「私が立案した作戦行動に臨めること、光栄に思いなさい」
概要
CV:手塚ヒロミチ
アーキバス・コーポレーションのAC部隊「ヴェスパー」の次席隊長。指揮官としての自覚に欠ける首席隊長のV.Ⅰフロイトに代わって、ヴェスパー部隊の指揮および作戦立案を担当している。エンブレムは左右に開かれた顔。
ACシリーズでは珍しく良い人揃い、かつそんな良い人達を取捨選択しなければならないAC6において、その「主人公の敵役」を貫く姿勢は「遠慮なくぶっ飛ばせる」と高評価。
そこに紛れもない嫌な奴かつ許されない所業の数々を成していながら部下にも上司にも恵まれない哀愁漂う姿も加わって界隈の歪んだ愛を一身に集める、ある意味人気キャラクターである。
そのせいだろうか二次創作では「陰険オールバック眼鏡」の確率が高すぎる男。
人物
第8世代強化人間だが、その後新しい技術が生まれる度に再手術を繰り返している。彼が受ける再手術の安全性を保証するため、多くの強化人間を実験体として使い潰してきた。
アリーナランクは6。
アーキバス主導での「壁越え」作戦にC4-621を参加させるべく彼に接触してきたハンドラー・ウォルターの提案を慇懃無礼な態度で一蹴するが、部隊長でありながら独断専行の多いフロイトの不在を皮肉りなおも食い下がるウォルターの要求を呑んだ。
この時の交渉で621の事は「駄犬」と呼んでおり、ハンドラー・ウォルターに「駄犬」呼ばわりを止めろと文句を言われて以降、当人の前では「独立傭兵レイヴン」と呼ぶようになる。
他人と会話する時は常に高圧的な態度で相手を見下しており、最初に聞ける通信の段階で会ってすらいない独立傭兵レイヴン(=プレイヤー)を見下す発言をしているため、初見で悪印象を持ったプレイヤーも多いかもしれない。
記事冒頭のセリフはミッションブリーフィングを行う際に最初に言い放つセリフである。
もっとも企業所属のAC乗りが独立傭兵を馬鹿にするのは珍しいことではないようで、レッドガンのG5イグアスも621にしつこくマウントを取ろうとしている。
しかしスネイルの場合は誰に対しても同じ態度であり、フロイトを除いた他のヴェスパー部隊長に自分の事を「閣下」と呼ばせているようで、作中で何度か「スネイル閣下」と呼ばれているのを聞くことができる。
一方、部隊長としての職務を放り出していながら自身よりも序列が上なフロイトに対しては、直接的な描写こそ無いが内心苦々しく思っている模様。
前述したように「壁越え」では売り込みをかけてきたウォルターを最初は一蹴したが、「フロイト以外に頼れる人材がいないのは不幸だな」と煽られたことがきっかけで最終的に621を雇っているあたり、フロイトにこれ以上手柄を立てさせたくないことが窺える。
当然のことながら他人からの評価は散々で、レッドガンのG1ミシガンから(序盤のミッションで621の実力を偉そうに評価したG4ヴォルタに対し「批評家は要らん」と言っていた事もあり)「ヴェスパーは批評家で務まる」と皮肉を言われ、G5イグアスからも、ヴェスパー上位で指揮権限を預けられてはいるもののやってる仕事は辺境の星ルビコンでのコーラル調査という内容を揶揄されてか木端役人なんてあだ名をつけられている。
同僚からも内心疎まれているのか、V.Ⅴホーキンスに「人を呼びつけるのが好きで、そのくせ偉そうに遅れて来るのはいつものこと」評されている。
V.Ⅳラスティもスネイル立案のミッション内容を伝える際に呆れたように「私の上官からお言葉がある、まあ聞いてみてくれ」と言っている様子から信頼されていないことが窺える。
その一方で、自分と企業に忠実な者は遠慮なく捨て駒にする。
明確に序列が上のV.Ⅰフロイトには指揮権限を持っているのに平然と命令を無視される始末。(むしろ彼が戦闘に注力したいがためにスネイルになにもかも丸投げしている感がある)
忠誠心の足りないものは懲罰任務とすらいえる厳しい任務に着かせ、忠実なものは使い捨て、その果てに彼の周りに何が残るのだろうか?
しかし本人の能力は当然ながら優秀で、作戦指揮を執りつつ必要な場面では自らACを駆って戦闘を行うなど、アーキバスへの献身は確かである。
AC乗りとしての腕前についても、あのラスティから「次席ナンバー持ちは伊達じゃない」と評価されるだけあり、弱体化される前までは猛威を振るった強武器「ワーム砲」ことスタンニードルランチャーと、高負荷重量機体であっても猛烈な長距離突進力を発揮できるレーザーランスを駆使する実力者である。
アーキバスの運営する「再教育センター」の長官も兼任しており、収容人数は日に日に増えている模様。
収容された人間に対し、より非人道的な加工を行う「ファクトリー」にも関わっているようで、無人ACの性能テストではファクトリーへ「次は胴まで残した部品を送るのです」と伝達している。
「無人機の時代を終わらせたのがACなら、その優位性はどこから来るのか」ということに興味を持ったらしい。
ストーリーでの活躍
- 「壁越え」
初登場はチャプター1のミッション『壁越え』開始前の幕間のシーン。ミッション開始前のブリーフィングでは「せいぜい犬死にしない様気を付ける事です」と嫌味な態度でブリーフィングを締めくくるが、実の所最初から621を捨て駒にし、良いとこ取りするつもりだった。このことは作戦成功後に対ジャガーノート戦で共闘したV.Ⅳラスティより伝えられ、「だがこれでスネイルも君の名を覚えるだろう」とのことだったが……
(ラスティは共闘中に敵の増援が迫っているという連絡を受けて離脱したが、これもスネイルの嘘という可能性もある。しかしラスティがそこまで言及していないため不明)
- 「旧宇宙港奪還」
惑星封鎖機構の2拠点への同時襲撃作戦、片方の拠点はラスティが襲撃し通信網を分断、増援要請を妨害しもう片方の拠点へ621が襲撃をかける作戦を立案する。しかしこれまたラスティより「通信網の分断は一時的な物で、621の方へ増援が向かうだろうから、自分の仕事が終わったら救援に行く」と621に伝えられた。つまりスネイルはまたしても621を捨て駒にするつもりだったが、ラスティが約束通り駆けつけたこともあり、辛くも生還を果たした。
- 「アイスワーム撃破」
作戦のブリーフィングを仕切ろうとするが、途中でG1ミシガンに話を遮られるなどコミカルな面も見せる(この作戦の総指揮官はミシガンなので当たり前だが)。
現場指揮官として前線へ出る事を申し出るが、その際も相変わらずの様子で「寄せ集めには統率が必要です」と語る。
ちなみにここでスタンニードルランチャーを装備せずに出撃するとミシガンに怒られるが、意外にもスネイルからのコメントはない。
呆れて物も言えなくなったか、あるいは621を雇ったのはベイラムだから自分の責任ではないということか。
乗機「オープンフェイス」
彼が駆るのは重量二脚型AC「オープンフェイス」(OPEN FAITH)。
エンブレムは顔だがFACEではなく「信仰」などを意味する方である。
アーキバス先進開発局が製造した重量二脚型パーツをフルフレームで使用し、スタンガンと『VI』からの新型ブレード「レーザーランス」、そして対アイスワーム兵装「スタンニードルランチャー」を搭載した強制放電ダメージ特化仕様。
スタンガンとプラズマミサイル、スタンニードルでスタッガーを狙い、すかさずレーザーランスで一気に突っ込んでくる戦術はシンプルながら強い。
重量機特有の防御力・耐久力の高さもあって、打たれ強くしぶといため、侮ってかかれる相手ではない。
なおアイスワーム戦に参加した際には、レーザーライフルと拡散レーザーキャノンを装備している。
アセンブル
頭 | VE-44A | アーキバス先進開発局製重量頭。重装甲で各種防御性能に優れる。 |
---|---|---|
コア | VE-40A | アーキバス先進開発局製重量コア。ジェネレータ出力補正と各種防御性能が売り。 |
腕 | VE-46A | アーキバス先進開発局製重量腕。反動制御と防御を重視。 |
脚 | VE-42A | アーキバス先進開発局製重量二脚。圧倒的なAPと耐EN防御、ホバー移動が特徴。 |
ブースター | BUERZEL/21D | シュナイダー製。アサルトブースト特化型。 |
FCS | VE-21B | アーキバス先進開発局製。中遠距離射撃戦を重視しつつミサイル向け性能も良好なモデル。 |
ジェネレータ | VE-20C | アーキバス先進開発局製。高いEN射撃武器適性を持つ重装機体向けジェネレータ |
コア拡張 | アサルトアーマー | 弾をかき消しつつ広範囲にダメージを与えることを目的としたアーマー。 |
右腕武器 | VP-66EG | アーキバス製のスタンガン。強制放電を誘発する兵装。接近戦で真価を発揮する。 |
---|---|---|
左腕武器 | VE-67LLA | アーキバス先進開発局製のレーザーランス。チャージにより多段ヒットの長距離突撃を繰り出す強力な近接武器。 |
右肩武器 | VE-60SNA | アーキバス先進開発局製のスタンニードルランチャー。連射が比較的効き、高い直撃補正と強制放電のダメージが売りの極めて強力な兵装。通称『ワーム砲』。 |
左肩武器 | Vvc-70VPM | VCPL製の垂直プラズマミサイル。垂直発射による高い命中率、広い攻撃範囲、良好な連続発射数を持つ優秀なプラズマミサイル。 |
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重大なネタバレ
…まったく 企業を出し抜こうなど
身の程を弁えない駄犬には 教育が必要です
…それから
その飼い主にも
ミッション「集積コーラル到達」で621がアイビスシリーズを撃破した直後、不意撃ちでスタンニードルランチャーを撃ち込み捕獲。
ほぼ同時にウォルターも拉致した様であり、その後技研都市の下水道へ監禁した621へ「再教育」を施そうと企む。
ちなみにこの直前、V.ⅥメーテルリンクとG3五花海が技研の無人兵器や621と戦っており、メーテルリンクはスネイルに増援要請をしていたが、スネイルは無反応だった。
- ルート「レイヴンの火」
直接対決することはなく、「企業勢力迎撃」でのフロイトとの通信が最後の出番となる。
今まで高慢なれど用意周到なスネイルだったが、アーキバスの勝利を目前に気が大きくなったのか、もしくはフロイトが動いたからか、ザイレムと621を「些事」と言い切って部下に丸投げした。
しかし封鎖機構から鹵獲した高性能機が悉く撃破され、「些事ではなかったのか……?」と動揺を見せる。
それでもまだフロイトがいると余裕をかますが、そのフロイトはザイレム破壊という命令を無視して621とのタイマンに熱中。
スネイルは本来の仕事をするよう指示するも、空返事だけでスルーされるというオチだった。
彼自身は地上で指揮を執っていたようで(相手は不明。解放戦線かベイラムの残党か?)、この時点でまだルビコンにいた時点でレイヴンの火に巻き込まれ死亡した可能性が高い。
- ルート「ルビコンの解放者」
尻尾を巻いて逃げたものと思いましたが…駄犬がまだ歯向かうつもりですか
…どいつもこいつも身の程というものを弁えない
途方もない頭の悪さだ…!
ミッション「シンダー・カーラ排除」の道中で遭遇。
こちらではフロイトが動かなかったのか、自分がザイレムへの攻撃部隊を率いている。
撃墜する事も出来るが無視する事も出来る。
621の再教育はアーキバス上層部の命令だったようで、そんな命令を下した上層部を間抜けと見下している(621が脱獄した際にもスネイルは即座に「抵抗が激しければ殺せ」と命じている)。
また、ウォルターも再教育を受けさせられていた様であり「実に反抗的でしたよ」と語る。
撃墜すると戦域から離脱する。
どこまでも鬱陶しい駄犬め…!
だがプランはまだある…二重三重にな…!
その次のミッション「動力ブロック破壊」の最終局面で…
…独立傭兵レイヴン
駄犬というのは訂正しましょう
貴様は…
駆除すべき害獣だ!
アーキバスが鹵獲した惑星封鎖機構のバルテウスを改修し有人機とした機体『AAP07A アーキバス・バルテウス』に搭乗し、普段の冷静さをかなぐり捨て、怒り剥き出しで621を駆除しにやってくる。
裏切り者の第4隊長
頭の悪い上層部
そして何より火種を撒き散らすルビコンの害獣…
どいつもこいつも…この私を苛立たせる…!
死んで平伏しろ!
私こそが企業だ!!
その一方で企業上層部への愚痴なども少し吐き出しているため、彼にも中間管理職の辛さがあったのかもしれない。
実際、アーキバスがここまで優位を形成できたのは(やり方は非道なれど)確かにスネイルの作戦に寄るところが大きく、そればかりかこの手のキャラには珍しく必要あれば自分も前線で戦っていた。
それに加えて真面目に隊長職を務めてるとは言い難いV.Iフロイトに手を焼き、組織内部の不穏分子を警戒し、現場を分かっていない上層部との折衝もやっていたのだとすれば、自分こそが企業(アーキバス)そのものだと言いたくなるのも分からなくはない(なお、ACシリーズにおいて企業は現実における国家に相当、あるいは匹敵する存在であることを留意すべし)。
ちなみに、前のミッションでスネイルを撃墜したかスルーしたかでセリフが変化する。
前者の場合は殺されかけたこと、後者の場合は無視されたことに激怒している。
高いEN耐性と火力を持って攻撃してくる強敵ではあるが、この際なりふり構っていられないのなら、両肩にアイスワーム戦で支給されたスネイルも愛用のスタンニードルランチャー、両手に重い方のショットガンを積めばやり易い。
PA特攻は付いていないがなまじ素の火力や衝撃力が高いので、ボコスカ撃ってればあっという間にPAを剥がしスタッガーさせた上で高火力を叩き出し、ついでに強制放電による追加ダメージ及び硬直と不憫になるくらいボコボコにできてしまう。
やはり移動が重くなりがちなのでレーザーキャノンには注意。
極めて強力な兵装であるためぜひともスネイルへ意趣返しをしてやろう。
但し、かつて戦ったバルテウス同様、HPが半分を切るとなりふり構わない攻撃を仕掛けてくる。
乗り換えた二番煎じの改修機と思って油断すると手痛い反撃を受けるので注意。
上記装備でやられる前にやってしまうか、HPの調整をしよう。
そんな…
私は…企業だぞ…!?
最後の…プランを…
ぐああああああああああっっっっっ!!!!!
彼が最期に残した最後のプランとは次のミッションで相対する事となる…
- ルート「賽は投げられた」
ミッション、「集積コーラル到達」で621を不意撃ちする計画をオールマインドに伝えられ、直接スネイルの排除に向かう事となる。
その道中にて、スネイルがメーテルリンクと五花海を助けなかったのはその計画のためと判明。
技研都市下水道最奥部で交戦となるがその際「…身体に聞くことにしましょう」とどこかで聴いたようなセリフを放つ。
しばらく戦闘を続けるとG5イグアスが乱入、イグアスに「木端役人」と呼ばれるがスネイルもイグアスの事を「狂犬」と呼ぶ。
三つ巴の激戦の末最終的にはイグアス共々621に撃墜され、戦死。
他ルートの暗躍ぶりが嘘のような呆気ない最期となった。
そのため、他のルートと比べて退場が早い。
馬鹿な…この私が そんな…!?
ネタバレを含む余談
- 過去作で聞いたことがあるような台詞をよく言う。
先述の「…身体に聞くことにしましょう」以外にも、
などなど。
また、彼がプランに拘る性格であることや強烈な印象の断末魔を残すところは『フォーアンサー』に登場する彼に通ずる部分がある。
もしかしたら彼を意識しているのかもしれない。
- 最終決戦で放った「私こそが企業だ!」という名(迷)ゼリフから、二次創作では「アーキバスの宣伝活動にも熱心で、アーキ坊やを偏愛している」というキャラ付けをされることがある。
- スネイルがなぜ強化手術を受け続けていたのか、(いつものように)その理由が明かされることは無かったが、ヴェスパー最強のフロイトが「自己研鑽を積み重ねてきただけのただの人間」でしかなかったこと、そして「自分こそが企業(アーキバス)だ」と自負しながらもフロイトの次席に甘んじ続けていた自分に、何か思うところがあったのではないかとも言われる(それでもなおフロイトに勝てないという特大の尊厳破壊を喰らっているわけだが)。
- 最期まで「狡猾な野心家」「神経質な実利主義者」という印象の彼だが、よくよくヴェスパーの面々を振り返ると……
- バトルジャンキーでリーダーの自覚に乏しいフロイト
- 実力は問題ないが積極性に欠ける言動が多いオキーフ
- 気鋭のエースだが、ACのアセンブルに自社を含む大手企業製のパーツを使おうとせず、挙句に商売敵の飼い犬との交流に余念がないラスティ
- 部隊内の仲裁役かつ人格者として振る舞うが、そのためなら自分への毒舌も辞さないホーキンス
- 自己判断力に欠ける社畜体質のメーテルリンク
- 自分を崇拝している風だが、土壇場で金をチラつかせ、あまつさえ自分を引き合いに出して命乞いをしたスウィンバーン
- 二重人格者かサイコパスの疑いが拭えないペイター
と、ACパイロットとしては一級だが企業戦士としては問題児だらけだったりする。
加えて主目的たる集積コーラルと調査技研の遺産の捜索の他にも、ベイラムへの牽制、ルビコン解放戦線の抑止、惑星封鎖機構への対策、突発的に出没したり拠点候補地を不法占拠するドーザーの駆逐、独立傭兵として頭角を現しコウモリのような振る舞いをするウォルター一派への警戒など、中間管理職としてやるべきことが多すぎる。
そりゃ神経質にもなるって話である。
そのためか、思い通りに事を進められない彼の実事にほくそ笑むプレイヤーがいる一方で、「本作の苦労性担当」として同情の念を向けるプレイヤーも少なからず存在する。