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時と永遠〜トキトワ〜の編集履歴

2024-02-17 23:07:11 バージョン

時と永遠〜トキトワ〜

ときとわ

『時と永遠〜トキトワ〜(Time_and_Eternity)』とは、イメージエポックが開発、バンダイナムコが販売した、ファミ通のクロスレビューでゴールド殿堂入りしたゲーム。

どんなゲーム?

2012年にイメージエポックが開発、バンダイナムコゲームスが販売したゲームである。

ゲーム内の全てのキャラクターモデルやバトルシーン、フィールドでの移動に至るまで手書きのアニメというこれまでにない画期的な手法が取られた。

「フルアニメーションRPG」というジャンルが示すとおりゲーム中で「アニメで描かれたキャラを動かせる」という新しいジャンルを開拓した作品。

ファミ通クロスレビューでは「9・8・8・7」で合計32点という高得点を記録し、【ゴールド殿堂】を勝ち取った。


キャラクター原案は〈物語〉シリーズ】で有名なイラストレーターのVOFAN

シナリオ担当にはアニメ版【妖怪ウォッチ】のシリーズ構成を務める加藤陽一

その他豪華声優陣に加え、作曲家に世界樹の迷宮シリーズ等でお馴染みの古代祐三氏を起用している。

と、著名なスタッフが勢揃いした新感覚のRPGとして捉えられていた。

だが…


実際は?

アニメーションの出来が全くの期待外れ。

全てを手書きアニメにするという試みが大きく足枷となり、口パクがあっていない、戦闘アニメーションは差分が足りずカクカク動いて見える、色を変えただけの使い回しが目立つ、一部の絵のクオリティが低いなど、まるで旧世代機の初代PlayStationを彷彿とさせるゲーム性と、粗さが目立つ結果となってしまった。一部の人からはあのPC-FX以下と評されるとの声も。

その他、一部のイベント発生中のキャラクターの立ち位置も違和感満載の距離感、場面と一致しないアニメモーション、さらにはゲーム中に登場する村人達も、ほぼ静止画の口パクだらけ。こんなのがフルアニメーションと言えるのだろうか?

また作画枚数を減らすためなのか、真横に移動しているのに前進モーションだったり、エンディングではどちらかのヒロインを選んで結婚するのだがどちらを選んでも結婚式の途中までグラフィックが同じという、手抜きと言われても仕方の無いシーンもある。アニメ制作側は作画枚数20000枚とは言っていたが、本当に20000枚も使用しているのかも疑いたくなる。ちなみにこちらの作品は45000枚を使用している。こうして比較するとゲームの作画枚数がいかに少ないかおわかりであろう。


製作側も後に「ポリゴンで作った方が簡単だった」と発言していた。…いや初めから気づけよ。

こうしたことから結局は最初で最後のフルHDアニメーションRPGになるのではないかとさえ言われている。


なお2021年現在、フルHDアニメーションRPGのジャンルのゲームが登場したゲームはこの作品のみである。過去にアニメーションを使ったゲームは幾つかは存在するものの、その多くは2Dアクションである。


戦闘バランス


ゲーム中の戦闘バランスが非常に悪い。またバトル方式が現代のRPGとはとても思えない。

序盤だろうと終盤だろうと取得できる経験値がほぼ同じ。装備品の能力上昇値が大きすぎる。魔法が非常に強すぎるためどう戦っても楽勝。おまけに80年代の作品であるドラクエ1を彷彿とさせる1対1方式の戦闘システム、つまり敵が複数登場した場合は1体ずつしか攻撃できない。


武器は銃と剣の2種しかなく、銃では遠距離狙撃、剣では近距離攻撃で敵を与えていく。その他魔法や体術の攻撃なども備えており、一見からすると若干バリエーションは豊かに見えるのだが、残念ながらアニメーションの仕様上これぐらいの攻撃方法しかない。

特に魔法が強いという問題は深刻で、序盤のダメージが三桁前半という時に2000近いダメージを多段ヒットさせる魔法が使え、終盤には''通常攻撃の1000倍以上''のダメージを与えてしまう。チートと名高い時間停止魔法、凶悪な能力アップ・ダウン魔法も存在するため、これらを使えばラスボスさえ一撃である。

強い敵が現れた場合「装備を買って魔法で殴ればいい」とあのゲームと見事に正反対的な一言で解決してしまう事態となった(あちらは魔法が弱い、というか属性が過剰に多く、敵の弱点を調べる手段がないうえレベルアップによる物理攻撃火力の上がり幅がジェットパックを背負っているレベル)。


ちなみにどうしてこんなバトル方式になってしまったのかというと、制作側曰く「アニメーションをそのまま描画する都合上大量にメモリを消費するため、キャラクターを画面中に大量に出すことは不可能だった」と語られている。…とはいえ、このバトル方式はあまりにも時代遅れであり、さらにはテンポも悪い。旧世代機のゲームでは1000体以上も表示できるのに…(尤もあちらはゲームキューブなので、もちろんHDハードでも何でもないが)

しかも敵の種類は色違い除いて20体程度しかいない。初代『ドラゴンクエスト』でも最低15体以上はいる。それに比べて何十倍も容量を持つPlayStation 3でこの少なさは…

しかもアニメーションという仕様上、当然色違いの敵は(ボス除いて)行動パターンも全く同じ、そして一度パターンをすべて覚えてしまえば、決まったタイミングで攻撃を回避し、攻撃を繰り返して撃破するだけの作業ゲーと化す。これではFCの『パンチアウト』とほぼ同じ見た目である(一方『パンチアウト』でも同じ選手と戦う事もあるが、こちらのゲームとは違い攻撃パターンや威力などもちゃんと変化しており、種類も豊富である)。


あまり知られてはいないが、このゲームの必要HDD容量はなんと4.5GBもある。…一体この出来で何に対して容量を割り振っているのだろうか。しかもこのゲームよりも多いという謎の差。どういうことなの・・・

また余談だが、実は『ペルソナ5』とほぼ同じ容量だったりする(出来は雲泥の差だが)。


シナリオ

ヒロインのトキとの結婚式を成功させるために過去をやりなおしていくループモノなのだが、正直小学校低学年向けのギャグストーリーである。とにかくシナリオが面白くない。

セクシーなイラストのキャラが数多く登場するのだが、下品であったり、矛盾があったり、世界観無視のギャグ展開やパロディネタ、クオリティが低いために寒く思えるようなやり取りが多い。

というか島の名前も「カクザ島」「オサ島」「グラニュー島」とこれまた小学生並みのネーミングセンスであったり、そのやる気のなさを自分で弄るメタネタ連発、戦闘中の意味不明な早口言葉対決など、とにかく不可解なモノばかりである。


さらに主人公のキャラ設定というか性格がとにかく聳え立つクソの山であり、とんでもなくキモいという声もあり、感情移入できないどころか一緒に冒険したくないレベル(理由は登場人物にて)とまで言われる始末。

敵と味方の掛け合いにしても、ドラゴンに向けて「消費者センターに訴える」などと言い始めたりする。その後、ドラゴンは「消費者センターは…まずい!」と何故かうろたえ始める(しかもアニメーションは表情も変えることもなくただ単にしつこく喋りつづける)。


また、ラスボスが一連の騒動を起こした動機は「毎日ナイター中継がみたい」「そのためにお前達の"思い出"が必要」などと某ラノベ的な発言をする。それに対して主人公は「お前は間違ってる!ナイター中継は、毎日はやってない!」と堂々と反論。ファンタジー系の世界観なのに、いくらなんでもこの展開はいかがなものか。


ちなみにシナリオを担当したのは妖怪ウォッチなどで有名な加藤陽一。

子供向けのギャグ作品などで扱われているギャグ展開や下ネタなどを、この萌え系のゲームに無理矢理押し出してしまったせいで、本作を期待したユーザーに不快感を与えさせてしまった(PVを見てすでに嫌な予感を察したユーザーもいたが)。

しかし彼には「宇宙兄弟」や「結界師」「アイカツ!」など有名な作品の脚本を担当している経験を持っているので、決して本作のような作風しか書けなかった訳ではない。

とはいえ、もう少しまともな脚本家はほかにいなかったのだろうか?(しかし彼よりも、このシナリオを本気で面白いと思ったゲームスタッフの方が責任感があるとも言える)


ヒロインの交代

ヒロインにはトキとトワという二人の人格があり、ゲーム中に入れ替えながら操作するのだが…

交代のタイミングがレベルアップ時であり、その都度装備やスキルが変更されるので面倒くさい。つまり、こちら側で自由に切り替えができない。

イラストでは違うキャラとして描かれているが、ゲーム内では髪の色を変えただけの描写である。せめて服の色ぐらいは変えてほしかった所だが。

またエンディングには影響する(トキの方と結婚するかトワの方と結婚するか、別人格の同一人物であるため、正確には"どちらと結婚式をするか")ものの、クリアまでの道中は好感度ゲージが全く意味をなさない。

挙句そうまでしてみたトワ(2Pカラーの方)との結婚式はトキとのモノの使い回しで、挙句主人公に「まるでトキみたいだ」の一言で済まされる薄っぺらさである。


サブシナリオ

116個存在するのだが、「モンスターを倒してこい」「この人に会ってこい」「これを探して欲しい」といういわゆるお使いイベントしか存在せず、飽きられやすい。


イベントCG

フルプライス価格なのになんとCGが11枚しかない。

ちなみに結婚式シーンはなんと5回も同じシーンが使い回される。


有料DLC

本製品を購入すれば全ての要素が遊べるわけではなく、500円の有料ダウンロードシナリオが5つある。つまり、全てを買えば総額2500円。ぼったくりである。

どれも1つ10分ほどの短いやり取りと、2枚のイラストが収録されているのだが、明らかに値段と合わない。

……もっともDLCの数が多く、値段も異様に高いのはこの作品に限らずバンダイナムコのソフト全般に言えることではあるのだが。

ちなみに、CGは公式サイトなどで見ることが可能。 買う価値なし(しかも現在は配信停止し、公式サイトも封鎖されている)。


ボイス

声優陣は下記にあるように非常に豪華(歴戦のクソゲーハンターは声優の豪華さとその推し方でクソさを感知する芸当も出来るレベルで声優推しゲーの声優推し度と地雷率は比例する。ゲームの内容やシステムではなく声優を推すと言うことは「他に魅力がない」ということなので……)なのだが、このゲームはフルボイスではないため声の無いシーンが非常に多い。…フルアニメーションRPGなのに。

また、上記のように口パクがあっていない問題があり、声優目当てで買ったという人にとっては(も)残念な出来である。さらには口パクすらなく喋る事もある。…フルアニメーションRPGな(ty。


エンディングが投げっぱなし

2周プレイすることで真のエンディングが見られるのだが、こちらもさっぱり意味不明。基本的にストーリー上のやり取りが、ほぼギャグシーンなためお察しな部分もある。

ちなみに、伏線及び真相は限定版購入時に付いてくるドラマCDでのみ語られる。逆に言えば、通常版を購入したユーザーに関しては完全にほったらかし。

おまけにそのドラマCDでも「どうしてこうなったんだろう?」「それが……どうしてなのか、私にも全くわからないんだ」「きっと、僕らの愛の力が奇跡を起こしたんだよ」などと言った1〜2分程度のちょっとした会話で流されて有耶無耶になるだけ。…つまり永遠の謎。


・・・あえて良い点を挙げるなら


これといって目立ったバグが全く無いこと。まずこれに尽きる。


またこの作品では、近年まれに見る『あえて絵の枚数やバリエーションを割愛して減らす』というPlayStation 3と開発者への負担を大幅に軽減する斬新な省エネ法を採用したこと。この点も後学に値するであろう。

こういった引き算の制作は手抜きと受け取られがちだが、「そう見られたくないから」と増やしまくって本筋が埋もれることも多々ある。


更にシナリオライターがさじを投げてギャグに走るほどの、いろんな意味で難解かつ壮大すぎるシナリオも魅力であり、このゲームでしか見られない代永翼氏の怪演も見どころである。


…まあこれらの評価点で納得できるかどうかは人によるものだが。


そして

結局2012年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点に選ばれてしまい、最終的には見事にクソゲーの烙印を押されることとなった。ファミ通ゴールド殿堂とは一体何だったのだろうか。


ちなみに、バンナムはなんとこのゲームのシリーズ化を目指していたらしい。

……が、こんな悲惨な出来でシリーズ化などが二度とできる訳がなく、さらには2015年に開発担当のイメージエポックが破産手続きを開始し、その後2016年に倒産してしまった。

イメージエポックはその後『STELLA GLOW(ステラグロウ)』というゲームを発売していた(発売元はセガ)。なおこちらは良作である。はじめからこっちで作っておけば……



登場人物

ときとわ

16歳のカムザ王国の王女で本作のプレイヤーキャラクター。主人公を救うべく時間を遡る旅に出る。

デュアルソウルと呼ばれる二つの魂を持つ。愛用の武器は銃。

なおトワはトキと身体を共有するもう一つの人格であり、トワが表に出る際は武器が彼女の愛用であるナイフとなる。

ちなみに、何故それぞれの得意技を持っているのか(もっと言えば何故戦い方レベルではなく武器レベルで得意に差が出るのか)はストーリー上語られない為、不明。


カムザ王国の騎士。18歳。

超が付くほどのオープンスケベ。

トキとの結婚式の最中に襲撃を受け、重症を負う不幸な男。

その間際に、「僕はッ!!…100%カッコよくゥゥゥゥ!、間違い無くッ!モテるゥゥゥゥ!」(一部改変あり)と言い放ったことは、あまりにも有名。

何よりも事ある毎にヒロインに童貞臭漂う下劣な妄想を抱き、さらにセクハラを仕掛けようとするその姿はあまりにもキモく(しかもフルボイスな上、演者が上手いため尚更キモさが際立つ)、プレイヤーもイベントを見ているだけで辛くなってくる(声優さん、ご苦労様でした)

ちなみにドラゴンと融合してしまった理由はゲーム中には全く語られない為、設定や原理については完全に不明。


  • ドレイク

トキのペットのドラゴン。上記の通り、瀕死の主人公と何の理由も無く融合させられるハメになる不幸なドラゴン。現代に戻ると何故か主人公に戻る。こちらも原理は不明。


森に住む魔女


トキの友人。天真爛漫。


トキの友人。ウェディングプランナーを務める。心配性。


トキの友人。実家は資産家。


謎の少女。物語の鍵を握るとされている。なぜか関西弁のような言葉を話す。もちろん由来は不明。


  • ヤムロ CV:なし

商店街に住むシェフ。サブクエストで登場するが、彼の決め台詞が「ヤムロ、揚げま〜す!」…と中学生どころか小学生にまで苦笑いされるであろうしょうもないパロディ極まりないセリフを発する。

いくらガンダムの版権を所有してるからって、これは流石にあんまりでは・・・


アサシンギルドらしい団体のリーダー。


関連タグ

キャラゲー クソゲーオブザイヤー PlayStation 3 ロールプレイングゲーム

ワリオランドシェイク -事実上の世界初フルアニメーションゲーム。やり込むと難易度は高いが、こっちは神ゲー。

Cuphead -こちらもフルアニメーションゲーム。しかしこちらは1930年代のアメリカン・アニメーションをイメージしたゲーム。全編セル画という狂気の産物である

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