概要
2019年4月19日公開。
正式名称は『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン〜失われたひろし〜』。
平成最後の作品と同時に、テレビ朝日開局60周年記念作品でもある。
キャッチコピーは「伝説の秘境、危機100発!!」、
「こんなの聞いてなかったゾ。」、
「野原一家、愛の試練(ピンチ)。」。
本作は「野原一家の新婚旅行」をテーマにしており(後述の余談を参照)、野原ひろしとみさえ夫妻がメインパーソンとなる。全体的な内容としては、インディ・ジョーンズシリーズのような密林でのアクション冒険劇である。
また、2代目として野原しんのすけ役を引き継いだ小林由美子の劇場版シリーズデビュー作でもある。
あらすじ
春日部市に雪が降り積もった冬のある日。みさえは自分が見つけてきたオーストラリアのグレートババァブリーフ島の格安パックツアーの参加を提案する。それは家族同伴での新婚旅行希望者向けのもので、諸事情でハネムーンに行っていなかったひろしとみさえはしんのすけ、ひまわり、シロも連れて行く事にした。
しかし現地に着くとひろしとみさえは些細な事でケンカするようになり、さらにひろしは原住民の「仮面族」の陰謀に巻き込まれて誘拐されてしまうのであった。
主要ゲストキャラ
仮面族の秘宝を狙うトレジャーハンター
(声:木南晴夏)
不運体質で、成り行きでみさえ達と同行する事になった。
おそらく日系人。
- グレートピッケル
(声:銀河万丈)
その名の通りピッケルを両手持ちで武器とするガタイが良い男。
- ブルドーザージョニー
(声:大塚明夫)
その名の通り改造したブルドーザーを乗り回す。
関西弁やセリフ回しからおそらく日本人。
- イケメン
(声:島﨑信長)
仮面族
グレートババァブリーフ島の先住民で、常に仮面を身につける。
仮面は長とオオカブトを除いて性別や階級などで決められているようである。
長を除いた大半の者は英語や外国語をほとんど喋れないが、その現地語はどこか日本語に聞こえるものが多い。
ジュンコ曰く彼らの姫がもたらす宝を独り占めするのに執着しており、殺傷行為こそはしないものの自分たちの領域に無数の罠を仕掛ける、幻覚効果のある煙玉を使う、姫の花婿候補を探すのに観光客を誘拐するなど、極めて粗暴で身勝手な部族である。
またオート三輪や蒸気機関車、トロッコを使っており、文明化を全く否定しているわけでもない様である。
- 仮面族の長
(声:大塚芳忠)
ひろし誘拐を指示した張本人の長老。
太陽の仮面を被っており、部族で唯一片言の日本語が話せる模様。
- オオカブト
(声:楠見尚己)
長の側近で筋肉モリモリのマッチョマン。
- 仮面族の姫
(声:悠木碧)
仮面族はこの姫の婚姻相手としてひろしを誘拐するが、その正体は意外すぎるものであった。
その他
※一部は本人役で演じている。
- カオー・コスギ
(声:渡辺久美子)
野原一家が参加する新婚旅行ツアーのコンダクター兼現地ガイド。
その名の通り彫りが深いお顔。
野原一家と同じ新婚旅行ツアーに参加した新婚カップル。
旅行で現地の島を訪れており、姫の花婿候補として仮面族に拘束されていたが乱暴に解放された。
- あいみょん(セリフはなし)
現地の島の街で路上ライブをしていた。
本編のミュージカルシーンでは、ひろしにマリーゴールドの花を手渡されている。
余談
原作・アニメ共にこれまでひろしとみさえの新婚旅行のエピソードが直接描かれたことはなかったが、原作で「新婚旅行に行った」というセリフが何回もあり、行き先は四国や埼玉一周だったとされている。
この事から「やっと行けなかった新婚旅行に行く」というテーマについては、本劇場版作品独自のオリジナル設定として割り切って製作された可能性が高い。
また予告編では「野原家初のオーストラリア」と銘打たれているが、実際には既に原作・テレビアニメ共にオーストラリアへ行ったエピソードが複数回存在する。
作中における日本の季節は冬に設定されていて、映画では珍しく雪の描写がある。もっとも舞台のオーストラリアは南半球にあるので季節が逆転し、夏真っ只中となる。
劇中の挿入歌として、ひろしが福山雅治の「HELLO」、みさえがMISIAの「Everything」を歌っている。
本作の主題歌であるあいみょんの『ハレノヒ』の歌詞には、北千住駅が2回登場している。これは、ひろしがみさえにプロポーズしたのが同駅のホームという設定を踏まえたものであり、楽曲の効果で聖地巡礼するファンも増えたとか。