『あれは疑いなく、サイト-19で2番目の悪夢の夜でした。』
SCP-666½-J『The Roaring Flames of Hell』日本語に訳すと地獄の業火とは、SCP Foundationに登場するジョークオブジェクトである。
オブジェクトクラスは、Keter。
………だが、ただの収容困難ではなく『Sweet mother of mercy is it ever Keter』
日本語訳すると慈悲深き母よ。こいつは未だにKeter
概要
最初に言うと正体はサイト-19の財団45周年記念「収容会食会」に調理担当者の衛生状態が劣悪な財団の配食サービスが『妙にしょっぱい塩の代用品』を用いて提供した『主菜のカニ身乗せマッシュルーム』
…………つまるところ『キノコのカニ身詰め』である。
嫌な予感しかしないがこれが色々と腹に危ない代物で、食べた後に何が起こるかは、報告書にまとめられているのだが
…以下の引用は全て原文ママである。
人間の被験体が摂取すると、SCP-666½-Jは被験者の消化器系の内部で5段階の局地的なK-クラスシナリオを引き起こします。
腹を壊す様子をKクラスシナリオと表現する財団クオリティ。
- 第1段階
SCP-666½-Jは突然の急激な便意により、短時間のあいだ、軽度の吐き気をもたらします. しかし、解放の至福のひとときの直前に、SCP-666½-JはDKクラスの支配シフトをひきおこし、被験者の股ぐらを支配し、被験者の体の穴という穴を閉じてしまいます。解放することに対する深い深い情欲は被験者を完全に無力にしてしまいます。
被験者はしばしば、息切れ、歯を食いしばることによる強い顎痛、死んでも離すまいと水洗式便器の縁に手を置き続けたことによる軽い痛みを体験します。
- 第二段階
被験者の腸がSCP-106の収容に匹敵するレベル (実際それ以上の悲鳴をあげます) の収容から15-20分後、被験者は下腹部の安らぎ、爽快感の波、そして最悪の時は過ぎ去ったのだという束の間の希望により、RKクラス恍惚 (Rapture) シナリオを短時間体験します。
この後、サタンが被験者の肛門管をツルハシで傷めつけるかのごとく、被験者の腸の中でゲヘナの門が開かれます。
突然のSKクラスの世界炎上 (Scorched Earth) シナリオが、約糞ったれカップケーキ度ケルビンの死の炎が悪魔の渦を完膚なきまでに荒らしまわるごとく、被験者の消化器官の内壁を破壊するのです。
あらゆる幸福な記憶が、あらゆる喜びの思い出が、平穏と安らぎ、そしてほかの何もかもが、聖書の一幕の押し寄せる大噴火のごとく、荒々しい、 歯が砕けるほどの苦痛によって燃やし尽くされます。
被験者は一時的に失神または時間感覚の喪失を体験し、汗と涙のぼやけたもやの中で空に向かってあえぐ状態になります。
相当苦痛なのか、文章まで『約糞ったれカップケーキ度ケルビン』と支離滅裂になり始める。
- 第三段階
この状態は2-3時間続きます。この段階では被験者は大抵の場合で幻覚症状があり、様々なKeter級のSCPに無残に殺される情景を作り出すことで苦痛を和らげようとします。
幸福な記憶を燃やし尽くされたせいか、苦痛で苦痛を和らげる暴挙に出始める。
被験者のCKクラス完全収容違反 (Total Containment Failure) シナリオが進行する中で、被験者は腸の内容物を放擲し あらゆる希望が残りカスだけを残して打ち砕かれます。
この際のすさまじい奔流はフーバーダムの大決壊に喩えるのが最適でしょう。
つまり、とてつもなく膨大な量の液体が驚くほどの速さで放出されますが、苦しみに慈悲の終止符をもたらすほどの速さではありません。
被験者はこの体験を、今まで生きてきたなかで食べた全ての食事が時間軸を逆行して激しく吐き出されるとともに、胃腸の中身が脳裏に瞬時に去来するようだったと述べています。
- 第四段階
全く不可解な量の廃棄物が感染者から吐き出されることから、研究者らは被験者の消化器官は異次元かあるいは反エントロピー的な性質を帯びているのではないかと結論しました。
放出された物体は健康的な排便とは似ても似つかずまったく程遠いものです。
むしろ、腐食性に加え、間違いなく放射能を持っていそうな、ひどく焼けただれたおぞましい廃油のようです。放出段階は大抵の場合、等しく短時間ですが、SCP-666½-J によって生成された異常時間場により、被験者はこれが人生6回ぶんほど続くように感じられます。
- 第五段階
被験者の惰弱すぎる肉体では、世界の終わりに巻き起こる地獄の業火による感情的・物理的な外傷に耐えるのは絶対に不可能なため、SCP-666½-Jは最終段階のUKクラス宇宙崩壊 (Universal Collapse) シナリオに入り、被験者はもう一度だけ、そして最後の胃腸のラグナロクの最高潮を体験します。そこでは幸福で、そして慈悲のあることに意識を失った状態になります。
被験者は1-2時間後、体験したことの完全な記憶を持ったまま覚醒します。
しかし、感染した被験者の中にはこの気絶から再覚醒の間に別の場所に移動していたことに気づいたと報告するものもいます。
ある研究者は自身が清潔でまっとうな身なりで、タイム誌の山の上に横たわっている状態で目が覚め、その前後の記憶がなかったことを証明しています。
ちなみにこのSCP-666½-J、1500名の参加者のおよそ42%(約630名)が食べたそうなのでそれほどの人数が上記のような状態で地獄を体験したのだろう。
何しろ、近くのトイレが行列ができるほど満員になり、3時間後までには救護のために近隣サイトから職員が駆けつけるほどの大惨事だったそうだから。
彼らの反応
SCP-666½-Jの効果を体験する被験者のほとんどは、その後2週間ほど、胃腸の残留物とこの出来事による心的外傷を受けることになります。
完全にトラウマである。
これを食べた「ライツ博士」、トラブルメーカーたちがそれぞれ以下のように感想を述べている。
「SCP-666½-Jはまるで1度に3人赤ちゃんを産むようなものよ。そいつらが全員燃え上がってる以外の点ではね。
それと、助産婦が無神経にもあなたをバールのようなもので叩きながら、耳元でもっといきむようにと叫んでるさなかにそいつらが全身画びょうに覆われててアナタを内側から食らいつこうとしているという点も。」
- ライツ博士
「今の私は事件から3体目の肉体だが、まだ身体機能がうまくはたらいている感じがしないよ。もし許可してくれるなら4体目に移ってもいいかい。」
- ブライト博士
「3週間経ったがまだまっすぐ立てないぜ。おれはあいつをまじまじと見たんだ。パセリが添えられていたぜ。」
- コンドラキ博士
「Keter級の収容違反が阿鼻叫喚を招き、人員の士気を奪い尽くしたのを目撃したと、私は確信を持って言います。
あれは疑いなくサイト-19で2番目の悪夢の夜でした。」
- ギアーズ博士
これを馬鹿が無害なEuclid級に与えたようで、与えられたSCPは人に対して攻撃的になり、出所不明の奇妙な物体が、対象SCPの収容室の床に現れるようになったらしい。
それでオブジェクトにこれを与えることは禁止された…はずなのだが
SCP-682終了作戦
倫理委員会による指針にも関わらず、SCP-666½-JがSCP-682に与えられました。
大馬鹿者が不死身のクソトカゲに与えた。キレたクソトカゲによって惨劇が引き起こされるに決まっt…
報告書にはこのような記載が。
SCP-666½-Jの怒りが頂点に達すると、SCP-682は両手を空に掲げ「ヨグ=ソトスよ、いますぐ連れて行ってくれ!」と叫び、この肉体を残して死にました。無力化に成功しました。
流石のクソトカゲも食中毒による苦痛には耐えられなかったようだ。
「おお神よ (感涙にむせぶ)」
- クレフ博士
(ジョークです]
結局なんだったのか?
簡単に言ってしまえば「食あたりの苦しみを財団流の表現で余すことなく表現した」ジョーククラスオブジェクトである。
食中毒の症状は主に腹痛、下痢、吐き気など
そんな大げさなと思うかもしれないが、実際には1日をほぼトイレで過ごすようになる割りとシャレにならない激しさで、脱水症状を引き起こす危険性もある。
上記の症状を引き起こすので一度体験した人にこそ上の面白さは余計に伝わるのかもしれない。
とはいえ、食中毒やノロウイルスなどはマジで洒落にならないので。
料理をする際はキッチンや食器具は清潔に保ち、豚肉などの生物にはキチンと火を通そう。