーフリーを制した世界最強馬・ジャスタウェイ、そしてウマ娘でもお馴染みの『白いやつ』・ゴールドシップが参戦。前走までが不調だったトレヴは評価を落として7番人気となったが、再びの騎乗となったジャルネ騎手は最初からインを付いたまま離れない、所謂「内ベタ」という奇策を取った。馬群が散らなければそのまま沈むこともあり得るハイリスクハイリターンな戦法だが、その奇策は見事に噛み合い、終盤に抜け出すと見事に1着。低評価を覆し、かのアレッジド以来の連覇を達成した。
翌年も現役を続行し、リボーやアレッジドを超える凱旋門賞3連覇を目指す。
去年とは違い、始動戦のコリーダ賞、続くサンクルー大賞、ヴェルメイユ賞を圧勝し順風満帆の状態で三連覇を見据える。
…しかし、そうやすやすと上手く行かないのが世の常。
前年以上に厳しくなったマークに晒され、直線でも上手く抜け出すことが出来ず、結果は当年ダービー馬・ゴールデンホーンの4着に終わった。
トレヴはこのレースを最後に引退。繁殖入りした。
現在は繁殖牝馬となっており、フランスの牧場で繁殖生活を送っている。