トロニウム・エンジン
とろにうむえんじん
概要
惑星トロンに存在するレアメタル「トロニウム」を用いた動力機関。
米粒と同じ大きさをしたトロニウムから宇宙戦艦30隻分のエネルギーを引き出すことで絶大な力を発揮できるようになるが、出力が大きすぎて制御が難しいほか、エンジンの構成材料が強力なエネルギーに耐えられず、フルドライブの状態ではオーバーヒートや暴走の危険性が高まるほか機体にも負担がかかるため3分が限界であり、暴走した場合は爆発すると半径50kmが爆発に巻き込まれて消滅するため、制御の困難さと暴走の危険性から異星人の超技術「EOT」の指定を受けており、普段はリミッターをかけて出力を半分以下に抑え、25%の出力であるクォータードライブや半分の出力であるハーフドライブで運用されている。また、爆発の威力が絶大であることから当初は特攻兵器としての運用も検討されていた。
なお、大爆発するのは暴走状態に陥った時のみであり、通常時に破壊されただけでは暴走せず、大爆発は起こらない。
トロニウム・エンジンは非常に小型であり、機動兵器への搭載が簡単であるが、出力が不安定で常に変化しており、出力を表すエネルギー・ポリーラインも常に変化しているため、出力を上げる場合はポリーラインがピークレベルに達したときにスロットルを開ける必要がある。ポリーラインがピークレベルに達しないときにスロットルを開けても出力は上がらず、ボトムレベルでスロットルを開けると最悪の場合はエンジンが停止してしまう。そのため、トロニウム・エンジン搭載機のパイロットはポリーラインの変動に細心の注意を払わなければならない。
このように運任せのところもあることから出力の調整が非常に難しいトロニウム・エンジンだが、フルドライブの状態になると出力が安定する性質もあり、T-LINKシステムとトロニウム・エンジンを搭載した機体で念動力者のリンクレベルが高いとさらに強い力を発揮できるようになる。
運用データをもとに随時改良が重ねられ、並行して進められたシステムの更新もあって初期の頃よりは出力の調整がしやすくなっている。
αシリーズのトロニウム・エンジンはSRX(分離時はR-2パワード)、R-GUNパワード、ヒュッケバインMk-Ⅲ・タイプL、グルンガスト参式1号機に搭載されたが、グルンガスト参式1号機は素晴らしきヒィッツカラルドに破壊され、ヒュッケバインMk-Ⅲ・タイプLは通常の核融合炉に交換され、SRXはハザル・ゴッツォのヴァイクランに破壊された。
後にバンプレイオスが開発され、異星人の超技術「EOT」の信頼性を上げるプラン「レイオス・プラン」のもとで新たに開発された新型トロニウム・エンジンが搭載されたほか、R-GUNパワードのトロニウム・エンジンもレイオス・プランのもとに調整されて安定するようになり、フルドライブを超えたオーバードライブが可能になったことで爆発的な威力を発揮できるようになった。グルンガスト改にも搭載されているが、バルマー戦役後の去就は不明。
OGシリーズではSRX(分離時はR-2パワード)、R-GUN(R-GUNパワード)、ヒュッケバインMk-Ⅲ・タイプLに搭載され、グルンガスト参式1号機にも搭載される予定だったが、龍王機と虎王機に取り込まれてしまったため、ヒュッケバインMk-Ⅲ・タイプRに搭載された。
ヒュッケバインMk-Ⅲの2機は封印戦争でアーマラ・バートンのガリルナガンに破壊され、エンジンごとトロニウムを強奪されている。
その後は新たに開発されたトロニウム・エンジンがエグゼクスバインに搭載され、イーグレット・イングは強い念動力でフルドライブ状態で安定させることに成功している。
ガリルナガンにはゼ・バルマリィ帝国で開発された動力機関「トロニウム・レヴ」が搭載されており、地球で開発されたトロニウム・エンジンとは比較にならないほど高い安定性を持ち、念動力者でない者でも出力調整が簡単にできるようになっている。トロニウム・エンジンについてアーマラは「トロニウム・エンジンなどそう珍しい物ではない」と発言している。