いろいろな化学物質を不純物なしに合成できるもとになるので、大変重宝がられている。
概要
古代のプランクトンが、地面や海水の圧力を受け、何億年もかけて液化したものというのが有力な説。そのため、古代に浅い海であった地域で多く発見される。
現在ではアラビア半島周辺やベネズエラ、北海、メキシコ湾、ギニア湾岸などで多く採掘されている。石油の存在には地域的な偏りがあるので、過去多くの戦争や政治問題を招いてきた。
採掘された状態のものを原油といい、これを精製して各種の石油製品とする。
利用
分留することで燃料や舗装材として利用するほか、他の有機物への合成など多岐にわたる。
・分留によって作られる石油製品
・石油から作られる有機物
各種のプラスチック、合成繊維、塗料、溶剤、接着剤、潤滑油など
環境とのかかわり
不純物を含んだ石油をそのまま燃やすと、毒性の強い窒素酸化物(NOx)や粒子状浮遊物質(SPM)が大量に発生して大気汚染の原因になる。また、換気が不十分なところで燃焼させることも有害物質発生の原因になる。環境基準で、適切に精製した石油製品を販売するよう定められている。
また、脱税の目的で混ぜ物をした石油製品(不正軽油など)の使用は、大気汚染の元凶にもなるので、絶対にしてはいけない。
あまり意識されないが、石油を燃やすと大量の水(燃やした石油の量に匹敵する)が発生する。そのため、石油ストーブを使っている部屋は、石炭ストーブや薪ストーブの部屋よりも湿度が保たれやすい。