安倍晴明(Fate)
あべのせいめい
概要
『Fateシリーズ』で度々言及される人物。
その名の初出は『Fate/EXTRA』で彼にかつて退治された玉藻の前の言及から。
玉藻の前からは「暗黒イケモン」だの「魂まで根の国色」だの散々に言われ忌々しく思われている。自分を倒した相手なので当然といえば当然か。
しかし、容貌は日本人の骨格をしていないイケモン(“イケ”メンぽく見せかけている妖【“モン”スター】)とのこと。
一方で『Fate/Grand Order』1.5部『屍山血河舞台 下総国』では、彼の名を騙ったライバルである陰陽師からは一般的に言われるような善の陰陽師のような人物と言われている。カルデアのマスターと新免武蔵のようにただ生きるために戦いそれが正道であるということは、彼に似ている模様。
直接の面識がない千子村正からは日本の各方面において有力な人材として「無敵の剣豪十兵衛」「隠密大名と誉れの高い半蔵」に並んで挙げられるほどのキャスターと言われている。
長らく本人は未登場で、様々な関係者による言及はあるものの悉くばらばらの印象で明確な人物像ははっきりしないままだった。そもそも玉藻等は京を逐われた立場である為敵対的になるのも自然だが。
能力を明確に評したのは彼とは違う時代に生きた村正のみだが、彼と同じ時代の人物のうち言及しているのは敵対・退治される側であるために、正確なものとは言い難いのである。
第2部5.5章『地獄界曼荼羅 平安京』にて、本人の姿は表さなくとも文を飛ばすという通信の真似事の形で登場。
容姿など未だ不明ながら、人物像の一端が漸く明らかになった。
汎人類史から離れている亜種並行世界であった下総国の出来事を観測していたらしく、"視る"力においてもかなりのものを有している。
平安時代の日本出身にもかかわらず現代の用語や、ゼウスにカエサルなど異国の人物のことを知識として知っていた。
金時の発言では、見た目は若く見えるが爺、そしてホームズと似た気配がするらしい。また、道満のバレンタインで彼はマスターに晴明の面影を重ねているかのようなセリフを言いそんな態度を見せていた。
性格としては紫式部に言われていた通りのことを窺わせるロクでなし(所謂何処ぞのお花のお兄さんの日本版)気質が垣間見える。
『Fate/Samurai Remnant』では、なんと千里眼で見た未来の情報(聖杯戦争についての事柄)を子孫に残しており、それを元に土御門泰広が『盈月』を作り上げた。ある意味本作の元凶ともいえる。
ちなみに、晴明は「あとは自分で工夫してみなさい」とでも言うかのように不完全な情報しか残さなかったという。
能力
その全容は未だ不明。
ただ先述通り、千里眼と、遠方から文字で通信する奇想天外な術式、さらに金時曰く「平安京のすべてを把握し、それに対処する」という人間離れした験力を有する。
これで能力の僅か一端でしかないのだから、驚異的という外ない。次元の壁を超える目と日本での知名度を考えれば冠位の資格を持つキャスターであっても納得出来るだろう。
関連人物
生前
生前の自分に対抗心を燃やしている陰陽師で、自分には敵わないと自負し幾度もからかっていた模様。その一方で自身に並び立とうと努力し続けていた為、宿敵としてかなり高く評価していた。
生前、正体を見破り退治した相手。彼女からは暗黒イケモンと呼ばれている。
関係性は不明だが、玉藻の前・蘆屋道満と並び、ノーコメントという謎の反応をとっている。
マテリアルでは無視とも嘲笑とも取れる反応。
これについては明言は無いが伝承においての彼は、狐の葛の葉を母に持つとされ、それを考慮すると鬼ではないが混血と言えるためその意味での反応かもしれない。
こちらも関係性は不明だが、頼光や金時を超えて3度殺しても飽き足らないくらい嫌いというかなりの嫌悪感を向けて異様な扱いをしている。
Fate設定では、彼女の幼少期に師として陰陽術を教授した。教えた術として「泰山解説祭」が挙げられるが、それがある意味危険な術式であるが故にその性格が若干窺える。そして、彼女にとってのトラウマだとか。
あの道満をも含めて誰にでもあだ名や遠慮無しに接する彼女だが、晴明にだけはあだ名を付けずに珍しく真面目な対応をしており、苦手意識を持っている。
生前から交流があり、晴明に代わってリンボの抑え役を務めている。
彼の制作に関わっていることが果心居士の話によって判明。
Fate/Grand Order
道満の悪性のみを基に形作られたハイ・サーヴァント。
晴明は彼を道満の美点が失われた似て非なるものとみなしており「大莫迦者」、「道満がリンボごときに遅れを取るとは思わなかった」と酷評している。
また、リンボがカルデアに召喚される事を見越していたのか対リンボ用のお仕置き術式を弟子や知人を介し複数遺しており間接的ながら幾度も彼の暴走を止める助力をカルデアにしている。
リンボを倒すため平安京に訪れた人類最後のマスター。
要所要所の発言を見る限り、彼/彼女には好意的。そして道満は彼/彼女に晴明の面影を重ねている節があるため、似ている部分があるのかもしれない。
彼からは君付けで呼ばれており、どこかで会ったことがあるらしい。
このことから、晴明とは所謂「グラ友」の可能性がある。
安倍晴明の屋敷跡とされる場所(現在の晴明神社所在地)に自らの屋敷を建てていた。
Fate/Samurai Remnant
晴明の末裔である陰陽師であり、Fate/SR内における一連の騒乱の黒幕。晴明の残した情報を元に『盈月』を作り上げたが、ライダーから晴明と比較され、能力不足を指摘されている。
その他
『Fateシリーズ』本筋に設定が反映されることはないとされている『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』のアニメBD2巻のブックレットでは、彼女から「安倍のなんたらなんてド新人」とこき降ろされている。ギャグ的なものであるために判断材料としては弱い。
余談
容姿だけでなく性別も判明していないが、関係者達の言及を聞くとFate版の安倍晴明も男性の可能性が高い。なお、伝承では怪奇対策のプロフェッショナルとしての顔が有名だか、史実的には現代でいう天文学者が本業とされる。そのレベルは近代西洋の天体観測に匹敵するレベルだったことが明らかになっており、木星までの惑星の公転周期さえ寸分の誤差で記録していたことが判明した。その驚異の精度で占星術を為し、その功績は明治維新に至るまで晴明の星読は脈々と土御門氏に継承された。この偉業から、京都大学理科学研究所天文台の3.8m望遠鏡には「せいめい」の名が贈られた。また、安倍氏は北斗七星の力に肖った呪術に通じ、出世の切っ掛けとなった七星剣再鋳造の際には剣に刻まれて紋様が北辰(=北斗七星)であることを見抜き、また60歳で内裏再建の地鎮を請け負った際には北斗七星の力を借り受ける「禹歩(うふ)」を用いるなど、様々な業績も為している。
そして―――『FGO』の舞台であるカルデアは、本質は天文台。彼が遠からず、星読みの縁からカルデアに来訪する可能性は決して低くない……かもしれない。