概要
クレしん映画第28作目で、2020年9月11日に公開された。
令和に公開された最初の作品となり、本作では「クレヨン」と「落書き」がメインテーマとなっている。
元々初期のクレしん映画は原作の大長編が原作となっていたが、本作は原作23巻収録の短編『ミラクル・マーカーしんのすけ』を原作としている。
劇場版のオープニングで恒例だったねんどアニメは今回初めてエンディングに採用。
第1作『アクション仮面VSハイグレ魔王』ではTVシリーズの映像を流用していたため、オープニングがねんどアニメ以外の専用映像となる初の事例となった。
今作でぶりぶりざえもんが、初代声優塩沢兼人の没後21年ぶりに台詞付きで登場。声優は主要ゲストキャラを参照。
またクレしん映画ではおなじみとなっている野原一家やかすかべ防衛隊の団結はあまり描かれておらず、全体的にしんのすけの成長とファインプレーに主軸が置かれた作品となっている。
当初は2020年4月24日に公開予定であったが、新型コロナウイルス緊急事態宣言発令に伴う映画館閉鎖により公開中止。
新たなる公開日は9月11日に決定し、奇しくも公開日は原作者の臼井儀人先生の命日となった。
GW以外での公開は『アクション仮面VSハイグレ魔王』以来27年ぶりである。
あらすじ
地上の子供達の落書きのエネルギーによって空に浮かぶ異種族の国・ラクガキングダム。
しかし落書きを行う子供の減少に伴うエネルギー不足のため崩壊の危機にあった。
そこで王国の防衛大臣がクーデターを起こし、地上の子供達に無理矢理落書きを行わせる「ウキウキカキカキ大作戦」の遂行を決断。
手始めに春日部の侵略を開始した。
これを危惧した王国の姫は、描いたものを実体化させる王国の秘宝「ミラクルクレヨン」を部下の宮廷画家に渡し、伝説で存在するという地上の勇者に託す。
ミラクルクレヨンを手にした野原しんのすけは宮廷画家によって富士山の近くの林野まで避難させられ、その地でブリーフ、ニセななこ、そしてぶりぶりざえもんを描いて実体化させる。
かくして4人の勇者は春日部を救うため、行動を開始するのであった。
主要ゲストキャラ
勇者
- ブリーフ
(声:冨永みーな)
しんのすけが描いた最初の仲間としての落書き。
新品ではなく「2日目のパンツ」として描かれた事にショックを受けるが、真面目な性格で一行を取りまとめる。
- ニセななこ
(声:伊藤静)
しんのすけがななこおねいさんを模して描いたキャラ。
画力が追い付かず、本人とは似ても似つかない姿と声色になる。
セリフも書かれてしまった事から「しんちゃん好きよ」としか話せないが、モデルとなった本人と同じくとても面倒見が良く、仲間(特にしんのすけ)を守る為なら自己犠牲も厭わない性格。
- ぶりぶりざえもん
(声:神谷浩史)
本作ではしんのすけの落書きが実体化した存在として、現実の春日部に姿を現す。
ラクガキングダム
(声:山田裕貴)
ウキウキカキカキ大作戦の首謀者。
根っからの悪党ではないが、愛国心から暴走しクーデターを引き起こした。
王国軍を地上に送り手始めに春日部に進攻する。
(声:きゃりーぱみゅぱみゅ)
ラクガキングダムの幼き王女。
暴走する防衛大臣の野望を食い止めるため、身を挺してミラクルクレヨンを地上の勇者に託す。
- 宮廷画家
(声:平田広明)
王族の絵を描く画家で、姫の命でしんのすけにミラクルクレヨンを与えた張本人。
原作では「絵の精」として登場していたが、映画では王国の市民として設定が変更されている。
外見は地上の人間とほとんど変わらない。
よしなが先生に不審者扱いされるが、後にしんのすけに接触した際にかけた言葉が「お母さんのところまでつれていってあげる」「お菓子買ってあげるから」等と完全に不審者のそれである。
- ラクガキング
(声:中田譲治)
姫の父親でラクガキングダムの国王。
普段は巨大な鎧に身を包んでいるが、中身は子供の落書きそのものでかわいらしい姿をしている。
人格者ではあるが絶対的な権力を持つ君主ではなく、防衛大臣の作戦に反対するが暴走を許してしまう。
- 鬼軍曹
(声:玄田哲章)
防衛大臣の側近。
ウキウキカキカキ大作戦の実行指揮を担うが、その格好はかなり際どく筋肉モリモリマッチョマンの変態と言っても良いところ。
ちなみに中の人はアクション仮面と同じ方である。
- リンゴ、イチゴ、メロン
(声:りんごちゃん)
ウキウキカキカキ大作戦の現地指揮官たち。
被写体を平面化させて拘束するカメラや凄みのある声色などを使って落書きを強要する。
上記の通りりんごちゃんの1人3役。
- ローラー兵士
(声:諏訪部順一)
防衛大臣の刺客。
ハチマキを巻いた非常口のマークのような外見の二人組で、巨大なローラーシューズに乗り込んで走らせる。
しんのすけ達に圧倒されるが、その後ひろしとみさえに協力する。
その他
(声:黒沢ともよ)
しんのすけ達が冒険の途中で出会った少年。
相模湖のそばで居酒屋を営む母親(声:能登麻美子)と暮らしており、春日部に祖母が住む。
タブレットを駆使して、地図や情報収集などでしんのすけ達をサポートする。
余談
今作では一部シーンで自衛隊が登場するのだが、温泉わくわく大決戦と同じく自衛隊の描写が異常に凝っていることで一部界隈にて知られている。
- 「第1戦車大隊の部隊マークを付けた74式戦車が、73式特大型セミトレーラで輸送されるシーンがある。しかも輸送は夜間のシーンで、先導車をつけ、緑色の回転灯を発光させて行われている(これは法律によって現実でも同じ方法で輸送される)」
- 「偵察に先行した部隊が『大宮』(春日部に最も近い駐屯地)、戦車隊を運ぶ輸送隊が『駒門』(第1戦車大隊が配備されていた駐屯地)の名で呼ばれる」
……これだけ言えば、その手に詳しい人間はその凝り具合が分かるかもしれない。
関連項目
新婚旅行ハリケーン←前作 次作→謎メキ!花の天カス学園
ラクガキ作品と言えばこちらの作品も。