「天晴れ、天晴れ!」
「人の身でよう鍛え抜いたものぞ、遮那王」
「だがな、僕の六韜三略を盗み見たことは許さぬ」
プロフィール
真名 | 鬼一法眼(鞍馬山僧正坊) |
---|---|
クラス | アサシン |
性別 | −(現在の肉体は女性) |
身長 | 171cm |
体重 | 57kg |
出典 | 『義経記』、御伽草子、鞍馬天狗伝説など |
地域 | 日本 |
属性 | 混沌・中庸・地 |
好きなもの | 特に無い(可憐な乙女?) |
嫌いなもの | 特に無い |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | 大森葵 |
CV | 加隈亜衣 |
肉体については、体格も、性別も、自由自在であるとのこと。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアサシンクラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
期間限定イベント『いざ鎌倉にさよならを』の配布枠として登場・実装された。
真名
京の一条堀川に住んだ陰陽師にして兵法家、「鬼一法眼」。
古流剣術である京八流の開祖とも云われる。中華より伝わった兵法書『六韜』『三略』を管理しており、弟子の源義経はその書を娘を誑かして盗み見た……という伝説は有名である。
また一説では、その正体は鞍馬山に住まう大天狗(烏天狗)であると謂われており、モーションでも烏らしき黒い鳥を飛ばしたり鳥に変化して攻撃し、烏の鳴き声のようなものも聞こえる。
人物
一人称は「僕」。
白や黒の羽飾りを備えた、紅色の甲冑に身を包む白髪ロングの女性。
常に飾らない自然体で、細かなことは然程気にせず笑い飛ばす豪放磊落な性格。
面倒見や包容力があり、協調性や人間味がある、頼もしい言動の好人物。
……なのだが、どこか達観した価値観など、悪気のないままに人間とはかけ離れた感性も有しており、長時間共に居れば「根本的にズレている」ことが分かる模様。これは人間社会と殆ど関わりを持たなかった事も影響しているらしく、一世一代の賢者にもかからわず浮世離れのあまり、間の抜けた言動を稀に見せることもある。特に泰然と構え過ぎてうっかり言質を取られ、体裁を取り繕おうと相手の意に沿う方へ向けられてしまうなど、自身の失態に付け入られると弱いところがある。
この様に、その本質は神格化された人間やサーヴァントなどには収まらない強力な存在らしく、加えて漂白された地球をどこからか眺めるなど、色々と底が知れない。肉体についても体格・性別共に自由自在という、ヴリトラ同様のまつろわぬ魔である事が窺え、一番多く取る姿は現在のものだが、一番威厳がある姿とは別らしい。少なくとも、牛若丸の前では今の姿だったらしい。
能力
大妖「鞍馬天狗」としての神出鬼没さからか、はたまた馬鹿弟子に灸を据えるためか、今回の現界ではアサシンとして召喚された。本来は兵法家にして陰陽師であるためキャスター、西の剣術流派の開祖とされる剣豪故にセイバー、その剣術から高弟が静形薙刀を生み出し自身も得意とするためランサー、など複数のサーヴァント適性を備えている。なお本来であれば神性スキルも持ち合わせているが、今回は持ち込まずに伝説に謳われる一介の法師として現界している模様。
モーション中では、翼で飛びながら薙刀による中距離戦を行う他、カラスの群れを突撃させる、自身がカラスの群れに変化して撹乱する、大団扇で旋風を巻き起こすなどの攻撃を見せる。
エクストラアタックでは、頭上に大岩を出現させ、自分も上に乗って敵を押し潰す。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | D | C | A+ | EX | B | A+ |
アサシンの霊基のせいか、怪力とされる天狗にあって肉体面の補正は薄い。しかしアサシン補正も加味してか、敏捷は驚異のA+判定。何より陰陽師鬼一法眼としての伝承補正に、験力無尽の天狗の特性もあってか、魔力はアサシン霊基にもかかわらず計測不能のEXという規格外。
保有スキル
気配遮断(C) | ランサークラスで召喚されるつもりだった、とのことで、鬼一法眼は積極的に隠れようとしない傾向がある。本来のランクはもっと上である模様。 |
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対魔力(EX) | 大天狗・鞍馬山僧正坊としての面を有する鬼一法眼は、人ならざる精霊種の一種であり、規格外の対魔力スキルを有している。 |
陣地作成(B+) | 現界にあたり、鬼一法眼はまず手始めに自己の領域を定める。 |
天下万世の剣(A+) | 鬼一法眼は伝説の古流剣術「京八流」の開祖であると伝えられる。”京八流”とは、西国における剣術の源流とされる8つの流派であり、鬼一が8人の高弟に伝えた戦闘術であったという。また、高弟のうちの1人は源義経(牛若丸)であるとも。 |
陰陽道(法)(C) | 平安時代末期の京で権勢を振るった法師陰陽師である。 |
亜種精霊(A) | 精霊種の一種である事を示す。多くの効果を有しているようだが、本人は黙して語らない。『FGO』のゲーム内では、基本的に使用されないスキル。 |
宝具
六韜三略・魔王尊大羽扇(りくとうさんりゃく・まおうそんだいうせん)
- ランク:A
- 種別:対城宝具
- レンジ:1~50
- 最大捕捉:500人
「天晴れ、そうでなくては!」
「天鼓、音有り。雷の如きも雷に非ず。天狗、状大流星の如し――『六韜三略・魔王尊大羽扇(りくとうさんみゃく・まおうそんだいうせん)』!!ふっふふふ……うははははははっ!」
羽扇とは、鷹や鷲などの羽で作られた扇を指す。軍勢を指揮するために用いられた道具だが、仙人や天狗が使用する神秘の宝具――膨大な神通力を秘めた道具として伝説や図画に登場する。
いわゆる一般的にイメージされる「天狗のうちわ」である。アサシンクラスの鬼一法眼が宝具として用いるのも、この羽扇(羽団扇)。その破壊力は絶大の一語。陰陽師にして兵法者としての鬼一法眼ではなく、鞍馬天狗こと大天狗・鞍馬山僧正坊としての性質が強く顕れた宝具であり、真名解放と共に放たれる風はもはや嵐、山を割り大地を揺るがせる天変地異の領域である。
真名開放後、天狗の面を被り験力で空へと舞い上がり、4騎に分身。それぞれ四方から羽団扇を仰ぎ、烈風・驟雨・雷轟・獄炎を次々と繰り出し、敵陣を無慈悲に蹂躙する。
六韜兵法(りくとうひょうほう)
- ランク:EX
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
「『六韜兵法(りくとうひょうほう)』――為になるのぉ。」
天下に秘蔵されたる兵法の窮極。『三略』と並ぶ伝説の兵法書であり、中国では武経七書の1つとされている。鬼一法眼はこの書物の保管者であり、守護者である。鬼一法眼曰く「これ暗号になっているので真に読み解くのは至難の業なんだぞ」とのことだが、真偽は不明である。
本作ではスキル扱い。
ゲーム上での性能
肉体こそ女性だが、可変可能であることを示してか、黒ひげの「紳士的な愛」以外の性別判定に引っかからない、性別不詳のグループに属している。カード配分は《Quick:2/Arts:1/Buster:2》のランサー型であるが、Artsカード性能は「陣地作成(B+)」の恩恵で高く4hitするお陰でNP獲得量も高い。一方でQuick性能自体は3hitするが凡庸で、NPとスターの獲得量もそこまでではない。他には「対魔力(EX)」の恩恵で弱体耐性が高く、易々とデバフやバステに引っかからない点は強い。
保有スキルは、Q性能アップ(3T)&回避付与(3T/2回)の「天下万世の剣(A+)」、NP獲得(10~20%)&スター集中率アップ(1T)の「陰陽道(法)(A)」、味方全体の攻撃力アップ(1T)&NP獲得量アップ(3T)の「六韜兵法(EX)」の3つと、強化型で固まった構成となっている。ただし、微妙にどれも突き抜けた性能は持っておらず、無遠慮に使うと戦略的に手詰まりを起こすことも考えられる。特に「陰陽道(法)(A)」によるスター集中は倍率が固定でそこそこの効果しかないため、スターが潤沢にある状態でNPを早急に補給させたい味方に掛けてやるのがベストか。いっそ自身が宝具を切るタイミングで全部載せする、という方向の方が使いやすいかもしれない。
宝具「六韜三略・魔王尊大羽扇」は、種別はQuickで、【Quick性能アップ(1T)〔オーバーチャージで効果アップ〕&敵全体に強力な攻撃&敵全体の防御強化状態を解除】の効果。事前に威力が強化されるうえに7hitするため、バフの盛り方次第ではかなりのスター発生とNPのリチャージが見込める。
解除効果はメディアの「破戒すべき全ての符」等と同様に、攻撃判定後に入るため、無敵・回避そのものを突き破ることはできないもの、敵陣営に掛かった防御強化状態を根こそぎひっぺ替えせるので、宝具チェインを利用して別の味方がまとめて薙ぎ払うといった戦術が組める。
総合すると宝具運用を前提としたサブアタッカー。「陰陽道(法)(A)」と「六韜兵法(EX)」によるNP獲得と宝具の多段ヒットを利用することで、スカスカシステムに適合することも可能で、この場合はメインアタッカーとして猛威を振るう。概念礼装に宝具威力アップを持つ初期NP獲得系の礼装を付けることで、威力面に加えて宝具発動のタイミングを早めることが可能。戦わせ方に創意工夫が求められるが、コツと運用目的を掴めば希代の剣士にして賢者として存分に力を振るってくれる。
関連人物
生前
不肖にして優秀なバカ弟子。「遮那王」と呼んでいる。
自分の教えを終ぞ聴き入れなかった為に弟子失格の烙印を押しているが、お互いやらかし体質で遠慮とも遠い性格故か、仲自体はけっこう良好。生まれついて牛若丸に纏わり憑く「怨」の業から解放できなかったことは悔いており、今回はマスター共々に真っ当に導いてみせると誓っている。
幸寿前
実の娘。牛若丸に子どもらしさを取り戻させるための遊び相手として側に置いたが、鬼一のズレた感性に起因する親娘間の齟齬もあって、逆に牛若丸に感化されてしまう。結果として牛若丸に誑かされて無断で六韜三略を持ち出し、取り返しのつかない結果を招いた。皆鶴姫としても知られる。
湛海坊
弟子の1人。優れた剣術家であったらしい。
六韜三略を盗み読みした牛若丸を罰しに遣わされたが返り討ちにされてしまった。
陰陽師として面識があったらしく、優等生だった当時から激変した今の有り様に爆笑している。
一方で生前の道満とは別だとする晴明とは違い、"歴とした道満の一部"として受け入れてはいる。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
当初は牛若丸の当てつけとして新しい弟子とみていたが最終的にはかなり気に入ったようで養子、もしくは嫁(男の場合でも)にすると言い出す。また、彼/彼女に対しては対応が甘い。
世界からズレた領域に住む今もなお生き続ける不老の存在で、弟子が武勇と忠義の末に非業の死を遂げてしまった等、経歴まで酷似している。邂逅してすぐ矛を交えて意気投合しており、性格的な相性もいい模様。なおスカサハはアサシンの霊基を持ち、鬼一も自身最優の霊基はランサーであり、さらに両者ともキャスターの適性も持つなど、能力面まで非常に似通っている。
人理に対する大規模攻撃から生き延び、観覧できるという意味で同じ立場。
本人同士も旧知の間柄らしいが、具体的な内容を口にしようとしたら止められた。
彼が稀人であることを一目で気づいた。
厳密には生者でありながらサーヴァント化した点で共通している。
彼女も陰陽道の心得があるためか反応している。
本名の「香子」呼びをして、色々と術を教え込もうとしているらしい。
鬼一が読み解いた『六韜』『三略』の著者たる道士。
こっそり暗号で入れ込んでおいた兵法の奥義を解読したことを称賛している。
余談
霊基再臨素材は宝具使用時に付ける天狗のお面である。
実装以前に2部5.5章にもセリフと名前のみ登場しており、大晦日特番でシルエットが公開された。
加隈女史は『英雄伝承異聞~巌窟王エドモン・ダンテス~』のコンチェッタ役以来、2度目の出演となる。イラストの大森氏は『禁忌降臨庭園 セイレム』のコミカライズも担当している。